中二病の俺が異世界転生したら魔法詠唱能力がチートクラスだった

八雲 全一

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六節 ギガントザウルス

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俺達は北極熊退治を終えて町へと戻っていた。酒場の旦那に念写した北極熊の死体を見せた。
「やるじゃないか!お前達。どんなびっくり技で仕留めたんだい?」と宿屋の親父。
ソシエが口を開く。
「それがな私がイフリートの手足を使う前にタッツンが凄い爆撃魔法で何とかしちまったんだよ。驚きだぜ。」
アイリスも口を添えた。
「その通りですわ。私の何倍も魔術行使が得意なのよ。やはりギフテッドなのでしょう。」
「僕も戦闘面では引退を考えさせられるほどの腕だったよ。タッツン。君は真のモンスタースレイヤーだ。」
とリュミエール。
「はは。そんな大した者じゃないよ。君たちが居ないと腰が引けて仕方がないんだ。」
その証拠に何かあると女神様に謝罪している。それで少しでも新しい才能が引き出せるならば良し。取り敢えず謝っておけば現状が悪化しないだろうと思う。
「取り敢えずそちらの坊主の手柄って事だな。まあ今日はゆっくりと休むといい。」
と笑顔で酒場の旦那が言う。宿屋も兼ねているのでこう言う所は便利だ。
「じゃあな。酒場のおっちゃん。」とソシエ。
「また明日以降もよろしくお願いしますね」とアイリス。
「今日はもう夢枕に旅立とうではないか。なぁタッツン。」
リュミエールももう寝るつもりか。
俺は正直まだ眠くなかったが、集団生活の大事な所だ。行動を合わせようと思う。それにしてもベッドは別々とはいえ、美しいエルフ達と寝屋を共にするのはぶっちゃけドキドキすると言って良い。
俺も皆に笑顔で答えた。
「そうだな。今日はもう遅いから寝よう」
そして四人で二階のベッドルームに上がるとすぐに眠りについてしまった。
………もう食べられない。ガッツ盛りは食べられない。女神様のマスクメロンカップ………ハッ夢か……ソシエ?
「お早う!タッツン。ようやく目が覚めたみたいだな。早く朝飯にしようぜ。」
アイリスも目を合わせてくる。
「お早うございます。タッツン。リュミエール。ソシエの言う通り朝食にしましょう。」
そえリュミエールにも声をかけて起こしたようだ。
「アイリス、もう少し寝かせてくれないか。まだ夢枕を見足りないよ。」
まだ寝不足の様子のリュミエール。
よし!俺の魔法を使うときが来たようだな!
「リュミエール!メガジャキ!スグオキール!」
まるで雷で撃たれたようにリュミエールは飛び上がった。
「はうあ!君の強力な魔法をバンバン対人で使わないでくれないか。命に関わる場合がある。確かに目が覚めたけれど、何かメチャクチャ体を動かしたくなっているんだ。僕の体に何をしたんだ!」
ほっほう。大分強烈な効果があったみたいだ。眠気が覚めるイメージは込めたけれど、まさかワクワクしだすとは思いもしなかったな。
俺は笑いを堪えながら答える。
「ごめんごめん。今度からは気を付けるよ。連帯責任だ。自分にもかけてみる。」
俺は宿に置いてある鏡を覗くと自分にも魔法を掛けてみた。
「メガジャキ!スグオキール!」………なんだこれ?メッチャワクワクする。女神様!オラ敵を倒したくてしょうがねぇぞ!何が起きてもヘッチャラな予感だ。
リュミエールが恐る恐る問いかけてくる。
「タッツン…その魔法を使っても全然大丈夫なのかい?」
俺はワクワクを押さえて答える。
「リュミエール!オラメッチャワクワクすっぞ!新しい依頼に今すぐ行きてえ位だ。」
リュミエールは信じられないという表情で呆れている。
ソシエが口を挟んできた。
「タッツン。私にもその魔法をかけてくれないか?メチャクチャ気になる。」
「本当に良いのか?じゃあ行くぞ!メガジャキ!スグオキール!」
ソシエが背を反らして全力で叫びだした。
「うおおおおおおおお!なんじゃこりゃあああ!目がバチバチしてメッチャワクワクするぞ!」
俺はニタリと笑いその場から逃げようとしていたアイリスにも魔法を掛けた。
「アイリス!カモン!メガジャキ!スグオキール!」
アイリスはわなわなと身を震わせた。
「何なんですか!?これは!?一編に生まれ直した気分ですわ!凄く落ち着いていられない気分ですわ。」
よし!全員が超戦闘モードだ。俺達は無言で目配せすると一階に飛び込み一番危険な仕事を酒場で探し始めた。
