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61・魔導書を掘り起こせ
第181話 任務が終わったので遊ぼう
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一瞬で任務が終わってしまった……!
冷凍の魔導書が信じられないほどあっさりと見つかっちゃうんだもんなあ。
「さて……暇になってしまったがどうする?」
「どうするー?」
僕の横で困った顔を真似するコゲタ。
だが僕は実は困ってなどいないのだぞ。
仕事が一瞬で終わってしまったら、あとは自由時間ではないか。
目的は果たしたのだから、もらった軍資金で遊んだっていいのだ!
何せ、この冷凍の魔導書は僕らに預けられた軍資金の何十倍、いや、何千倍もの利益を生み出すであろうからだ。
「おーいナザル! こっちにこい!」
シズマが港の方で飛び跳ねている。
どうしたどうした。
「金を出したら、釣り船だしてくれるって!」
「えっ、本当!?」
「つりー?」
「コゲタは釣りが上手だからなー」
「わん! つりやるー!」
こうして僕らは港へ向かったのだった。
小型の漁船がある。
船の上におっさんがおり、ニコニコしていた。
既に金を受け取ったか……。
「こんな季節に珍しいね、お客さん。夏の魚はあんま美味くねえけど、獲れたてを焼けば割と美味いからさ」
「なんて正直な人だ!」
夏の魚は美味くないぞって言ってる!
まあ、冬になって脂肪を蓄えた魚が美味いということなんだろう。
だが、気にはするまい。
どうせ油で揚げるのである!!
「じゃあよろしく頼むよ親父さん」
「おう、任せてくれ! 船を出すぞお前らー!」
うおー、と返答の声が響く。
船員は五人。
彼らで僕らの釣り船を出してくれるらしい。
結構な人数じゃないか。
「いくら払ったんだシズマ」
「六人で半月仕事しないで暮らせるくらい」
「お前の軍資金ほぼ全部じゃないか」
「いいじゃないかいいじゃないか。パーッと遊んで帰ろうぜ」
そう言われてみると、それがいいかもなあ。
経済も回るし。
僕らは船を出してもらうことにしたのだった。
途中でお茶を出してくれたり、干物を食べさせてくれたり、大変サービスがいい。
そりゃあ、上客だろうからなあ。
彼らがちょっと悪いやつなら、もっと取り分を増やすために僕らを海の真ん中で突き落として金を奪おうとするのではないか。
まあ、そうなった場合は僕とシズマのフルパワーが彼らを陸には返さないだろう。
だが、そんな心配は無用だった。
「海のど真ん中で釣りができるなんて滅多にないからよ! お客さんたち、帰ったらうちの船を宣伝してくれよ! 魚がめちゃくちゃ釣れるところ知ってるんだ。そこに案内してやるからさ! 夜釣りだって行けるぜ!」
「なるほどー」
たくましい!!
継続的な収入を目指しているわけだ。
だが宣伝するのもどれくらいの釣果だったかで決まるのである。
僕らの目は厳しいぞ……!!
さあ、釣り開始だ!
「フィーッシュ!」
「うおー!! 釣れる釣れる!!」
「つれたー!!」
入れ食いである!!
海のど真ん中で、少し先に岩礁がある辺り。
「釣れるだろ? この辺りは暗礁があちこちにあってな。うちよりもでけえ船じゃ危なくて入り込めねえ。だから魚はここに逃げ込むんだが……大量に魚がいるもんだから餌を取り合ってみんな腹ペコなんだよ! まあ、その分魚は痩せててあんまり美味くないんだが」
リップサービスしない人だ!!
正直だなあ。
僕はこの親父さん結構好きだぞ。
とりあえず、バカスカ釣れるのは本当に楽しかった。
1時間半くらい釣りまくって、大満足したので帰還することにしたのだった。
これ以上釣っても食べ切れないからな。
船員諸君にもお集まりいただき……。
「脂が少ない魚でも安心!」
僕が宣言すると、オー、とどよめく船員たち。
素直な人たちだ。
大変アピールのしがいがあるぞ。
鍋などを用意してもらい、船着き場で料理を始めることにした。
ここらは岩場。
燃えて困るものもない。
「持ってきたパン粉は切れちゃったんだけど、この国のパン粉はそば粉になるの?」
これには親父さんが答えてくれた。
「うちはな、ベルベル杉の実を使ってパンを作ってる」
「新しい植物が出てきた」
松ぼっくりみたいなものが差し出される。
この中にたくさん種が詰まっており、それを粉砕して粉にし、ふるいにかけて皮を取り除いたものでパンを作るんだそうだ。
ほうほう……?
どんぐりパンみたいな?
実際にそのものが売ってたので調理前にちょっと食べてみた。
あー、素朴な味のボソボソっとした……パン?
完全栄養食品のパンとかスナックバーみたいな感じかな。
実際、栄養はあるらしい。
だが、ボソボソ食感がよろしくないなあ。
「スープに漬けて食うんだよ」
「なーるほど。ふやかすの前提なのか」
だが、この性質は衣として大変マッチしている。
これを徹底的に砕いて、衣をつけた魚の切り身にこのパン粉をまぶす。
よしよし!
僕の力で油を作り出し、ジューッと揚げるのだ。
「ウワーッ! 手から油が出てきた!」「魔法だ!!」「魔法使いだったんかー」「襲わなくて良かった」
やっぱり襲う選択肢あったのか!
