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64話 私の救世主
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窓から見える景色に疑いようもない光景。
あぁ、やっぱりそうなんだ……。
毎日のように言っていた『好き』という言葉。
軽いようで重い言葉だと思っていたが。
そうではなかったのだ。
僕なんか好かれるような人間じゃない。
いつからかそう思うようになってしまったのか…。
『お母さん……どこ?お母さん……』
今にも泣き出しそうなか弱い声。
どこから聞こえているのかわからない声に耳を傾
けると、歩夢は立ち上がっていた。
「ごめん、帰っていい?」
突然の歩夢の言葉に、ありさの方が驚いていた。
「ちょっとぉ~普通女性をエスコートするもんで
しょ?」
「ありさちゃん、いいから。今日は無理に来ても
らったんだし」
無理にでも引き留めようとするありさに、美香は
それを止めた。
「ごめんなさい、こんなお願いしてしまって……」
「いいよ、でも…僕は誰とも付き合う気はないし、
多分そう言う存在を作る事はないと思う」
「水城くん?」
「ごめんね、期待させて。恐怖を取り除くために
僕に頼むつもりだったんでしょ?そう言うのは
時間がかかるかもしれないけど、本当に好きに
なれる人のがいいと思うよ」
「うん……引き止めてごめん……」
「こちらこそ……」
それだけ言うと出ていく。
「おい、水城っ!」
「綾野、ごめん。いくら可愛くても僕には無理か
も…」
心の中で怖がられていてはどうしようもない。
試しに付き合うとなっても、無理が生じるだろう。
お互いそれはいい方法とはいえない。
それに……不安定なままの気持ちじゃ誰とも真剣
に付き合うなんて考えられなかった。
それよりも、さっき聞こえた声の主を探す。
キョロキョロと眺めると、見つけた。
ベンチの側に一人の女の子が立っている。
今にも泣きそうな顔で母親を探しているのだ。
「水城くんっ…」
突然かけられた声に振り向くとそこにはさっき別
れたばかりの美香が立っていた。
「あの…これだけでも受け取ってもらえないかな」
「ごめん……」
渡す予定で持ってきたのか、ちょっと歪なラッピン
グはきっと本人がやったのだろう。
歩夢は即座に断るとさっきの少女に駆け寄った。
「大丈夫?お母さんと逸れたの?」
「お兄ちゃん……誰?」
「大丈夫だよ、安心して。お兄ちゃんがお母さん
探してあげるから」
「本当に?お母さん探してくれるの?」
「うん、だからちょっと来てくれる?」
「うんっ。いく、お母さんどこ?」
「いい子だ」
歩夢は少女を抱え上げるとインフォメーションセ
ンターへと向かった。
後ろから美香もついてきていた。
そこで放送してもらい、やっと母親に会えると笑
顔で歩夢達の方に手を振って帰っていった。
「出会えてよかったですね……」
「うん……」
「迷子だって知ってたの?」
「………」
まるで探していたような態度に美香は不思議に思
えた。
手作りのお菓子を最後に渡そうとしていたのに、
途中で出て行ってしまったのを勇気を出して追い
かけた。
そして見つけた時には、迷子の子を探していた。
まるで迷子になっている事を知っていたような動
きだった。
もしそうなら、自分の時も……。
そんな正義の味方のような行動に、少し胸が熱く
なる。
美香にとっては自分を助けて名も告げず去ってい
った人なのだ。
まるで救世主的な存在だった。
だから、ありさに頼んで会いたいとお願いしたのだ。
制服から見つけるのは簡単だった。
でも、実際に会うと印象は違って見えた。
いつも寂しそうで、誰とも深く繋がりを持とうとし
ない。
そんな印象を受けたのだった。
あぁ、やっぱりそうなんだ……。
毎日のように言っていた『好き』という言葉。
軽いようで重い言葉だと思っていたが。
そうではなかったのだ。
僕なんか好かれるような人間じゃない。
いつからかそう思うようになってしまったのか…。
『お母さん……どこ?お母さん……』
今にも泣き出しそうなか弱い声。
どこから聞こえているのかわからない声に耳を傾
けると、歩夢は立ち上がっていた。
「ごめん、帰っていい?」
突然の歩夢の言葉に、ありさの方が驚いていた。
「ちょっとぉ~普通女性をエスコートするもんで
しょ?」
「ありさちゃん、いいから。今日は無理に来ても
らったんだし」
無理にでも引き留めようとするありさに、美香は
それを止めた。
「ごめんなさい、こんなお願いしてしまって……」
「いいよ、でも…僕は誰とも付き合う気はないし、
多分そう言う存在を作る事はないと思う」
「水城くん?」
「ごめんね、期待させて。恐怖を取り除くために
僕に頼むつもりだったんでしょ?そう言うのは
時間がかかるかもしれないけど、本当に好きに
なれる人のがいいと思うよ」
「うん……引き止めてごめん……」
「こちらこそ……」
それだけ言うと出ていく。
「おい、水城っ!」
「綾野、ごめん。いくら可愛くても僕には無理か
も…」
心の中で怖がられていてはどうしようもない。
試しに付き合うとなっても、無理が生じるだろう。
お互いそれはいい方法とはいえない。
それに……不安定なままの気持ちじゃ誰とも真剣
に付き合うなんて考えられなかった。
それよりも、さっき聞こえた声の主を探す。
キョロキョロと眺めると、見つけた。
ベンチの側に一人の女の子が立っている。
今にも泣きそうな顔で母親を探しているのだ。
「水城くんっ…」
突然かけられた声に振り向くとそこにはさっき別
れたばかりの美香が立っていた。
「あの…これだけでも受け取ってもらえないかな」
「ごめん……」
渡す予定で持ってきたのか、ちょっと歪なラッピン
グはきっと本人がやったのだろう。
歩夢は即座に断るとさっきの少女に駆け寄った。
「大丈夫?お母さんと逸れたの?」
「お兄ちゃん……誰?」
「大丈夫だよ、安心して。お兄ちゃんがお母さん
探してあげるから」
「本当に?お母さん探してくれるの?」
「うん、だからちょっと来てくれる?」
「うんっ。いく、お母さんどこ?」
「いい子だ」
歩夢は少女を抱え上げるとインフォメーションセ
ンターへと向かった。
後ろから美香もついてきていた。
そこで放送してもらい、やっと母親に会えると笑
顔で歩夢達の方に手を振って帰っていった。
「出会えてよかったですね……」
「うん……」
「迷子だって知ってたの?」
「………」
まるで探していたような態度に美香は不思議に思
えた。
手作りのお菓子を最後に渡そうとしていたのに、
途中で出て行ってしまったのを勇気を出して追い
かけた。
そして見つけた時には、迷子の子を探していた。
まるで迷子になっている事を知っていたような動
きだった。
もしそうなら、自分の時も……。
そんな正義の味方のような行動に、少し胸が熱く
なる。
美香にとっては自分を助けて名も告げず去ってい
った人なのだ。
まるで救世主的な存在だった。
だから、ありさに頼んで会いたいとお願いしたのだ。
制服から見つけるのは簡単だった。
でも、実際に会うと印象は違って見えた。
いつも寂しそうで、誰とも深く繋がりを持とうとし
ない。
そんな印象を受けたのだった。
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