俺がモテない理由

秋元智也

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第九話 性欲はどこへ?

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同じ部屋になって、困った事が一つあった。

まだ若い男の身体は、一定期間ぬかないと体調を
崩す事だった。

こんな世界で風呂なんてないし、一人になれるよ
うな場所もない。
四六時中誠治と一緒にいては、何もできない。

ましてや彼女もいない俺には、一人寂しくヤる場
所がないと言うのが、どうにも耐えられなかった。

「今日は別行動しないか?もしくは、部屋を分け
 ようぜ」

ある日、俺は誠治にこう切り出したのだった。
誠治だって、可愛い子とイチャイチャしたいだろ
う。

俺は、誠治がイチャイチャしているのを見る趣味
はない!

そう思うと、言った言葉だったが、呆気なく却下
されたのだった。

「その必要はないでしょ?ほら、依頼を探しに行
 こう?部屋分けるのも勿体無いじゃない?僕は
 今のままでいいかな」
「………健全な男として、俺はだな……」
「……溜まってるの?だったら、抜いていいよ?」
「……は?」

誠治のけろっとした顔に、俺は頭から水でも被っ
たかのように唖然となったのだった。

目の前でオナニーをしろと?

しかも、幼馴染みの前で?

出来るわけがないだろ?


俺が怒鳴ると、それ以上誠治は何も言ってこな
くなった。

毎回ムラムラして、この感情をどうしようかと
悩む日々が続いた。

だが、それもいつのまにかすっかり消えていた。
なぜか?それはわからないが、誠治が作ってくれ
た食事を摂ると、綺麗さっぱりと溜まっていたム
ラムラが消えたのだった。

それ以来、その事が話題に上がる事はなくなった
のだった。

本当に、なんでだろう?
今でも、そこはわからないままだった。





     ♦︎




森田誠治は、最近桜井陸がイライラしている事に
気がついていた。

何かある毎に、部屋を分けようと言ってくるのだ。

「僕は今のままがいいんだけどなぁ~」

誠治は陸のイライラの原因が分かると、つい笑い
そうになった。

「その必要はないでしょ?ほら、依頼を探しに行
 こう?部屋分けるのも勿体無いじゃない?僕は
 今のままでいいかな」
「………健全な男として、俺はだな……」
「……溜まってるの?だったら、抜いていいよ?」
「……は?」

陸は、大声で叫んでいた。

「出来るわけがねーだろ!」
「あぁ、なるほど……それでイライラしていたのか」
「男なら、普通分かるだろ?いや、誠治にはわから
 ないよな~、どこでもおモテになるもんな~」

嫌味なのだろう。
だが、こうやって嫉妬してもらえるのは嬉しい事だ
った。

「明日から僕が食事を作るよ。陸は食べてくれるよ
 ね?」
「あぁ?食べれる味ならな」
「うん。頑張るよ」

一緒に買い物をして、宿屋の厨房を貸して貰った。

簡単なものしか作れないけど、それでもこの世界で
は塩と胡椒、そして砂糖など、味付けしかないのだ
から、凝ったものは作れないのだった。

パンに簡単に味付けした肉や野菜を挟むと、卵焼き
もつけた。
そこに魔法の粉を少々。

この世界では水は貴重らしい。
だから、大体は食事中に酒を飲む人が多いのだった。

こうして陸が美味しそうに食べるのを眺めていると
次第に眠くなったのか、食べ終わった頃にはベッド
横になっていた。

「ちょっと粉が多かったかな……次は少し減らそう
 かな」

服が汚れないように丁寧に脱がせると、パンツも取
り払う。

最近ムラムラしていたせいか少し触れただけで先端
から先走りが溢れる。

「やっぱり溜まってたんだね……ごめんね、気付け
 なくて……今、抜いてあげるからね」

誠治は手で扱くとそのまま先端を口に咥えたのだっ
た。

朝までにはスッキリさせると、お湯を貰ってくる。

誠治に頼まれると、宿屋の女将さんはすぐにやって
くれた。

ありがたい事だ。

こうして身体を拭いてやると服をなんとか着せると
陸の横に寝転がる。
抱き枕のようにぎゅっと抱きしめても起きない。

「いつか、気づいちゃうかな……」

どんなに可愛い子にアプローチされても、誠治には
嬉しくなかった。

欲しいのはたった一人からの言葉だった。

もし、この気持ちを言ってしまったら。
彼は、どう言う反応をするだろう?

冗談として受け流すだろうか?
それとも真剣に向き合ってくれるだろうか?

もしかしたら離れていくかもしれない。

それだけは、避けたかった。
だから、今はまだ冗談でいい。

いつか、伝えられる日が来ればいいなと願うばかり
だった。





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