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82・島の裏側へ
第247話 インディカ米への道
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「うまいねーこれ」
リップルがニコニコしながら甘酒を飲んでいる。
そりゃあ美味しかろう。
お米を使ったお酒の最も原始的な形だ。
垂れ耳コボルドの村のお酒と言うと、もっぱらこれと、木の洞で発酵させた果実なんだそうだ。
ほうほう、甘酒が最上位のお酒になるの?
いいですねえ~。
僕も甘酒を飲ませてもらい、ニコニコになった。
うまーい。
コゲタは酔っ払っちゃうかもなあ。
「のみたーい!」
「ちょっとだけだぞー」
「んー。へんてこなあじ!」
コゲタにはちょっと難しいか!
お米の癖もあるしな。
こうして、垂れ耳コボルドの村で丸一日厄介になってしまった。
いやあ、堪能した堪能した。
あらゆる食材を炊き込みご飯にする、恐るべき炊き込みご飯の里なのだった。
「島の裏側では違う米が採れるそうじゃ」
「村長! それは噂に聞く粒の長いサラッとしたお米ですか」
「そうそう! あれは炊くのではなく茹でるのじゃが、ハーブで香りをつけて魚や果実なんかと合わせると美味い」
「なるほどー」
全く食べ方の異なるインディカ米。
それがこの島の裏側で栽培されているのだ。
「お米に全然違う種類があるのかい? 興味が湧いたなあ……。行ってみようじゃないかナザル」
「リップルがすっかり積極的に……」
「私はどうやらこの米というのを使った文化ととても相性がいいみたいだ。いやあ楽しみだ」
こうして僕らは垂れ耳コボルドの村に別れを告げ、旅立ったのだった。
ちょっと歩くと森を抜ける。
そこからは草原が広がっており、彼ら垂れ耳コボルドはこっち側にはやってこないんだそうだ。
何故なら……。
「ブオオオオオ!!」
凄い声をあげて、ドシンドシンと走ってくるのがいる。
ティラノサウルスみたいなやつだ!
大きさは5mくらいか。
体は鱗に覆われ、コボルドたちの陶器の矢ではなんともできないらしい。
なーるほどなあ。
「ほい、油」
「ブオーッ!?」
すてーんと転んだ恐竜。
そこにリップルが、「ほいさ!」と名前も告げずに魔法を放ち、相手をカチンコチンに凍りつかせた。
イージーミッションである。
コボルドたちの戦闘力的に、アーランの一般市民なみ。
アイアン級冒険者にも届くまい。
その他、地面からわっしゃわっしゃとドデカモグラみたいなのが出てきて、足を攻撃してくる。
これは僕が鍛え上げたコゲタが棒で叩いてやっつけていた。
「えいやあ!」
「もぎゅわーっ!!」
「いいぞコゲタ! ドデカモグラは頭をぶん殴られることに耐性がない!」
「普通棒で頭を叩かれたら誰だって厳しいと思うんだけどなあ」
「えいえい!」
「もぎゅわーっ!!」
三匹くらい頭を殴って昏倒させたら、モグラたちは諦めたようだった。
「コゲタつよい!」
「うんうん。強かった! 既にアイアン級の実力はあるな。帰ったら試験受けてみようなー」
「ナザルの英才教育が成ったみたいだねえ。ひょっとすると、あのコボルドの村でコゲタが最強だったかもしれない」
「つよい!? コゲタすごくつよい!?」
「強いかもしれないねー」
「僕らは感覚が麻痺してたけど、コボルドとしてはかなり強いかもしれない」
コゲタはムフーッと鼻息も荒く、やる気にみちみちた。
それはそうと、危ないモンスターとは戦わせないからねー。
冒険者のアイアン級というのは、あくまで雑用仕事とせいぜいがゴブリン未満のモンスターを追い払うくらいを期待されるクラスだ。
自ら率先して戦いを挑むには実力が足りないと見られているわけね。
そんなこんなで、草原地帯にいるモンスターを蹴散らしながら突き進む。
大型はあまり殺してしまうと生態系がおかしくなる。
最初の一匹だけにし、あとは油で転ばせるに留めた。
こいつら、転んでしばらくつるつる起き上がれないだけで戦意を喪失するからね。
物わかりがよくてよろしい。
大型恐竜を何匹かこかしたら、一切手出しされなくなった。
草原は平和だなあ、ハハハ。
こうしてコボルドたちが横断できない草原を悠々と横断したら、もう夜になる頃だった。
その先に水田が見えるじゃないか。
で、水路が縦横にめぐらされている。
どういうわけか、草原の危険なモンスターたちはこっちにやってこないのだった。
「おや、こんな遅くに珍しい」
入口付近に佇んでいたスケアクロウ族が、僕らを見て目を丸くした。
布製の顔に描かれた絵みたいなのに、表情がコロコロと変わる。
島の表側のスケアクロウと違い、ちょっとラフな雰囲気の服装だ。
地面には棒が突き立っており、これにスケアクロウが寄りかかっていた。
「草原を抜けてこられた? それは凄い。ディノパイルを退けて? 本当に凄い。素手なのに」
「あ、もしかして水田へモンスターの侵入を阻んでいるのはここのスケアクロウたち?」
「その通りです。我々は棒術を使い、モンスターと戦いますから」
スパパパパッと、見事な棒さばきを見せてくれるスケアクロウ。
「すごーい!!」
コゲタがぴょんぴょん跳ねて感激した。
これは、コゲタのレベルアップが望める場所かも知れない。
新たなスケアクロウの里は、また様々なワンダーが期待できそうなのだった。
リップルがニコニコしながら甘酒を飲んでいる。
そりゃあ美味しかろう。
お米を使ったお酒の最も原始的な形だ。
垂れ耳コボルドの村のお酒と言うと、もっぱらこれと、木の洞で発酵させた果実なんだそうだ。
ほうほう、甘酒が最上位のお酒になるの?