危険度☆7 ギガントザウルス バオウ火山
これに決めた。危険度は☆1~10までありかなり難易度の高い仕事だ。
ソシエが口を開いた。
「親父!このギガントザウルスの討伐依頼を私達で受けさせてもらうぜ」
「だ…大丈夫なのか?嬢ちゃん」
「私達ならできる気がするんです。叔父様」
そうアイリスが親父の肩を掴むと親指を挙げた。
「僕の本当の戦闘能力を御見せしよう。大丈夫だ。親父よ。」
急いで旅支度を済ませる。バオウ火山までは一日と言うところだろう。
俺達は強行軍で休まずに進んでいった。驚くべき事に半日で目標の火山に到着だ。活火山らしく頂上はマグマで溢れている。ギガントザウルスは山の中腹で目撃されている。そこまで登っていけば良いだろう。
俺達は話ながら登山を始めた。
「まだ皆ワクワクするか?」
ソシエが答える。
「滾る。メチャクチャに滾るぜ。今なら新技をおもいつきそうだぜ」
「適当な事言って…無理は禁物ですわ。死んだら元も子も有りませんもの」とアイリスが嗜めた。
「そんなこと言って…アイリスも俄然やる気の癖にさ。タッツンに獲物を取られ続けて結構鶏冠に来ているんだろ?分かってるぞ。」
「否定はしませんわ。私のオドが疼いておりますもの。大魔法でも使いこなせそうな気がします。」とアイリスが答える。
「………」
リュミエールは先程から瞑想を続けながら歩いており会話には加わらなかった。真の戦闘能力を見せつけると言っていたが、その為の仕込みだろうか…あの女神様を目前で見た時の感覚に似た物を感じる…ギガントザウルス退治に俺の出番はないかもしれないな。
俺達はその後ひたすら登山し、山の六合目に差し掛かった時に奴は居た。
赤い肌に金眼と青い鶏冠を持った恐竜…ギガントザウルスだ。対処を一歩でも間違うと全員の生死に関わるだろう。
俺は全員を包み込み護るイメージの魔法を唱えた。
「イージスシールド!」
光の膜が俺達のパーティーを包み込む。そしてソシエが先頭で突っ込んでいった。
「けっ!結局新技とはいかないぜ。イフリートの手足!」
火焔に包まれたソシエの手足がうねり虎乱と呼ぶ乱撃をギガントザウルスに捩じ込んだ。
左足に有効打!ギガントザウルスは転んだ。
マナの奔流を感じる。アイリスからだ…
アイリス…私はタッツンの様にはいきませんがやれることをやるだけですわ…
シュインシュインシュインカッ!
「究極奥義!メテオレイン!」
小規模ながら隕石の嵐がギガントザウルスに降り注いだ。対象は中破!
「やるじゃないか!アイリス!僕も究極奥義で葬ろう!」
ここに来て初めてリュミエールが口を開いた。
「僕の能力の本領発揮だ!ゲートオープン!妖精郷から神々の秘宝…宝貝を拝借!オドの限界まで撃ち尽くす!アヴァロンズゲート!」
そう彼女が口にすると紫色の穴が何個も空中に開いた。中には光輝く剣や禍々しい槍等様々な武器が浮かんでいる。こんな事が出来るのか…タッツン…俺の想像の範疇を超えている。リュミエールならではの必殺技なのだろう。
アヴァロンズゲート全弾発射!ギガントザウルスに斬!貫!斬!斬!爆!究極爆発!斬!斬!
「フッフッフ!これで終わりじゃない!射出済全宝貝全爆破!」
どう見てもやり過ぎだ!リュミエールお前…!アイリスとソシエは既に避難しており、早く終わらないかソワソワしながら待っている。
ギガントザウルスはリュミエールの気が済む頃には既に肉片と化していた。
俺が満足げに力こぶを作っている彼女に話しかけた。
「流石にやり過ぎじゃないか?リュミエール?」
「普段はそこまで気がのらないしね。今回限りの特別サービスさ。」
「いつも皆あの位闘えないのか?」
とまだやり足らなそうなソシエとアイリスにも話しかける。
「流石にあそこまで気合いを込めて殴りかかれないな。それにかなり疲れたな。今日はもう眠い。」
珍しくソシエが参っている。俺の魔法が切れてきているのかもしれない。
「私も相当テンションが高くならないとメテオレインは使えませんわ。さっきまでは何回でも撃てそうでしたけれど流石に魔法が切れたみたいですね。」
「そっか…皆お疲れ様でした!何か俺が居なくても強敵倒せそうだな。防御魔法意味無かったし。」
リュミエールがニコリと笑って答える。
「皆タッツンが居るから本気を出して突っ込んでいけるんだよ。これからもこのパーティからは死んでも逃さないからそのつもりでね。」
脂汗が滲む…ギガントザウルスよりも彼女の方が怖い。助けて女神様!
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