181 / 337
61・魔導書を掘り起こせ
第181話 任務が終わったので遊ぼう
しおりを挟む
一瞬で任務が終わってしまった……!
冷凍の魔導書が信じられないほどあっさりと見つかっちゃうんだもんなあ。
「さて……暇になってしまったがどうする?」
「どうするー?」
僕の横で困った顔を真似するコゲタ。
だが僕は実は困ってなどいないのだぞ。
仕事が一瞬で終わってしまったら、あとは自由時間ではないか。
目的は果たしたのだから、もらった軍資金で遊んだっていいのだ!
何せ、この冷凍の魔導書は僕らに預けられた軍資金の何十倍、いや、何千倍もの利益を生み出すであろうからだ。
「おーいナザル! こっちにこい!」
シズマが港の方で飛び跳ねている。
どうしたどうした。
「金を出したら、釣り船だしてくれるって!」
「えっ、本当!?」
「つりー?」
「コゲタは釣りが上手だからなー」
「わん! つりやるー!」
こうして僕らは港へ向かったのだった。
小型の漁船がある。
船の上におっさんがおり、ニコニコしていた。
既に金を受け取ったか……。
「こんな季節に珍しいね、お客さん。夏の魚はあんま美味くねえけど、獲れたてを焼けば割と美味いからさ」
「なんて正直な人だ!」
夏の魚は美味くないぞって言ってる!
まあ、冬になって脂肪を蓄えた魚が美味いということなんだろう。
だが、気にはするまい。
どうせ油で揚げるのである!!
「じゃあよろしく頼むよ親父さん」
「おう、任せてくれ! 船を出すぞお前らー!」
うおー、と返答の声が響く。
船員は五人。
彼らで僕らの釣り船を出してくれるらしい。
結構な人数じゃないか。
「いくら払ったんだシズマ」
「六人で半月仕事しないで暮らせるくらい」
「お前の軍資金ほぼ全部じゃないか」
「いいじゃないかいいじゃないか。パーッと遊んで帰ろうぜ」
そう言われてみると、それがいいかもなあ。
経済も回るし。
僕らは船を出してもらうことにしたのだった。
途中でお茶を出してくれたり、干物を食べさせてくれたり、大変サービスがいい。
そりゃあ、上客だろうからなあ。
彼らがちょっと悪いやつなら、もっと取り分を増やすために僕らを海の真ん中で突き落として金を奪おうとするのではないか。
まあ、そうなった場合は僕とシズマのフルパワーが彼らを陸には返さないだろう。
だが、そんな心配は無用だった。
「海のど真ん中で釣りができるなんて滅多にないからよ! お客さんたち、帰ったらうちの船を宣伝してくれよ! 魚がめちゃくちゃ釣れるところ知ってるんだ。そこに案内してやるからさ! 夜釣りだって行けるぜ!」
「なるほどー」
たくましい!!
継続的な収入を目指しているわけだ。
だが宣伝するのもどれくらいの釣果だったかで決まるのである。
僕らの目は厳しいぞ……!!
さあ、釣り開始だ!
「フィーッシュ!」
「うおー!! 釣れる釣れる!!」
「つれたー!!」
入れ食いである!!
海のど真ん中で、少し先に岩礁がある辺り。
「釣れるだろ? この辺りは暗礁があちこちにあってな。うちよりもでけえ船じゃ危なくて入り込めねえ。だから魚はここに逃げ込むんだが……大量に魚がいるもんだから餌を取り合ってみんな腹ペコなんだよ! まあ、その分魚は痩せててあんまり美味くないんだが」
リップサービスしない人だ!!
正直だなあ。
僕はこの親父さん結構好きだぞ。
とりあえず、バカスカ釣れるのは本当に楽しかった。
1時間半くらい釣りまくって、大満足したので帰還することにしたのだった。
これ以上釣っても食べ切れないからな。
船員諸君にもお集まりいただき……。
「脂が少ない魚でも安心!」
僕が宣言すると、オー、とどよめく船員たち。
素直な人たちだ。
大変アピールのしがいがあるぞ。
鍋などを用意してもらい、船着き場で料理を始めることにした。
ここらは岩場。
燃えて困るものもない。
「持ってきたパン粉は切れちゃったんだけど、この国のパン粉はそば粉になるの?」
これには親父さんが答えてくれた。
「うちはな、ベルベル杉の実を使ってパンを作ってる」
「新しい植物が出てきた」
松ぼっくりみたいなものが差し出される。
この中にたくさん種が詰まっており、それを粉砕して粉にし、ふるいにかけて皮を取り除いたものでパンを作るんだそうだ。
ほうほう……?
