俺がモテない理由

秋元智也

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第三十五話 探し人と情報屋

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陸が寝込んでいる間、勇者である誠治はギルドで
の依頼をこなすと情報屋トーテンを探していた。

どの街にも、情報屋はいるもので情報は、時とし
てお金よりも価値がある事が多かった。

「人探しを頼みたいんだけど、いいかな?」
「なんで俺らにそんな事を頼むんだよ?あんた
 身なりがいいし、どっかの偉いやつだろ?」
「それはどうかな~、君たちのが詳しいと思って
 ね。この街にはトーテンという情報屋はいるか
 い?」

スラム街の子供に話しかけると、銀貨を渡した。
彼らは、親を亡くして行き場を失った子供達だ。

彼らは彼らなりに、街の事を詳しく知っている。
だから、人探しはこういう裏を知っている者達
に任せるのが一番いい。

「知ってるって言ったら、どうなんだよ?」
「教えてくれないかな?勿論、報酬ははずむよ?」

そう言うと、誠治は懐に入っていた金貨を一枚出
したのだった。

これだけあれば、しばらくは暮らせる額だった。
彼ら子供達には喉から手が出るほど欲しいはずだ
った。

「断る。兄貴に迷惑かける客は会わせねー事にし
 てんだよ。あんた、どう考えても迷惑な客だろ?」
「う~ん、どうかなぁ~。…僕達は勇者としてこの
 街の神隠しを調べていてね。その一環で情報が欲
 しいんだよ。君たちも神隠しは困るだろう?」
「………俺らの仲間が居なくなったんだ。勿論そんな
 事をトーテンの兄貴に言うわけにはいかねーけど」

彼らは彼らなりに、トーテンを大事にしているのだ
ろう。なら、話は早い。

「僕が探そうか?仲間の特徴は?」
「何を言ってんだよっ。あんたには関係ねーだろ?」
「うん、関係ないけど、困っているなら助けないと
 ……それが勇者である僕の役目だからかな」

どこまでのお人よしな誠治らしい考え方だった。

ここに陸が居たら、絶対に反対しただろう。
無駄な時間を使うな!……と。

子供達の視線は自然とリーダー格の子に集まった。

「どうかな?そっちの依頼も受けるから、僕の方も
 頼めないかな?」
「……どうして探しているか理由がいる。まずはそ
 れを聞いてかだ……」
「分かった。僕が探しているのは魔族なんだ。人間
 と魔族の戦いは終わって、平和になったこの世で
 まだ、抵抗している魔族がいてね。その悪い奴が
 人間を攫って自分の眷属……まぁ食べてしまって
 いるんだ。そいつを見つけるのに手伝って欲しい
 んだけど……君たちの方も教えてもらえるかな」

子供達は、誠治の話に驚きを隠せない様子だった。
そして、お互い顔を見合わせると、頷いたのだった。

「居なくなったのは7日前だ。あいつは俺らみたい
 な孤児じゃない。パン屋の息子なんだ……。」
「あいつ、いい奴なんだよ」
「そうだ、探してくれよ。絶対に助けてくれよ」

口々に言う特徴が、この前洞窟で見た子供の特徴と
一致していた。

それは、アゾビエンテと遭遇した際に見かけた少年
だった。

もう、完全に食べられて眷属ではなくただの屍にな
って動いていた。

確か、遺品の中に彼が身に着けていたネックレスも
持ち帰ったのを思い出した。

「ごめんね。悪いけど……もう……」
「それはどう言う事だよ?助からないのか?」
「……この前、ギルドに渡した遺品の中に彼の着け
 ていたものも持ち帰ったから、今頃きっとご両親
 の元に戻っていると思う」

そういえば、噂にもなっていた。
パン屋の子供と父親が攫われたのだと。

「そんな……」
「そんなの嘘だ!出鱈目だ!」
「そうだ、そうだ!探したくないからって俺らを
 はめる気だな!」
「お前ら、静かにしろっ!分かった、疑ってた訳
 じゃないんだ。やっぱりそうなんだな……いい
 だろう、案内してやる」

リーダー的少年が手招きすると、後ろの少年達も
ゾロゾロとついていくのだった。






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