記憶と魔力を婚約者に奪われた「ないない尽くしの聖女」は、ワケあり王子様のお気に入り~王族とは知らずにそばにいた彼から なぜか溺愛されています
瑞貴◆後悔してる/手違いの妻2巻発売!
文字の大きさ
大中小
1 / 112
プロローグ
しおりを挟む
【SIDE 元婚約者 フィリベール王太子】
「くそぅっ! 私は何も聞いていなかったぞ。知っていれば、ジュディットとの婚約破棄などしなかったのに。リナのやつめ……私を騙しやがって」
いら立ちを堪えられず赤い髪をかきむしるが、そんなことをしたところで一向に気持ちは収まらない。
元凶の人物を訪ね歩き二か所目。駆けつけた馬車から急いで飛び降り、ドゥメリー公爵家の屋敷へ上がり込む。
勝手知ったる公爵家の邸宅内を突き進み、当主の部屋の前に到着した。
その扉を勢いよく開ければ、中年の大男が部屋の中で一人、頭を抱えて佇んでいた。
やつは、許可もなく入室した私を睨みつけてきたが、相手が私だと気づけば瞬時に青ざめた。
怒鳴り散らしたいところだが、周囲の人間に聞かれるのはまずい。感情任せに大声を出すわけにはいかないと、ドゥメリー公爵に近づく。
「探せ! 公爵が捨てた筆頭聖女のジュディットを、この場に連れ戻せ」
「——フ、フィリベール王太子殿下の仰りたいことは分かりますが……。娘を捨て置いた場所からすると、狼に襲われ、もう生きてはいないはずです」
「いいや、彼女は死んでいない。あの女と私が結んだ闇魔法の契約が、まだ消えてはいないからな。どこかにいるのは間違いない。探し出せ!」
「左様でございますか。——ですが、娘を連れ帰ってきても、魔力が封印されているのでは、聖女として役立たずのままではありませんか……?」
「いいや。あの日結んだ私との魔法契約を解呪する」
「そ、それでは魔力と共に……娘の記憶も戻ってしまいます。そうなると殿下もわたくしも、妹のリナも……。いえ、殿下の妻となる婚約者も……。まずいことになります」
「馬鹿だな。ジュディットとの魔法契約は二つ結んであるんだ。その魔法契約の一つ。封印した魔力を解放するが、あいつの記憶は一生封印したまま二度と戻す気はない」
「なるほど!」
私の提案である「記憶を戻さないこと」に安堵すると、ポンと手を叩いた。
「どうせあの女は今ごろ草の根を噛むような暮らしをしているはずだ。そんな中で王太子の元婚約者だから恩情を与えると言われれば、あの女は泣いて喜び、私の言いなりになるだろう。どうせ不満も言えないさ。こちらの都合のいいように、あの聖女の力を利用する」
「承知いたしました。それでは、公爵家総出でジュディットを探し出し、再び殿下の元へ連れて参ります」
「そうしてくれ。時は一刻を争う。大司教のガラス玉の製作者はジュディットだった。早く見つけなければ騒動が起きる。すぐに動け!」
「ま、まさか……ガラス玉はジュディットが作っていたと仰るのですか?」
「それだけじゃない。魔物の捕獲もこの国の結界も全て、あの女が独りでやっていたんだ! ああぁ~、畜生ッ。何がどうなっているんだ!」
「そそそそ、それは……いいい、一大事ではありませんか!」
「そうだッ! だからさっさと探し出せ。リナとの関係も、もう後戻りはできない。連れ戻したジュディットのことは側室にでもしてやるからそのつもりでいてくれ」
それを言い残し、ドゥメリー公爵家を後にした。
◇◇◇
【SIDE ジュディ(ジュディット)】
ある日。全く知らない場所で目が覚めると、整った容姿の青年が横にいた。
まるで、繊細なガラス細工のような見知らぬ美男子が、わたしを覗き込む。
優しい空気を纏う彼の瞳は、黒色なのに、情熱を帯びる赤色が重なっている。
そんな不思議な色合いに吸い寄せられるよう、彼を見つめ返してしまう。
頭の奥がうずく、運命的な出会いに感じた。
――理由はもちろん分からない。
恋? いいえ違うわね。
ときめきとは無縁の感情だから、それは否定しておく。
ぽぉーっとするわたしを全く気にも留めない彼は、品のいい口元をゆっくりと動かす。
「琥珀色の瞳ですか……珍しいですね」
彼がぽつりと発した琥珀色の瞳とは……はてな。
わたしのことなのか?