どんぐりパンみたいな?
実際にそのものが売ってたので調理前にちょっと食べてみた。
あー、素朴な味のボソボソっとした……パン?
完全栄養食品のパンとかスナックバーみたいな感じかな。
実際、栄養はあるらしい。
だが、ボソボソ食感がよろしくないなあ。
「スープに漬けて食うんだよ」
「なーるほど。ふやかすの前提なのか」
だが、この性質は衣として大変マッチしている。
これを徹底的に砕いて、衣をつけた魚の切り身にこのパン粉をまぶす。
よしよし!
僕の力で油を作り出し、ジューッと揚げるのだ。
「ウワーッ! 手から油が出てきた!」「魔法だ!!」「魔法使いだったんかー」「襲わなくて良かった」
やっぱり襲う選択肢あったのか!
君たちは正しい選択をしたねえ……。
さて、白身に赤身、小さいのに中くらいの、さらには、カニにエビに貝。
色々釣れちゃったから片っ端から揚げて食べて行こうか。
冷凍の魔導書が信じられないほどあっさりと見つかっちゃうんだもんなあ。
「さて……暇になってしまったがどうする?」
「どうするー?」
僕の横で困った顔を真似するコゲタ。
だが僕は実は困ってなどいないのだぞ。
仕事が一瞬で終わってしまったら、あとは自由時間ではないか。
目的は果たしたのだから、もらった軍資金で遊んだっていいのだ!
何せ、この冷凍の魔導書は僕らに預けられた軍資金の何十倍、いや、何千倍もの利益を生み出すであろうからだ。
「おーいナザル! こっちにこい!」
シズマが港の方で飛び跳ねている。
どうしたどうした。
「金を出したら、釣り船だしてくれるって!」
「えっ、本当!?」
「つりー?」
「コゲタは釣りが上手だからなー」
「わん! つりやるー!」
こうして僕らは港へ向かったのだった。
小型の漁船がある。
船の上におっさんがおり、ニコニコしていた。
既に金を受け取ったか……。
「こんな季節に珍しいね、お客さん。夏の魚はあんま美味くねえけど、獲れたてを焼けば割と美味いからさ」
「なんて正直な人だ!」
夏の魚は美味くないぞって言ってる!
まあ、冬になって脂肪を蓄えた魚が美味いということなんだろう。
だが、気にはするまい。
どうせ油で揚げるのである!!
「じゃあよろしく頼むよ親父さん」
「おう、任せてくれ! 船を出すぞお前らー!」
うおー、と返答の声が響く。
船員は五人。
彼らで僕らの釣り船を出してくれるらしい。
結構な人数じゃないか。
「いくら払ったんだシズマ」
「六人で半月仕事しないで暮らせるくらい」
「お前の軍資金ほぼ全部じゃないか」
「いいじゃないかいいじゃないか。パーッと遊んで帰ろうぜ」
そう言われてみると、それがいいかもなあ。
経済も回るし。
僕らは船を出してもらうことにしたのだった。
途中でお茶を出してくれたり、干物を食べさせてくれたり、大変サービスがいい。
そりゃあ、上客だろうからなあ。
彼らがちょっと悪いやつなら、もっと取り分を増やすために僕らを海の真ん中で突き落として金を奪おうとするのではないか。
まあ、そうなった場合は僕とシズマのフルパワーが彼らを陸には返さないだろう。
だが、そんな心配は無用だった。
「海のど真ん中で釣りができるなんて滅多にないからよ! お客さんたち、帰ったらうちの船を宣伝してくれよ! 魚がめちゃくちゃ釣れるところ知ってるんだ。そこに案内してやるからさ! 夜釣りだって行けるぜ!」
「なるほどー」
たくましい!!
継続的な収入を目指しているわけだ。
だが宣伝するのもどれくらいの釣果だったかで決まるのである。
僕らの目は厳しいぞ……!!
さあ、釣り開始だ!
