僕を惑わせるのは素直な君

秋元智也

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1話 いつもの日常

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朝はいつも慌ただしくなってしまう。
弁当を作っておかずを詰めると3人分を机の上に置く。

朝食は質素で簡単に、昨日の残りとパンを焼いて卵と
ベーコンを炒める。

野菜を添えればあとはコーヒーを入れて置く。
起きて来た順に席に着くと食べ始める。

「父さん、ネクタイ曲がってる…」

「あぁ、すまんな……美咲はまだ寝てるのか?」

「あぁ、昨日も夜まで電話してたみたいだからね…起
 こしてくるから食べ終わったら弁当持って行って」

「いつも悪いな……歩夢もしっかり勉強頑張れよ」

「はいはい、それはいいから時間大丈夫なの?」

「あ、そうだった。」
『いつも悪いな……俺がもっとしっかりしてれば……い
 や、あいつが亡くなった時に弱音は吐かないって誓
 ったんだ、歩夢ばかりに迷惑はかけられんよな……』

「余計な事増やさないでいいよ、父さんは会社言って」

「あ、はい」
『皿洗いくらいはできるんだけどな……この前は数枚皿
 割ったけど』


この家は家族3人で構成されている。
父親の水城幸樹と、家事全般をこなす水城歩夢。妹の
水城美咲の3人だ。
母親は5年ほど前に病気で亡くなって以来、女手が足り
ない。

妹の美咲は父親譲りで手先が不器用なせいかすぐに皿を
割ったり、掃除しようと掃除機をかけると、カーペット
まで巻き込んで余計に散らかった事があった。

それ以来、家の事はほとんどが兄の歩夢がやってきたの
だった。

コンコンッ……コンコンッ……

ガチャ……

最初はノックしてみるが、返事はない。次第にいらつく
と思いっきりドアを開けると部屋の中に入って布団をひ 
っぺがす。

「美咲、いつまで寝てるつもりだ!起きろ!」

「ん~~~、もう少しいいじゃん……ケチっ……」

「煩い、片付かないだろう?それに今日は日直だから早
 く行かなきゃいけないって昨日言ったよな?」

あらかじめ言っておいたのに、この始末だ。

「はぁ~、早く起きろ!そして飯を食って学校行けよ」

「ん~~~、鬼ッ……悪魔っ!」

「はいはい、鬼でも悪魔でもいいから早く起きろよ」

それだけ言うと、自分の分の朝食を平らげ父親の食器を
一緒に洗う。
その間にかけておいた洗濯物をかごに入れて2階へと干す。

「今日はいい天気、しっかり乾きそうだな……」

天気がいい日は気分がいいのだった。
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