そう言われたところで、自覚がない。
自分の容姿でさえ他人事に感じてしまい、きょとんと間の抜けた顔を向け、黙りこくる。
「……」
「あなたの名前は?」
気遣わしげに訊ねられたものの……。
あれ? わたしは誰だ? 名前が分からない……。
――まさか。そんなはずはないだろう。
何故って? それは、何もかも分からないわけではないもの。
もし、この国の名前を聞かれれば「ルダイラ王国」と答えるし、王家の名前を訊ねられれば、躊躇うことなく「リファール家」と返答できるから。
それなのに自分の名前が分からないのは……見知らぬ場所で、ただ困惑しているだけだと言い聞かせ、ゆっくり答えを探してみた。
けれど――……駄目ね。ちっとも分からない。
一体どうしたんだ?
自分の身に起きている現象に、ただただ困惑してしまう。
たかだか名前一つで悩むわたしを、彼が揶揄うように笑い、話を続ける。
「ははっ。何もしませんから、そこまで警戒しないでください」
すっと美しく通った鼻筋の彼は、キリリとした黒い目を細め、口元を綻ばせる。
潤いのある黒い髪が印象的で、影を連想させる黒色の貴公子。彼は自分を「アンドレ」と名乗った。
気遣いを見せる彼に微笑みかけられても、自分が誰か分からず、戸惑うばかり。
だけど彼なら大丈夫だろう。そう感じたわたしは、思い切って打ち明けることに決めた。
「それが……名前が分からないの」
菫色の髪に触れながら、もじもじと告げる。
不可思議な言動を告げた途端、彼が緊張した気配を放ち、この部屋の空気がピリリと一変した。
「あ~。僕としたことが、とんでもない失敗をしてしまったようですね。よりによって、面倒なものを拾ってきたのか……」
「ねぇ。拾ってきたって……どこから? わたし……最後に何をしていたのか、それさえも思い出せないわ」
目覚めてからというもの、頭の中で疑問符がいくつも回っている。
これまでの人生で培った知識はあるのだが、不思議なことに、自分に関する事柄だけ綺麗さっぱり忘れ去っているんだから。
――まるで意図的に「わたしという存在だけ」、記憶からすっぽり切り取られたみたいに。
だけど、魔法や魔物の知識だけは、たんまりと持ち合わせている。それはそれで何故かさっぱり分からない。
変だな。年頃の乙女の暮らしには関係のない、どうでもいい知識ばかりが記憶の大半を占めている……。どうしてだろう。
頑張って思い出そうと自分を応援してみたけれど、わたしは誰で何をしていたのか?
家族はどこにいるのか?