「フィーッシュ!」
「うおー!! 釣れる釣れる!!」
「つれたー!!」
入れ食いである!!
海のど真ん中で、少し先に岩礁がある辺り。
「釣れるだろ? この辺りは暗礁があちこちにあってな。うちよりもでけえ船じゃ危なくて入り込めねえ。だから魚はここに逃げ込むんだが……大量に魚がいるもんだから餌を取り合ってみんな腹ペコなんだよ! まあ、その分魚は痩せててあんまり美味くないんだが」
リップサービスしない人だ!!
正直だなあ。
僕はこの親父さん結構好きだぞ。
とりあえず、バカスカ釣れるのは本当に楽しかった。
1時間半くらい釣りまくって、大満足したので帰還することにしたのだった。
これ以上釣っても食べ切れないからな。
船員諸君にもお集まりいただき……。
「脂が少ない魚でも安心!」
僕が宣言すると、オー、とどよめく船員たち。
素直な人たちだ。
大変アピールのしがいがあるぞ。
鍋などを用意してもらい、船着き場で料理を始めることにした。
ここらは岩場。
燃えて困るものもない。
「持ってきたパン粉は切れちゃったんだけど、この国のパン粉はそば粉になるの?」
これには親父さんが答えてくれた。
「うちはな、ベルベル杉の実を使ってパンを作ってる」
「新しい植物が出てきた」
松ぼっくりみたいなものが差し出される。
この中にたくさん種が詰まっており、それを粉砕して粉にし、ふるいにかけて皮を取り除いたものでパンを作るんだそうだ。
ほうほう……?
どんぐりパンみたいな?
実際にそのものが売ってたので調理前にちょっと食べてみた。
あー、素朴な味のボソボソっとした……パン?
完全栄養食品のパンとかスナックバーみたいな感じかな。
実際、栄養はあるらしい。
だが、ボソボソ食感がよろしくないなあ。
「スープに漬けて食うんだよ」
「なーるほど。ふやかすの前提なのか」
だが、この性質は衣として大変マッチしている。
これを徹底的に砕いて、衣をつけた魚の切り身にこのパン粉をまぶす。
よしよし!
僕の力で油を作り出し、ジューッと揚げるのだ。
「ウワーッ! 手から油が出てきた!」「魔法だ!!」「魔法使いだったんかー」「襲わなくて良かった」
やっぱり襲う選択肢あったのか!
君たちは正しい選択をしたねえ……。
さて、白身に赤身、小さいのに中くらいの、さらには、カニにエビに貝。
色々釣れちゃったから片っ端から揚げて食べて行こうか。
22
あなたにおすすめの小説
『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』
チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。
その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。
「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」
そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!?
のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。
【完結】テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
リヴァイヴ・ヒーロー ~異世界転生に侵略された世界に、英雄は再び現れる~
灰色キャット
ファンタジー
「君に今の時代に生まれ変わって欲しいんだ」
魔物の王を討伐した古き英雄グレリア・ファルトは死後、突然白い世界に呼び出され、神にそう言われてしまった。
彼は生まれ変わるという言葉に孫の言葉を思い出し、新しい人生を生きることを決意した。
遥か昔に生きていた世界がどう変わっているか、発展しているか期待をしながら700年後の時代に転生した彼を待ち受けていたのは……『英雄召喚』と呼ばれる魔法でやってきた異世界人の手によって破壊され発展した――変貌した世界だった。
歴史すら捻じ曲げられた世界で、グレリアは何を求め、知り……世界を生きるのだろうか?
己の心のままに生き、今を知るために、彼は再び歴史を紡ぐ。
そして……主人公はもう一人――『勇者』、『英雄』の定義すら薄くなった世界でそれらに憧れ、近づきたいと願う少年、セイル・シルドニアは学園での入学試験で一人の男と出会う。
そのことをきっかけにしてセイルは本当の意味で『勇者』というものを考え、『英雄』と呼ばれる存在になるためにもがき、苦しむことになるだろう。
例えどんな困難な道であっても、光が照らす道へと……己の力で進むと誓った、その限りを尽くして。
過去の英雄と現代の英雄(の卵)が交差し、歴史を作る!
異世界転生型アンチ異世界転生ファンタジー、ここに開幕!
――なろう・カクヨムでも連載中――
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる