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61・魔導書を掘り起こせ
第182話 海鮮フライ大会である
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揚がりに揚がった、海鮮フライの山、山、山。
「じゃあみんなで食べていきましょう。この国の味付けは塩とハーブ? どこも一緒だなあ」
すると親父さんが妙なものを持ってきた。
それを見て、船員たちもニヤニヤする。
なんだなんだ。
半透明の瓶に収まった、真っ黒いどろりとした液体。
「こいつはちょっと外国の人にはきっついかも知れないけどよ。慣れると美味いんだ。ちょっとした発酵食品でよ」
「ほう、魚醤かな……?」
「ファイブショーナンのあれか? いや、あれとはまた違ってな……。こっちじゃ気温が低すぎてなかなか発酵しねえんだ。だから、何年か土の中に埋めて発酵させるわけでな」
「あっ!! キビヤックか!!」
キビヤックというのはエスキモー料理で、肉と内臓を抜いたアザラシの中に海鳥を詰め込み発酵させ、肛門から発酵した内臓をいただくという料理なのだ。
当然僕は食べたことなどない。
これは液状化した内臓を瓶詰めし、調味料として用いているものなのだろう。
瓶の蓋をちょっと開けただけで、コゲタが「ぴゃー!」と叫んで逃げた。
臭いのか!
臭いんだな!
とりあえず、コゲタが参加できないのはあれなので、僕はキビヤックをガーッと加熱してニオイを飛ばしておいた。
「あー、もったいない」「熱すると栄養が逃げちゃう」「本来の食べ方じゃない」
「においに弱い小さい子がいるんでね」
ということで、気を取り直して。
揚げ物大会がスタートするのだ。
臭いがなくなったので、コゲタも戻ってきた。
「ではいただきましょう。いただきます」
「いただきます!!」
「いただきまあす!」
僕とシズマとコゲタが不思議なことを言ったので、船乗りたちはこれを聞いて真似をする。
「イ、イタダキマス」「イタダキマース!」「イタダキマス!!」
「どういう意味なんだ、これ?」
「食い物にね、僕らの飯になってくれてありがとうな、って感謝する言葉だ。あと祈りの言葉かなあ」
「あーあーあー。なるほど。宗教的なやつな。神に感謝する的な? なるほどなあ。いいんじゃね? 確かに俺等は海と魚に生かされてるもんなあ」
「オー」「なるほど」「言われてみればそのとおりだな」「イタダキマス、いいじゃねえか」「使っていこうぜ」「海神がちょっと機嫌良くなって魚も多く獲れるかもだし」
わいわい騒ぎながら、お酒も用意して、みんなごきげんな感じで揚げ物をかじり始める。
おっ、それは貝類のフライだね……。
「うんま!!」「わお! そのままタレに漬けて食うやつだとおもってたけど、これそのものがうめえわ!」「サクサクの下にほっくり~」
もう一人は、エビフライを食ってる。
「止まんねえ……。サクッとして、下にプリっとした肉があってうめえ……あまりにもうめえ……!!」「エビこんなに美味かったんだ……」「魚もサクサクほくほくでうまいわー」
みんなすっかり夢中になったな。
猛烈な勢いでフライが減る!
そして酒が進む。
最初はキビヤックを付けて食べていたが、すぐに塩で食べ始めた。
海鮮の味が分からなくなってしまうことに気づいたようだな!
ちなみにシズマも夢中になってエビフライを食っている。
「俺エビフライ超絶好きなんだよー!!」
「そうだったのか……。僕のぶんのエビも食え」
「兄弟! なんていい奴なんだ……!!」
僕は魚のフライを食っていくからな。
「白身魚と赤身魚が混じってるな。赤身は癖が強いから、キビヤックを付けても負けない……。おっ! なんか濃厚な発酵調味料~って味がする。慣れてくると美味いなあ! 白身は塩だな。揚げたてがクソ美味い」
「おいしー!」
コゲタは油控えめなコゲタ用をパクパク食べてる。
おちびさんなので、揚げ物一個一個をゆっくりゆっくり大切に食べているのだ。
たくさん食べて大きくなれよー。
口の周りに揚げ物の欠片がついてたので、拭いてあげた。
さて、こうして海鮮フライ大会は無事に終わり……。
満腹になって転がっている船乗りたちがそこに残されたのである。
僕は油のコントロールが可能なので、揚げ物に残った油を魔力に変換することで胃もたれしないのである!
シズマは腹十分目食べたな?
コゲタはお腹いっぱいで眠そうだ。
「よし、僕がおんぶして帰ってやるから寝ていいぞ」
「うんー、ごしゅじーん」
僕の背中にコゲタがおぶさってきた。
相変わらずお日様のにおいがする。
「では僕らはこれで。釣り船出してくれてありがとうございましたー」
「おーう、こっちこそ美味い揚げ物ありがとうなあー」
船乗りたちに別れを告げた僕らは、その日一泊し、帰途につくことになるのだった。
「うー、晩飯はいらない……。寝る……」
「すぴーすぴー」
シズマが寝転がり、コゲタは爆睡だ!
