23 / 61
第二十三話 情報収集
しおりを挟む
最初に向かったのは、冒険者ギルドだった。
勇者である誠治が行くと誰もが振り向き拝むよう
に手を合わせる。
いや。なんか別のもんになってねーか?
「あの、何か異変が起こっているとか聞いていま
せんか?誰かがいなくなって困っているとか、
不可思議な現象が起きているとか……」
「そのような報告は上がっていませんが…あ、そ
ういえば、南の街で神隠しと言われている現象
が起きているとか……確かギルドでもA級冒険者
に依頼を出したとか…」
「ありがとう。行ってみるよ。なんて街かな?」
「確か……エクサレルです」
「助かるよ」
誠治は薬草依頼を受けると、手元にある薬草を
取り出した。
毎朝の日課で、ジョギングをしながら薬草採取
もしているようだった。
これには、俺が原因だろう。
前に体力作りと言って一緒に朝のジョギングに
出ていた時があった。
その時に、薬草を見つけては鞄に入れる俺を見
て誠治も真似するようになったのだ。
走って体力もついて、荷物を持つ事で筋力アッ
プと、薬草採取でお金も稼げると言ったからだ。
それからは毎日の日課になっているらしい。
俺のは別にギルドに売るつもりで取っている訳
ではないが、誠治は売っているようだった。
俺は趣味で薬草や毒草を取ってきては調合に使
っていたのだ。
これは緊急時のポーションになるのだから欠か
せないのだった。
「さぁ、聞く事は聞けたし行こうか」
「あぁ、そうだな。普通は眷属を作る為にまた
人がいなくなればすぐにバレると思うけどな」
「そうだね。でも、奴の能力を考えると自分だけ
で戦えるとは思えないね~。」
確かにそうだった。
本人だけだと、逃げ回る事にはたけているが、戦
いとなると、眷属を作って戦わせて、自分は安全
な場所で高みの見物を決め込むくらいだった。
眷属がやられれば、撤退するしかない。
バンパイアの能力は主に魅了と眷属作成だ。
眷属は本人以上の能力を出せる生きる屍だ。
太陽の光を浴びれば灰になるし、自由に動けるの
は夜の間だけだ。
代わりに、痛みもなく無限に動ける。
手足を切り落としても動く事ができるのが特徴だ。
この前の村人を見て、厄介だと思ったからだ。
ただ、魅了は魔力が強い者には効かないし、勇者
にも当然効果はない。
だから奴の攻撃方法はたった一つに絞られる。
眷属召喚だ。
それはあらかじめ作っておく必要があるので、
行方不明が多く起きているところが奴の潜伏先と
言えるのだった。
南の街、エクサレル。
そこは馬車を乗り継ぎ、大きな川を渡った先にあ
る。
暖かい気候の街で、主に海鮮が有名なのだという。
「うわぁ~、新鮮な魚介類じゃん!」
「そうだね~、取りたてなのが新鮮でいいね」
「だろ?誠治~まずは飯にしようぜ」
「それもいいね。でも、まずは宿屋を取って、
ご飯を食べてから、情報収集もしないとね」
「おけおけ、なら先に宿だな」
こう言う事は警備をしている人が一番詳しい。
話を聞くと、すぐに宿屋を紹介してくれた。
ちょっと古びれているが、まぁ気にしない。
多少ボロくても、この世界には地震はないのだ。
だから倒壊する心配も少ない。
「そう言えば、また人が消えたって言うけど、
今度は誰がいなくなったの?」
「それが、パン屋の旦那さんらしいわ。」
「それって、この前息子さんが消えたばかりで
しょうに……」
奥様方の話は、多少尾鰭がつくが、事実に近い。
「あの~、その話を詳しく聞かせてもらっても
いいですか?」
いきなり声をかけてきたイケメンに面食らった
のか、奥様達の口はとどまる事を知らなかった。
誠治が聞けば、聞いてない事もペラペラ話だし
たのだった。
「そうなのよ~、最初に消えたのは…。確か角
の店の子供だったわね~」
「そうそう、その次が、街の警備隊の一人で、
その次が貴族の使用人だったわ」
「その次がパン屋の息子さんで、次が旦那さん
よね~」
話に出てくる人には共通点は見当たらない。
年齢もまちまちだった。
♦︎
「若い子供の血を飲む為でしょう。バンパイア
といっても純血なら尚更大人の血など飲まな
いわ。大人は眷属を作る為でしょうね。警備隊
の人も、貴族の使用人もしっかりしたがたいの
人だったらしいわ」
宿屋でその話をすると、レイネが説明を付け足し
たのだった。
勇者である誠治が行くと誰もが振り向き拝むよう
に手を合わせる。
いや。なんか別のもんになってねーか?
「あの、何か異変が起こっているとか聞いていま
せんか?誰かがいなくなって困っているとか、
不可思議な現象が起きているとか……」
「そのような報告は上がっていませんが…あ、そ
ういえば、南の街で神隠しと言われている現象
が起きているとか……確かギルドでもA級冒険者
に依頼を出したとか…」
「ありがとう。行ってみるよ。なんて街かな?」
「確か……エクサレルです」
「助かるよ」
誠治は薬草依頼を受けると、手元にある薬草を
取り出した。
毎朝の日課で、ジョギングをしながら薬草採取
もしているようだった。
これには、俺が原因だろう。
前に体力作りと言って一緒に朝のジョギングに
出ていた時があった。
その時に、薬草を見つけては鞄に入れる俺を見
て誠治も真似するようになったのだ。
走って体力もついて、荷物を持つ事で筋力アッ
プと、薬草採取でお金も稼げると言ったからだ。
それからは毎日の日課になっているらしい。
俺のは別にギルドに売るつもりで取っている訳
ではないが、誠治は売っているようだった。
俺は趣味で薬草や毒草を取ってきては調合に使
っていたのだ。
これは緊急時のポーションになるのだから欠か
せないのだった。
「さぁ、聞く事は聞けたし行こうか」
「あぁ、そうだな。普通は眷属を作る為にまた
人がいなくなればすぐにバレると思うけどな」
「そうだね。でも、奴の能力を考えると自分だけ
で戦えるとは思えないね~。」
確かにそうだった。
本人だけだと、逃げ回る事にはたけているが、戦
いとなると、眷属を作って戦わせて、自分は安全
な場所で高みの見物を決め込むくらいだった。
眷属がやられれば、撤退するしかない。
バンパイアの能力は主に魅了と眷属作成だ。
眷属は本人以上の能力を出せる生きる屍だ。
太陽の光を浴びれば灰になるし、自由に動けるの
は夜の間だけだ。
代わりに、痛みもなく無限に動ける。
手足を切り落としても動く事ができるのが特徴だ。
この前の村人を見て、厄介だと思ったからだ。
ただ、魅了は魔力が強い者には効かないし、勇者
にも当然効果はない。
だから奴の攻撃方法はたった一つに絞られる。
眷属召喚だ。
それはあらかじめ作っておく必要があるので、
行方不明が多く起きているところが奴の潜伏先と
言えるのだった。
南の街、エクサレル。
そこは馬車を乗り継ぎ、大きな川を渡った先にあ
る。
暖かい気候の街で、主に海鮮が有名なのだという。
「うわぁ~、新鮮な魚介類じゃん!」
「そうだね~、取りたてなのが新鮮でいいね」
「だろ?誠治~まずは飯にしようぜ」
「それもいいね。でも、まずは宿屋を取って、
ご飯を食べてから、情報収集もしないとね」
「おけおけ、なら先に宿だな」
こう言う事は警備をしている人が一番詳しい。
話を聞くと、すぐに宿屋を紹介してくれた。
ちょっと古びれているが、まぁ気にしない。
多少ボロくても、この世界には地震はないのだ。
だから倒壊する心配も少ない。
「そう言えば、また人が消えたって言うけど、
今度は誰がいなくなったの?」
「それが、パン屋の旦那さんらしいわ。」
「それって、この前息子さんが消えたばかりで
しょうに……」
奥様方の話は、多少尾鰭がつくが、事実に近い。
「あの~、その話を詳しく聞かせてもらっても
いいですか?」
いきなり声をかけてきたイケメンに面食らった
のか、奥様達の口はとどまる事を知らなかった。
誠治が聞けば、聞いてない事もペラペラ話だし
たのだった。
「そうなのよ~、最初に消えたのは…。確か角
の店の子供だったわね~」
「そうそう、その次が、街の警備隊の一人で、
その次が貴族の使用人だったわ」
「その次がパン屋の息子さんで、次が旦那さん
よね~」
話に出てくる人には共通点は見当たらない。
年齢もまちまちだった。
♦︎
「若い子供の血を飲む為でしょう。バンパイア
といっても純血なら尚更大人の血など飲まな
いわ。大人は眷属を作る為でしょうね。警備隊
の人も、貴族の使用人もしっかりしたがたいの
人だったらしいわ」
宿屋でその話をすると、レイネが説明を付け足し