それらは、ちっとも思い出せない……。変だな。
どうしてこうなったのか? 意味が分からない。ちぐはぐな記憶が気持ち悪い。
胸に何かがつかえているみたいに感じる。
わたしの正体を探ろうとしたけれど、自分の所持品といえるのは、危うく転売容疑をかけられそうになった、大量の「魔力の結晶」——いわゆる「大司教のガラス玉」
それに「フィリ❁&ジュディ」と刺繍されたハンカチ。
そういえば、何も書いていない古めかしい指輪をはめていたわね。
――以上、三種類のそれだけだ。
とりあえず、持っていた刺繍に合わせ、今は『ジュディ』と名乗っている。
奇異なわたしに戸惑うアンドレだけど、なんだかんだと優しい彼は、わたしに部屋と仕事を与えてくれた。
名前なし、金なし、荷物なし、記憶なし、おまけに魔力もなし。
何から何まで、ないない尽くしのオンパレードのわたしが、彼のおかげで、カステン辺境伯軍で穏やかに過ごせている。
彼と一緒にいる、ありきたりな日常が幸せだ。
この平和な時間がずっと続きますようにと願っているのだけれど……。
原因の分からない奇妙な感覚がわたしを襲う。頭の内側から、得体の知れないおかしな気配を感じていた。
「くそぅっ! 私は何も聞いていなかったぞ。知っていれば、ジュディットとの婚約破棄などしなかったのに。リナのやつめ……私を騙しやがって」
いら立ちを堪えられず赤い髪をかきむしるが、そんなことをしたところで一向に気持ちは収まらない。
元凶の人物を訪ね歩き二か所目。駆けつけた馬車から急いで飛び降り、ドゥメリー公爵家の屋敷へ上がり込む。
勝手知ったる公爵家の邸宅内を突き進み、当主の部屋の前に到着した。
その扉を勢いよく開ければ、中年の大男が部屋の中で一人、頭を抱えて佇んでいた。
やつは、許可もなく入室した私を睨みつけてきたが、相手が私だと気づけば瞬時に青ざめた。
怒鳴り散らしたいところだが、周囲の人間に聞かれるのはまずい。感情任せに大声を出すわけにはいかないと、ドゥメリー公爵に近づく。
「探せ! 公爵が捨てた筆頭聖女のジュディットを、この場に連れ戻せ」
「——フ、フィリベール王太子殿下の仰りたいことは分かりますが……。娘を捨て置いた場所からすると、狼に襲われ、もう生きてはいないはずです」
「いいや、彼女は死んでいない。あの女と私が結んだ闇魔法の契約が、まだ消えてはいないからな。どこかにいるのは間違いない。探し出せ!」
「左様でございますか。——ですが、娘を連れ帰ってきても、魔力が封印されているのでは、聖女として役立たずのままではありませんか……?」
「いいや。あの日結んだ私との魔法契約を解呪する」
「そ、それでは魔力と共に……娘の記憶も戻ってしまいます。そうなると殿下もわたくしも、妹のリナも……。いえ、殿下の妻となる婚約者も……。まずいことになります」
「馬鹿だな。ジュディットとの魔法契約は二つ結んであるんだ。その魔法契約の一つ。封印した魔力を解放するが、あいつの記憶は一生封印したまま二度と戻す気はない」
「なるほど!」
私の提案である「記憶を戻さないこと」に安堵すると、ポンと手を叩いた。
「どうせあの女は今ごろ草の根を噛むような暮らしをしているはずだ。そんな中で王太子の元婚約者だから恩情を与えると言われれば、あの女は泣いて喜び、私の言いなりになるだろう。どうせ不満も言えないさ。こちらの都合のいいように、あの聖女の力を利用する」
「承知いたしました。それでは、公爵家総出でジュディットを探し出し、再び殿下の元へ連れて参ります」
「そうしてくれ。時は一刻を争う。大司教のガラス玉の製作者はジュディットだった。早く見つけなければ騒動が起きる。すぐに動け!」
「ま、まさか……ガラス玉はジュディットが作っていたと仰るのですか?」
「それだけじゃない。魔物の捕獲もこの国の結界も全て、あの女が独りでやっていたんだ! ああぁ~、畜生ッ。何がどうなっているんだ!」
「そそそそ、それは……いいい、一大事ではありませんか!」
「そうだッ! だからさっさと探し出せ。リナとの関係も、もう後戻りはできない。連れ戻したジュディットのことは側室にでもしてやるからそのつもりでいてくれ」
それを言い残し、ドゥメリー公爵家を後にした。
◇◇◇
【SIDE ジュディ(ジュディット)】
ある日。全く知らない場所で目が覚めると、整った容姿の青年が横にいた。
まるで、繊細なガラス細工のような見知らぬ美男子が、わたしを覗き込む。
優しい空気を纏う彼の瞳は、黒色なのに、情熱を帯びる赤色が重なっている。
そんな不思議な色合いに吸い寄せられるよう、彼を見つめ返してしまう。
頭の奥がうずく、運命的な出会いに感じた。
――理由はもちろん分からない。
恋? いいえ違うわね。
ときめきとは無縁の感情だから、それは否定しておく。
ぽぉーっとするわたしを全く気にも留めない彼は、品のいい口元をゆっくりと動かす。
「琥珀色の瞳ですか……珍しいですね」
彼がぽつりと発した琥珀色の瞳とは……はてな。
わたしのことなのか?
