俺は異世界の潤滑油!~油使いに転生した俺は、冒険者ギルドの人間関係だってヌルッヌルに改善しちゃいます~

あけちともあき

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55・今のところの成果を献上する

第158話 献上品ピックアップ

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「そろそろどうだ?」

 とシャザクが覗きに来たので、何を第二王子に献上しようか二人で相談することにした。
 とりあえず僕の部屋に上げて、今現在上がっている成果を並べていく。

「仮にも貴族を宿の生活感あふれる一室に上げるというのは凄い度胸だ」

「シャザクさんはあまり貴族って感じがしないからな。自分の足で動く人だし」

「領地のない名ばかり貴族だからな……。自分の手で稼ぎ続けるしかない」

 世知辛い。
 だが、第二王子のメッセンジャーみたいな役割になって、随分状況が良くなってきたらしい。
 特に僕担当になってからは給料も上がってかなりいい感じだとか。

「シャザクさあん!」

「おおコゲタ。元気かい? 見る度にちょっぴりずつ大きくなっているな」

「おっ、本当? いつも一緒にいるからよく分からなくて」

「コゲタはコボルドとしてはまだ子供なんだろう。この調子なら来年には成人じゃないか?」

「コゲタも大人の仲間入りかー」

「コゲタおとなー!」

 わいわいと盛り上がった後、床に成果物の記録を並べた。

「豆腐からそれなりの日にちが経過しているが、これだけの成果が上がっているとは……。このナットウというのは?」

「それは一般受けしないと思う」

「そ、そうか。油揚げ、厚揚げ、パスタパン、味噌にキーウリ……。なるほどなるほど……」

 シャザクが唸る。
 そして、「どれもこれもさっぱり想像ができん……。食べに行こう」

 そういうことになったのだった。
 もちろん、僕らがそういった物を食べるとなったら行くべき場所は決まっている。

「おーいギルボウ!」

「またお前らか!! 今度は面倒事じゃないだろうな……?」

「安心しろギルボウ。シャザクさんを連れて一緒にここ最近の美味いものを食って回るから、一緒に行こうって誘いだ」

「うむ。行くぞギルボウ」

「あ、そうなのか! じゃあ行くか。店は今日は終わりだ終わり! はい、閉店」

 今いる客が食べ終わるまで僕らは待ち、新しく入ってくる客を追い返し、そして閉店。
 僕らは出かけることになった。

「まずはパスタパンから行こう」

「ふむ……その名前だけで味が想像できてしまうが……。どちらも粉からできた主食ではないか? 主食に主食を載せて美味いのか……?」

 もっともな疑問である。
 だが、それは一瞬で解決されたようだ。

「あっ、普通に美味い」

「でしょう」

「雑に美味いよな、パスタパン」

「おいしー」

 屋台で買ったパスタパンを、四人で食べるのだ。
 シャザクはトマトパスタのパンを食べたようだ。

「なるほどなあ……。これは悪くない。だが殿下が食べるにはちょっと工夫がなさすぎるなあ。庶民の食事という感じで、その中でもあくまで簡易な……。いや、お嬢は好きだろうな」

「お嬢さんはガッツリ系が好きだからなあ。若いし」

「見た目おきれいなお嬢ちゃんなのに、上品な仕草でめちゃくちゃ食うんだよな」

 若者は若いというだけで、日々多くのカロリーを消費するのだ。
 では、次は油揚げや厚揚げを肴に酒を飲もうという話になる。

 これも屋台が出ているので、三人で料理を注文し、街路に並べられた椅子に腰掛けた。
 簡易なテーブルが用意されており、あちこちで今日の仕事を終えた人々が一杯引っ掛けている。

 出回っている魚醤を、いい感じの濃度になるよう割って、そこにハーブの粉を自分で選んで掛けて自分なりのソースを作る。
 僕はこれだな。
 ちょっと香り強めのソース。

 この世界では今のところ、ネギやショウガなどの薬味がない。
 なので、ハーブで香り付けをして代用にするのだ。

「どれ……? 豆腐を揚げたということだが、どんな味になるのか……。むおっ!! ソースが染みて……。美味い!! なんだ!? 豆腐とは全く別物だ! ふわふわとした薄茶色の皮の中に、膨らんだ豆腐が……豆腐なのか、これが!? これが!?」

「いい反応だなあ」

「だよなあ。あー、油揚げうめえ。これにちょっと強い酒を合わせるのが好きなんだよね俺」

 ギルボウは完全に酒飲みモードだ。
 ちなみに、コゲタは僕の隣でお子様用の席に座り、豆腐をパクパク食べている。

「よし、シャザクさん。より豆腐らしいやつを食べてみようか。厚揚げだ。あ、主人! 厚揚げ四つ!」

 屋台に注文すると、作り置きの厚揚げが出てきて、4人分に切られている。
 料理の用意が早いの、最高だな。

 これにも同じソースを使う。
 まあ、こっちはもっと薄味でもいいんだが。

「あー、確かに豆腐だ。だが、豆腐の旨味がぎゅっと詰まっているような……。揚げて豆腐の水分が抜けたから、味が濃くなっているのか。ああ、こりゃあ堪らんなあ……。ワインと合わせたい……」

 堪らず、屋台の安ワインを注文するシャザク。
 ぐいぐい飲みながら、厚揚げをつつき始めた。

 こうなるともう検分どころではない。
 三人で酒を飲み、つまみを食べ、最近の面白いこととか夏になったらやりたいこととかを駄弁ることになる。
 コゲタも混じって、道で見つけたきれいな花の話とかしてくるので、僕ら三人はそうかそうかと目を細めて聞いた。

「それでシャザクさん、何を献上する?」

「えーと、なんかもう、酒で訳わからんから明日。明日な……」

 選別は持ち越しになってしまった。
 結局その日は深夜まで飲んだので、シャザクは僕の部屋に泊まって床で爆睡していたのだった。

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