君たちは正しい選択をしたねえ……。
さて、白身に赤身、小さいのに中くらいの、さらには、カニにエビに貝。
色々釣れちゃったから片っ端から揚げて食べて行こうか。
冷凍の魔導書が信じられないほどあっさりと見つかっちゃうんだもんなあ。
「さて……暇になってしまったがどうする?」
「どうするー?」
僕の横で困った顔を真似するコゲタ。
だが僕は実は困ってなどいないのだぞ。
仕事が一瞬で終わってしまったら、あとは自由時間ではないか。
目的は果たしたのだから、もらった軍資金で遊んだっていいのだ!
何せ、この冷凍の魔導書は僕らに預けられた軍資金の何十倍、いや、何千倍もの利益を生み出すであろうからだ。
「おーいナザル! こっちにこい!」
シズマが港の方で飛び跳ねている。
どうしたどうした。
「金を出したら、釣り船だしてくれるって!」
「えっ、本当!?」
「つりー?」
「コゲタは釣りが上手だからなー」
「わん! つりやるー!」
こうして僕らは港へ向かったのだった。
小型の漁船がある。
船の上におっさんがおり、ニコニコしていた。
既に金を受け取ったか……。
「こんな季節に珍しいね、お客さん。夏の魚はあんま美味くねえけど、獲れたてを焼けば割と美味いからさ」
「なんて正直な人だ!」
夏の魚は美味くないぞって言ってる!
まあ、冬になって脂肪を蓄えた魚が美味いということなんだろう。
だが、気にはするまい。
どうせ油で揚げるのである!!
「じゃあよろしく頼むよ親父さん」
「おう、任せてくれ! 船を出すぞお前らー!」
うおー、と返答の声が響く。
船員は五人。
彼らで僕らの釣り船を出してくれるらしい。
結構な人数じゃないか。
「いくら払ったんだシズマ」
「六人で半月仕事しないで暮らせるくらい」
「お前の軍資金ほぼ全部じゃないか」
「いいじゃないかいいじゃないか。パーッと遊んで帰ろうぜ」
そう言われてみると、それがいいかもなあ。
経済も回るし。
僕らは船を出してもらうことにしたのだった。
途中でお茶を出してくれたり、干物を食べさせてくれたり、大変サービスがいい。
そりゃあ、上客だろうからなあ。
彼らがちょっと悪いやつなら、もっと取り分を増やすために僕らを海の真ん中で突き落として金を奪おうとするのではないか。
まあ、そうなった場合は僕とシズマのフルパワーが彼らを陸には返さないだろう。
だが、そんな心配は無用だった。
「海のど真ん中で釣りができるなんて滅多にないからよ! お客さんたち、帰ったらうちの船を宣伝してくれよ! 魚がめちゃくちゃ釣れるところ知ってるんだ。そこに案内してやるからさ! 夜釣りだって行けるぜ!」
「なるほどー」
たくましい!!
継続的な収入を目指しているわけだ。
だが宣伝するのもどれくらいの釣果だったかで決まるのである。
僕らの目は厳しいぞ……!!
さあ、釣り開始だ!
「フィーッシュ!」
「うおー!! 釣れる釣れる!!」
「つれたー!!」
入れ食いである!!
海のど真ん中で、少し先に岩礁がある辺り。
「釣れるだろ? この辺りは暗礁があちこちにあってな。うちよりもでけえ船じゃ危なくて入り込めねえ。だから魚はここに逃げ込むんだが……大量に魚がいるもんだから餌を取り合ってみんな腹ペコなんだよ! まあ、その分魚は痩せててあんまり美味くないんだが」
リップサービスしない人だ!!
正直だなあ。
僕はこの親父さん結構好きだぞ。
とりあえず、バカスカ釣れるのは本当に楽しかった。
1時間半くらい釣りまくって、大満足したので帰還することにしたのだった。
これ以上釣っても食べ切れないからな。
船員諸君にもお集まりいただき……。
「脂が少ない魚でも安心!」
僕が宣言すると、オー、とどよめく船員たち。
素直な人たちだ。
大変アピールのしがいがあるぞ。
鍋などを用意してもらい、船着き場で料理を始めることにした。
ここらは岩場。
燃えて困るものもない。
「持ってきたパン粉は切れちゃったんだけど、この国のパン粉はそば粉になるの?」
これには親父さんが答えてくれた。
「うちはな、ベルベル杉の実を使ってパンを作ってる」
「新しい植物が出てきた」
松ぼっくりみたいなものが差し出される。
この中にたくさん種が詰まっており、それを粉砕して粉にし、ふるいにかけて皮を取り除いたものでパンを作るんだそうだ。
ほうほう……?
どんぐりパンみたいな?
実際にそのものが売ってたので調理前にちょっと食べてみた。
あー、素朴な味のボソボソっとした……パン?
完全栄養食品のパンとかスナックバーみたいな感じかな。
実際、栄養はあるらしい。
だが、ボソボソ食感がよろしくないなあ。
「スープに漬けて食うんだよ」
「なーるほど。ふやかすの前提なのか」
だが、この性質は衣として大変マッチしている。
これを徹底的に砕いて、衣をつけた魚の切り身にこのパン粉をまぶす。
よしよし!
僕の力で油を作り出し、ジューッと揚げるのだ。
「ウワーッ! 手から油が出てきた!」「魔法だ!!」「魔法使いだったんかー」「襲わなくて良かった」
やっぱり襲う選択肢あったのか!
君たちは正しい選択をしたねえ……。
さて、白身に赤身、小さいのに中くらいの、さらには、カニにエビに貝。
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