そう言われたところで、自覚がない。
自分の容姿でさえ他人事に感じてしまい、きょとんと間の抜けた顔を向け、黙りこくる。
「……」
「あなたの名前は?」
気遣わしげに訊ねられたものの……。
あれ? わたしは誰だ? 名前が分からない……。
――まさか。そんなはずはないだろう。
何故って? それは、何もかも分からないわけではないもの。
もし、この国の名前を聞かれれば「ルダイラ王国」と答えるし、王家の名前を訊ねられれば、躊躇うことなく「リファール家」と返答できるから。
それなのに自分の名前が分からないのは……見知らぬ場所で、ただ困惑しているだけだと言い聞かせ、ゆっくり答えを探してみた。
けれど――……駄目ね。ちっとも分からない。
一体どうしたんだ?
自分の身に起きている現象に、ただただ困惑してしまう。
たかだか名前一つで悩むわたしを、彼が揶揄うように笑い、話を続ける。
「ははっ。何もしませんから、そこまで警戒しないでください」
すっと美しく通った鼻筋の彼は、キリリとした黒い目を細め、口元を綻ばせる。
潤いのある黒い髪が印象的で、影を連想させる黒色の貴公子。彼は自分を「アンドレ」と名乗った。
気遣いを見せる彼に微笑みかけられても、自分が誰か分からず、戸惑うばかり。
だけど彼なら大丈夫だろう。そう感じたわたしは、思い切って打ち明けることに決めた。
「それが……名前が分からないの」
菫色の髪に触れながら、もじもじと告げる。
不可思議な言動を告げた途端、彼が緊張した気配を放ち、この部屋の空気がピリリと一変した。
「あ~。僕としたことが、とんでもない失敗をしてしまったようですね。よりによって、面倒なものを拾ってきたのか……」
「ねぇ。拾ってきたって……どこから? わたし……最後に何をしていたのか、それさえも思い出せないわ」
目覚めてからというもの、頭の中で疑問符がいくつも回っている。
これまでの人生で培った知識はあるのだが、不思議なことに、自分に関する事柄だけ綺麗さっぱり忘れ去っているんだから。
――まるで意図的に「わたしという存在だけ」、記憶からすっぽり切り取られたみたいに。
だけど、魔法や魔物の知識だけは、たんまりと持ち合わせている。それはそれで何故かさっぱり分からない。
変だな。年頃の乙女の暮らしには関係のない、どうでもいい知識ばかりが記憶の大半を占めている……。どうしてだろう。
頑張って思い出そうと自分を応援してみたけれど、わたしは誰で何をしていたのか?
家族はどこにいるのか?
それらは、ちっとも思い出せない……。変だな。
どうしてこうなったのか? 意味が分からない。ちぐはぐな記憶が気持ち悪い。
胸に何かがつかえているみたいに感じる。
わたしの正体を探ろうとしたけれど、自分の所持品といえるのは、危うく転売容疑をかけられそうになった、大量の「魔力の結晶」——いわゆる「大司教のガラス玉」
それに「フィリ❁&ジュディ」と刺繍されたハンカチ。
そういえば、何も書いていない古めかしい指輪をはめていたわね。
――以上、三種類のそれだけだ。
とりあえず、持っていた刺繍に合わせ、今は『ジュディ』と名乗っている。
奇異なわたしに戸惑うアンドレだけど、なんだかんだと優しい彼は、わたしに部屋と仕事を与えてくれた。
名前なし、金なし、荷物なし、記憶なし、おまけに魔力もなし。
何から何まで、ないない尽くしのオンパレードのわたしが、彼のおかげで、カステン辺境伯軍で穏やかに過ごせている。
彼と一緒にいる、ありきたりな日常が幸せだ。
この平和な時間がずっと続きますようにと願っているのだけれど……。
原因の分からない奇妙な感覚がわたしを襲う。頭の内側から、得体の知れないおかしな気配を感じていた。
4
あなたにおすすめの小説
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
婚約破棄のあと、あなたのことだけ思い出せない
柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢セシリアは、王宮の舞踏会で王太子レイヴンから公開の場で婚約破棄を言い渡され、その場で倒れた。
目覚めた彼女は、礼儀も常識も覚えているのに――ただ一つ、レイヴンだけを思い出せない。
「あなたは、どなたですか?」
その一言に、彼の瞳は壊れた。
けれどレイヴンは何も語らず、セシリアを遠ざける。彼女を守るために、あの日婚約を捨てたのだと告げられないまま。
セシリアは過去を断ち切り、王宮の侍女として新しい生活を始める。
優しく手を差し伸べる護衛騎士アデルと心を通わせていくほど、レイヴンの胸は嫉妬と後悔で焼けていった。
――守るために捨てたはずなのに。忘れられたまま、他の男に笑う彼女を見ていられない。
一方、王宮では“偽聖女”の陰謀と、セシリアの血に眠る秘密が動き出す。
記憶を取り戻せば、彼女は狙われる。取り戻さなければ、二人は永遠に届かない。
これは、忘れてしまった令嬢と、忘れられてなお愛を捨てられない王太子が、もう一度“選び直す”恋の物語。
「君を愛することはない」と言われたので、私も愛しません。次いきます。 〜婚約破棄はご褒美です!
放浪人
恋愛
【「愛さない」と言ったのはあなたです。私はもっとハイスペックな次(夫)と幸せになりますので、どうぞお構いなく!】
侯爵令嬢リディアは、建国記念舞踏会の最中に、婚約者である王太子レオンハルトから婚約破棄を宣言される。 「君を愛することはない!」という王太子の言葉は、国中に響く『公的拒絶誓約』となってしまった。
しかし、リディアは泣かなかった。 「承知しました。私も愛しません。次いきます」 彼女は即座に撤退し、その場で慰謝料請求と名誉回復の手続きを開始する。その潔さと有能さに目をつけたのは、国の行政を牛耳る『氷の宰相』アシュ・ヴァレンシュタインだった。
「私の政治的盾になれ。条件は『恋愛感情の禁止』と『嘘がつけない契約』だ」
利害の一致した二人は、愛のない契約結婚を結ぶ。 はずだったのだが――『嘘がつけない契約』のせいで、冷徹なはずの宰相の本音が暴走! 「君を失うのは非合理だ(=大好きだ)」「君は私の光だ(=愛してる)」 隠せない溺愛と、最強の夫婦による論理的で容赦のない『ざまぁ』。
一方、リディアを捨てた王太子は「愛さない誓約」の呪いに苦しみ、自滅していく。 これは、悪役令嬢と呼ばれた女が、嘘のない真実の愛を手に入れ、国中を巻き込んで幸せになるまでの物語。
ざまぁに失敗したけど辺境伯に溺愛されています
木漏れ日
恋愛
天才魔術師セディが自分の番である『異界渡りの姫』を召喚したとき、16歳の少女奈緒はそれに巻き込まれて、壁外という身分を持たない人々が住む場所に落ちました。
少女は自分を異世界トリップに巻き込んだ『異界渡り姫』に復讐しようとして失敗。なぜかロビン辺境伯は少女も『異界渡りの姫』だと言って溺愛するのですが……
陰陽の姫シリーズ『図書館の幽霊って私のことですか?』と連動しています。
どちらからお読み頂いても話は通じます。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
「本当に僕の子供なのか検査して調べたい」子供と顔が似てないと責められ離婚と多額の慰謝料を請求された。
佐藤 美奈
恋愛
ソフィア伯爵令嬢は、公爵位を継いだ恋人で幼馴染のジャックと結婚して公爵夫人になった。何一つ不自由のない環境で誰もが羨むような生活をして、二人の子供に恵まれて幸福の絶頂期でもあった。
「長男は僕に似てるけど、次男の顔は全く似てないから病院で検査したい」
ある日、ジャックからそう言われてソフィアは、時間が止まったような気持ちで精神的な打撃を受けた。すぐに返す言葉が出てこなかった。この出来事がきっかけで仲睦まじい夫婦にひびが入り崩れ出していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる