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69話 好きな気持ちは止まらない
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受験が終わったおかげか、学校は自由登校になっ
ていた。
歩夢もわざわざ学校へといく必要もない為、部屋
にこもっている。
毎日のように郁也が部屋を訪れるが、すごく嫌な
顔をして拒絶していた。
「歩夢~、部屋に入れてくれって~勉強毎日見て
やっただろ?」
「………」
「おーい、歩夢ちゃーん。いーれてー」
何を言っても、ご立腹のご様子だった。
その様子を眺めるまどかにとっては、少し不安だ
った。
このまま二人がくっつく事になったらとヒヤヒヤ
していたからだった。
郁也が男でも女でも、どちらでも構わないのは知
っている。
だが、まさか弟に手を出したとあっては、幸樹に
合わせる顔がないのだ。
「この分なら大丈夫そうね……」
まさか全て聞かれているなんて思いもしなかった
だろう。
郁也の思いも、まどかの思いも全部聞こえている
だけに、どちらにも応える事ができずにいた。
食事の時間以外は部屋に籠りっきりで出て来なく
なり、会話らしい会話もなくなっていく。
食事が終わり、歩夢が部屋に入ると、幸樹から
盛大なため息が漏れる。
「俺は全部あいつに任せてしまったのが悪いの
かな……俺には何の相談もできないと思われ
てるんだと思うと父親としてなんだか情けな
くなるな……」
「そんな事はないわ。幸樹さんだって、ちゃん
と向き合おうとしてるじゃない」
「そうなんだが…ずっと妻が亡くなってから、
放置してしまったというものあるしな……あ
いつは……歩夢は妻にとても懐いていたんだ」
「それは………」
「俺には一度も相談なんかされた事はないのに
な……あまり話すやつじゃないし、余計かも
しれないが…俺もちゃんと聞く気もなかった
のが悪いのかもしれん……」
「母さん、俺は……」
「郁也、あんたは黙ってなさい。歩夢くんの事は
あんたが口出すことじゃないわ」
「それは………」
何か訳ありな発言に幸樹が気になり始めていた。
「聞かせてくれないか?郁也くん、君も歩夢の心
配してくれてるんだろう?俺よりもあいつを弟
として思ってくれている事には感謝してるんだ」
「待って、幸樹さん。この子は……」
「いいって、もう家族なんだ。遠慮は無用だろ?」
何でも言ってくれという幸樹に郁也は、歩夢を突
き落とした犯人に心当たりがあるといい出したの
だった。
「本当か!それは誰なんだ!それを警察に言えば」
「それは…姫宮倫。姫宮財閥の御曹司で、俺が前
に付き合ってた元恋人だ……」
「女性に突き落とされたという事か?」
「いや、姫宮は男です。最近歩夢と一緒にいると
ころを見て、多分嫉妬したのだと……」
「何を言っているんだ?男と付き合っていたとい
うのか?まどか、一体どういう事なんだ?」
「……幸樹さん、ごめんなさい。この子は……」
「俺は別に男とか女とかこだわってないだけです。
気になればどちらでもいい。」
幸樹は頭を抱えると、理解し難いのか、悩む仕草
をする。
「しかしだな~、どうして歩夢に手を出す必要が
あるんだ?付き合ってるからって弟まで気に入
らないとでもいうのか?」
「それは……俺たちがもう別れているからです、
俺は今気になってる子がいて……それが気に
入らないと…」
「自分勝手な事だな。なら、そっちを狙えばい
いだろ?歩夢にまでこんな事……」
「幸樹さん。落ち着いて、郁也はもう部屋に
戻りなさい。」
「あぁ」
これ以上は言わないようにとまどかさんの
気遣いだった。
が、幸樹の好奇心はそこで終わりにはしな
かった。
「それで、郁也くん、今付き合っているのは
男なのか?それとも……」
「男です。まだ付き合ってもいません。いい
返事がもらえてないので……」
「そうか……その……まぁ、好きな子とは上
手くいきそうなのか?」
「まだわかりません。あまり心を開いてくれ
ないので」
苦笑いを浮かべると、意外そうな顔で見つめる。
「顔だけでは落とせないか……実に健全そうな
子だな」
「えぇ、なかなかに難しいですね。でも、きっ
と落としますよ?俺、初めてこんな好きなん
だって気持ちになったんで……それまで俺の
事を好きだって思ってくれた子と付き合って
たけど、長続きしなかったけど、今回は違う」
「そうか……まぁ、好きにしなさい。その子と
付き合う時は俺にも紹介しなさい。反対はし
ないつもりだ」
「幸樹さん!」
「本当ですか?なら、存分に口説く事にします
よ。お父さん」
「あぁ……」
まどかさんだけが、全てを知っているだけに、