いいですねえ~。
僕も甘酒を飲ませてもらい、ニコニコになった。
うまーい。
コゲタは酔っ払っちゃうかもなあ。
「のみたーい!」
「ちょっとだけだぞー」
「んー。へんてこなあじ!」
コゲタにはちょっと難しいか!
お米の癖もあるしな。
こうして、垂れ耳コボルドの村で丸一日厄介になってしまった。
いやあ、堪能した堪能した。
あらゆる食材を炊き込みご飯にする、恐るべき炊き込みご飯の里なのだった。
「島の裏側では違う米が採れるそうじゃ」
「村長! それは噂に聞く粒の長いサラッとしたお米ですか」
「そうそう! あれは炊くのではなく茹でるのじゃが、ハーブで香りをつけて魚や果実なんかと合わせると美味い」
「なるほどー」
全く食べ方の異なるインディカ米。
それがこの島の裏側で栽培されているのだ。
「お米に全然違う種類があるのかい? 興味が湧いたなあ……。行ってみようじゃないかナザル」
「リップルがすっかり積極的に……」
「私はどうやらこの米というのを使った文化ととても相性がいいみたいだ。いやあ楽しみだ」
こうして僕らは垂れ耳コボルドの村に別れを告げ、旅立ったのだった。
ちょっと歩くと森を抜ける。
そこからは草原が広がっており、彼ら垂れ耳コボルドはこっち側にはやってこないんだそうだ。
何故なら……。
「ブオオオオオ!!」
凄い声をあげて、ドシンドシンと走ってくるのがいる。
ティラノサウルスみたいなやつだ!
大きさは5mくらいか。
体は鱗に覆われ、コボルドたちの陶器の矢ではなんともできないらしい。
なーるほどなあ。
「ほい、油」
「ブオーッ!?」
すてーんと転んだ恐竜。
そこにリップルが、「ほいさ!」と名前も告げずに魔法を放ち、相手をカチンコチンに凍りつかせた。
イージーミッションである。
コボルドたちの戦闘力的に、アーランの一般市民なみ。
アイアン級冒険者にも届くまい。
その他、地面からわっしゃわっしゃとドデカモグラみたいなのが出てきて、足を攻撃してくる。
これは僕が鍛え上げたコゲタが棒で叩いてやっつけていた。
「えいやあ!」
「もぎゅわーっ!!」
「いいぞコゲタ! ドデカモグラは頭をぶん殴られることに耐性がない!」
「普通棒で頭を叩かれたら誰だって厳しいと思うんだけどなあ」
「えいえい!」
「もぎゅわーっ!!」
三匹くらい頭を殴って昏倒させたら、モグラたちは諦めたようだった。
「コゲタつよい!」
「うんうん。強かった! 既にアイアン級の実力はあるな。帰ったら試験受けてみようなー」
「ナザルの英才教育が成ったみたいだねえ。ひょっとすると、あのコボルドの村でコゲタが最強だったかもしれない」
「つよい!? コゲタすごくつよい!?」
「強いかもしれないねー」
「僕らは感覚が麻痺してたけど、コボルドとしてはかなり強いかもしれない」
コゲタはムフーッと鼻息も荒く、やる気にみちみちた。
それはそうと、危ないモンスターとは戦わせないからねー。
冒険者のアイアン級というのは、あくまで雑用仕事とせいぜいがゴブリン未満のモンスターを追い払うくらいを期待されるクラスだ。
自ら率先して戦いを挑むには実力が足りないと見られているわけね。
そんなこんなで、草原地帯にいるモンスターを蹴散らしながら突き進む。
大型はあまり殺してしまうと生態系がおかしくなる。
最初の一匹だけにし、あとは油で転ばせるに留めた。
こいつら、転んでしばらくつるつる起き上がれないだけで戦意を喪失するからね。
物わかりがよくてよろしい。
大型恐竜を何匹かこかしたら、一切手出しされなくなった。
草原は平和だなあ、ハハハ。
こうしてコボルドたちが横断できない草原を悠々と横断したら、もう夜になる頃だった。
その先に水田が見えるじゃないか。
で、水路が縦横にめぐらされている。
どういうわけか、草原の危険なモンスターたちはこっちにやってこないのだった。
「おや、こんな遅くに珍しい」
入口付近に佇んでいたスケアクロウ族が、僕らを見て目を丸くした。
布製の顔に描かれた絵みたいなのに、表情がコロコロと変わる。
島の表側のスケアクロウと違い、ちょっとラフな雰囲気の服装だ。
地面には棒が突き立っており、これにスケアクロウが寄りかかっていた。
「草原を抜けてこられた? それは凄い。ディノパイルを退けて? 本当に凄い。素手なのに」
「あ、もしかして水田へモンスターの侵入を阻んでいるのはここのスケアクロウたち?」
「その通りです。我々は棒術を使い、モンスターと戦いますから」
スパパパパッと、見事な棒さばきを見せてくれるスケアクロウ。
「すごーい!!」
コゲタがぴょんぴょん跳ねて感激した。
これは、コゲタのレベルアップが望める場所かも知れない。
新たなスケアクロウの里は、また様々なワンダーが期待できそうなのだった。
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