僕だけ暇になったので、お茶など買って外を眺めながらぼーっと飲むことにした。
冷凍の魔導書を片手に、ちょっとめくってみる。
ほうほう、読めないかと思っていたが、ちょっとずつ読める文字が増えてきているような……。
とはいえ、油と冷気は相性がよろしくない。
保存するにはいいんだけど、僕の能力は常に新しい油を生み出し続けるしなあ。
「済まないが、僕が君を使うことはあるまいな。だが、君にはこれから大活躍する舞台が待っていると約束しよう」
魔導書に話しかけながら、ワンダバーのお茶を飲む。
ちょっと昆布茶っぽいんだなあ、ここのお茶。
「じゃあみんなで食べていきましょう。この国の味付けは塩とハーブ? どこも一緒だなあ」
すると親父さんが妙なものを持ってきた。
それを見て、船員たちもニヤニヤする。
なんだなんだ。
半透明の瓶に収まった、真っ黒いどろりとした液体。
「こいつはちょっと外国の人にはきっついかも知れないけどよ。慣れると美味いんだ。ちょっとした発酵食品でよ」
「ほう、魚醤かな……?」
「ファイブショーナンのあれか? いや、あれとはまた違ってな……。こっちじゃ気温が低すぎてなかなか発酵しねえんだ。だから、何年か土の中に埋めて発酵させるわけでな」
「あっ!! キビヤックか!!」
キビヤックというのはエスキモー料理で、肉と内臓を抜いたアザラシの中に海鳥を詰め込み発酵させ、肛門から発酵した内臓をいただくという料理なのだ。
当然僕は食べたことなどない。
これは液状化した内臓を瓶詰めし、調味料として用いているものなのだろう。
瓶の蓋をちょっと開けただけで、コゲタが「ぴゃー!」と叫んで逃げた。
臭いのか!
臭いんだな!
とりあえず、コゲタが参加できないのはあれなので、僕はキビヤックをガーッと加熱してニオイを飛ばしておいた。
「あー、もったいない」「熱すると栄養が逃げちゃう」「本来の食べ方じゃない」
「においに弱い小さい子がいるんでね」
ということで、気を取り直して。
揚げ物大会がスタートするのだ。
臭いがなくなったので、コゲタも戻ってきた。
「ではいただきましょう。いただきます」
「いただきます!!」
「いただきまあす!」
僕とシズマとコゲタが不思議なことを言ったので、船乗りたちはこれを聞いて真似をする。
「イ、イタダキマス」「イタダキマース!」「イタダキマス!!」
「どういう意味なんだ、これ?」
「食い物にね、僕らの飯になってくれてありがとうな、って感謝する言葉だ。あと祈りの言葉かなあ」
「あーあーあー。なるほど。宗教的なやつな。神に感謝する的な? なるほどなあ。いいんじゃね? 確かに俺等は海と魚に生かされてるもんなあ」
「オー」「なるほど」「言われてみればそのとおりだな」「イタダキマス、いいじゃねえか」「使っていこうぜ」「海神がちょっと機嫌良くなって魚も多く獲れるかもだし」
わいわい騒ぎながら、お酒も用意して、みんなごきげんな感じで揚げ物をかじり始める。
おっ、それは貝類のフライだね……。
「うんま!!」「わお! そのままタレに漬けて食うやつだとおもってたけど、これそのものがうめえわ!」「サクサクの下にほっくり~」
もう一人は、エビフライを食ってる。
「止まんねえ……。サクッとして、下にプリっとした肉があってうめえ……あまりにもうめえ……!!」「エビこんなに美味かったんだ……」「魚もサクサクほくほくでうまいわー」
みんなすっかり夢中になったな。
猛烈な勢いでフライが減る!
そして酒が進む。
最初はキビヤックを付けて食べていたが、すぐに塩で食べ始めた。
海鮮の味が分からなくなってしまうことに気づいたようだな!
ちなみにシズマも夢中になってエビフライを食っている。
「俺エビフライ超絶好きなんだよー!!」
「そうだったのか……。僕のぶんのエビも食え」
「兄弟! なんていい奴なんだ……!!」
僕は魚のフライを食っていくからな。
「白身魚と赤身魚が混じってるな。赤身は癖が強いから、キビヤックを付けても負けない……。おっ! なんか濃厚な発酵調味料~って味がする。慣れてくると美味いなあ! 白身は塩だな。揚げたてがクソ美味い」
「おいしー!」
コゲタは油控えめなコゲタ用をパクパク食べてる。
おちびさんなので、揚げ物一個一個をゆっくりゆっくり大切に食べているのだ。
たくさん食べて大きくなれよー。
口の周りに揚げ物の欠片がついてたので、拭いてあげた。
さて、こうして海鮮フライ大会は無事に終わり……。
満腹になって転がっている船乗りたちがそこに残されたのである。
僕は油のコントロールが可能なので、揚げ物に残った油を魔力に変換することで胃もたれしないのである!
シズマは腹十分目食べたな?
コゲタはお腹いっぱいで眠そうだ。
「よし、僕がおんぶして帰ってやるから寝ていいぞ」
「うんー、ごしゅじーん」
僕の背中にコゲタがおぶさってきた。
相変わらずお日様のにおいがする。
「では僕らはこれで。釣り船出してくれてありがとうございましたー」
「おーう、こっちこそ美味い揚げ物ありがとうなあー」
船乗りたちに別れを告げた僕らは、その日一泊し、帰途につくことになるのだった。
「うー、晩飯はいらない……。寝る……」
「すぴーすぴー」
シズマが寝転がり、コゲタは爆睡だ!
僕だけ暇になったので、お茶など買って外を眺めながらぼーっと飲むことにした。
冷凍の魔導書を片手に、ちょっとめくってみる。
ほうほう、読めないかと思っていたが、ちょっとずつ読める文字が増えてきているような……。
とはいえ、油と冷気は相性がよろしくない。
保存するにはいいんだけど、僕の能力は常に新しい油を生み出し続けるしなあ。
「済まないが、僕が君を使うことはあるまいな。だが、君にはこれから大活躍する舞台が待っていると約束しよう」
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ちょっと昆布茶っぽいんだなあ、ここのお茶。
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