ハラハラしていた。
これは真実を言った時のショックが大きいかも
しれないのだった。
ていた。
歩夢もわざわざ学校へといく必要もない為、部屋
にこもっている。
毎日のように郁也が部屋を訪れるが、すごく嫌な
顔をして拒絶していた。
「歩夢~、部屋に入れてくれって~勉強毎日見て
やっただろ?」
「………」
「おーい、歩夢ちゃーん。いーれてー」
何を言っても、ご立腹のご様子だった。
その様子を眺めるまどかにとっては、少し不安だ
った。
このまま二人がくっつく事になったらとヒヤヒヤ
していたからだった。
郁也が男でも女でも、どちらでも構わないのは知
っている。
だが、まさか弟に手を出したとあっては、幸樹に
合わせる顔がないのだ。
「この分なら大丈夫そうね……」
まさか全て聞かれているなんて思いもしなかった
だろう。
郁也の思いも、まどかの思いも全部聞こえている
だけに、どちらにも応える事ができずにいた。
食事の時間以外は部屋に籠りっきりで出て来なく
なり、会話らしい会話もなくなっていく。
食事が終わり、歩夢が部屋に入ると、幸樹から
盛大なため息が漏れる。
「俺は全部あいつに任せてしまったのが悪いの
かな……俺には何の相談もできないと思われ
てるんだと思うと父親としてなんだか情けな
くなるな……」
「そんな事はないわ。幸樹さんだって、ちゃん
と向き合おうとしてるじゃない」
「そうなんだが…ずっと妻が亡くなってから、
放置してしまったというものあるしな……あ
いつは……歩夢は妻にとても懐いていたんだ」
「それは………」
「俺には一度も相談なんかされた事はないのに
な……あまり話すやつじゃないし、余計かも
しれないが…俺もちゃんと聞く気もなかった
のが悪いのかもしれん……」
「母さん、俺は……」
「郁也、あんたは黙ってなさい。歩夢くんの事は
あんたが口出すことじゃないわ」
「それは………」
何か訳ありな発言に幸樹が気になり始めていた。
「聞かせてくれないか?郁也くん、君も歩夢の心
配してくれてるんだろう?俺よりもあいつを弟
として思ってくれている事には感謝してるんだ」
「待って、幸樹さん。この子は……」
「いいって、もう家族なんだ。遠慮は無用だろ?」
何でも言ってくれという幸樹に郁也は、歩夢を突
き落とした犯人に心当たりがあるといい出したの
だった。
「本当か!それは誰なんだ!それを警察に言えば」
「それは…姫宮倫。姫宮財閥の御曹司で、俺が前
に付き合ってた元恋人だ……」
「女性に突き落とされたという事か?」
「いや、姫宮は男です。最近歩夢と一緒にいると
ころを見て、多分嫉妬したのだと……」
「何を言っているんだ?男と付き合っていたとい
うのか?まどか、一体どういう事なんだ?」
「……幸樹さん、ごめんなさい。この子は……」
「俺は別に男とか女とかこだわってないだけです。
気になればどちらでもいい。」
幸樹は頭を抱えると、理解し難いのか、悩む仕草
をする。
「しかしだな~、どうして歩夢に手を出す必要が
あるんだ?付き合ってるからって弟まで気に入
らないとでもいうのか?」
「それは……俺たちがもう別れているからです、
俺は今気になってる子がいて……それが気に
入らないと…」
「自分勝手な事だな。なら、そっちを狙えばい
いだろ?歩夢にまでこんな事……」
「幸樹さん。落ち着いて、郁也はもう部屋に
戻りなさい。」
「あぁ」
これ以上は言わないようにとまどかさんの
気遣いだった。
が、幸樹の好奇心はそこで終わりにはしな
かった。
「それで、郁也くん、今付き合っているのは
男なのか?それとも……」
「男です。まだ付き合ってもいません。いい
返事がもらえてないので……」
「そうか……その……まぁ、好きな子とは上
手くいきそうなのか?」
「まだわかりません。あまり心を開いてくれ
ないので」
苦笑いを浮かべると、意外そうな顔で見つめる。
「顔だけでは落とせないか……実に健全そうな
子だな」
「えぇ、なかなかに難しいですね。でも、きっ
と落としますよ?俺、初めてこんな好きなん
だって気持ちになったんで……それまで俺の
事を好きだって思ってくれた子と付き合って
たけど、長続きしなかったけど、今回は違う」
「そうか……まぁ、好きにしなさい。その子と
付き合う時は俺にも紹介しなさい。反対はし
ないつもりだ」
「幸樹さん!」
「本当ですか?なら、存分に口説く事にします
よ。お父さん」
「あぁ……」
まどかさんだけが、全てを知っているだけに、
ハラハラしていた。
これは真実を言った時のショックが大きいかも
しれないのだった。
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