たのだった。
1
あなたにおすすめの小説
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
黒獅子の愛でる花
なこ
BL
レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。
中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。
深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。
サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。
しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。
毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。
そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。
王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。
王妃は現在、病で療養中だという。
幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。
サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…
唇を隠して,それでも君に恋したい。
初恋
BL
同性で親友の敦に恋をする主人公は,性別だけでなく,生まれながらの特殊な体質にも悩まされ,けれどその恋心はなくならない。
大きな弊害に様々な苦難を強いられながらも,たった1人に恋し続ける男の子のお話。
ジャスミン茶は、君のかおり
霧瀬 渓
BL
アルファとオメガにランクのあるオメガバース世界。
大学2年の高位アルファ高遠裕二は、新入生の三ツ橋鷹也を助けた。
裕二の部活後輩となった鷹也は、新歓の数日後、放火でアパートを焼け出されてしまう。
困った鷹也に、裕二が条件付きで同居を申し出てくれた。
その条件は、恋人のフリをして虫除けになることだった。
劣等生の俺を、未来から来た学院一の優等生が「婚約者だ」と宣言し溺愛してくる
水凪しおん
BL
魔力制御ができず、常に暴発させては「劣等生」と蔑まれるアキト。彼の唯一の取り柄は、自分でも気づいていない規格外の魔力量だけだった。孤独と無力感に苛まれる日々のなか、彼の前に一人の男が現れる。学院一の秀才にして、全生徒の憧れの的であるカイだ。カイは衆目の前でアキトを「婚約者」だと宣言し、強引な同居生活を始める。
「君のすべては、俺が管理する」
戸惑いながらも、カイによる徹底的な管理生活の中で、アキトは自身の力が正しく使われる喜びと、誰かに必要とされる温かさを知っていく。しかし、なぜカイは自分にそこまで尽くすのか。彼の過保護な愛情の裏には、未来の世界の崩壊と、アキトを救えなかったという、痛切な後悔が隠されていた。
これは、絶望の運命に抗うため、未来から来た青年と、彼に愛されることで真の力に目覚める少年の、時を超えた愛と再生の物語。
【8話完結】僕の大切な人はBLゲームの主人公でした。〜モブは主人公の幸せのためなら、この恋も諦められます〜
キノア9g
BL
転生先は、まさかのBLゲームの世界。
モブであるリセルは、恋を自覚した瞬間、幼馴染・セスがこの世界の“主人公”だと気づいてしまう。
このまま一緒にいても、いつか彼は攻略対象に惹かれていく運命——それでも、今だけは傍にいたい。
「諦める覚悟をしたのに、どうしてこんなにも君が愛おしいんだろう」
恋の終わりを知っているモブと、想いを自覚していく主人公。
甘さと切なさが胸を締めつける、すれ違いから始まる運命の物語。
全8話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる