あいつは悪魔王子!~悪魔王子召喚!?追いかけ鬼をやっつけろ!~ 

とらんぽりんまる

文字の大きさ
7 / 45

誤解の契約!!

しおりを挟む
「妖精の召喚魔法をしたつもりだったってこと?」

 悪魔王子が言う。
 ぴゅーっと冷たい風が二人の間に吹いた。

「そ、そう……可愛い素敵でかっこいい……妖精様……魔術クラブのみんなで……」

 いつも魔術クラブのみんなで妄想していた妖精の女の子とか……妖精王……。
 金髪で耳の長い綺麗な……妖精。

「子どもよ、お前が使った魔法陣は下位悪魔の召喚魔法だ」

「かい……? アサリの悪魔? シジミの悪魔?」

「アサリはスパゲッティがいいの。シジミは味噌汁……って違うわーーー! 下っ端の悪魔の事じゃ! ちなみに悪魔王子様は超超超超上級悪魔。あんな魔法陣では呼び出すことなど到底不可能のお前の雲の上の上の上の存在の御方なのじゃ!」

「じゃ……じゃあどうして……」

「なんかちょっと魔界に飽きちゃってさ。そんな時にさっきの召喚のゲートを見かけたから」

 アハハと軽く悪魔王子は笑う。

「飽きて……」

「うん。人間界に興味あるから、ちょっと君のところでお世話になろうかな~って思ったんだよね」

「お、お世話!? 無理無理!」

 悪魔王子が家に来たら、お父さんは失神してしまう! と光は思う。

「こら! 子どもよ何を言うか! お前の先程の召喚魔法の意味を知っているのか?」

「え? あの呪文の意味?」

「知らないで唱えたの?」

「う……うん」

 あれはおじいちゃんの魔導書に書いてあったものを読み上げただけだ。
 
「(意味なんかあったの?)」

「私の身も心も命も財産もあなたに捧げます」

「えっ!?」

「私はあなたの下僕となる。未来永劫、あなたの下僕となる……」

「う、うそでしょ!」

 なんという最悪な内容!

 ショックで光は固まってしまった。

「その契約で、僕は此処に来たんだよ」

「ご、ごめんなさい! じゃあ取り消しで! あはは! 無しでお願いします!」

 悪魔王子の軽い笑いと同じように光も笑いながら言う。

「そんなことできるわけないだろう!」

 しかし、まんじゅう悪魔おじさんは怒り出した。

「え……取り消しできないの?」

「まぁそりゃあね……召喚魔法陣の契約だからね~」

 悪魔王子はニコニコしたままヒドイ事を言う。

「うそ……うそぉ……どうしよう……」

 冷たい土の上に座ったまま、光はうなだれる。
 さっきまで、あんなに怖い目にあったのに……。
 更にとんでもない、問題が……。

「鬼に襲われて、今度は悪魔……」

「どっちにしても君の命はもうないよ」

「えっ!?」

「あの鬼はまだ動く、消滅していないだろ?」

「えっうそ……」

 確かに悪魔王子が蹴り飛ばした鬼はピクリと動かないが、まだそこにいる。

「君を食べるまで、永久に追いかけてくる」

 恐怖の言葉に、光の顔から血の気が引いた。

「どっどうしたらいいの!?」

「ふぅん……僕にはどうにかする義理もないしなー」

「ひどいっ! この悪魔!」

「うん、だから僕、悪魔」

 やっぱり、にっこり笑う悪魔王子。

「もう、もうやだあああああ!!」

 光は叫ぶ。

「(とりあえず鬼も悪魔ももう嫌だ! 逃げよう!)」

 光は必死でその場から、逃げ出したのだった。
  
 
しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

悪魔さまの言うとおり~わたし、執事になります⁉︎~

橘花やよい
児童書・童話
女子中学生・リリイが、入学することになったのは、お嬢さま学校。でもそこは「悪魔」の学校で、「執事として入学してちょうだい」……って、どういうことなの⁉待ち構えるのは、きれいでいじわるな悪魔たち! 友情と魔法と、胸キュンもありの学園ファンタジー。 第2回きずな児童書大賞参加作です。

突然、お隣さんと暮らすことになりました~実は推しの配信者だったなんて!?~

ミズメ
児童書・童話
 動画配信を視聴するのが大好きな市山ひなは、みんなより背が高すぎることがコンプレックスの小学生。  周りの目を気にしていたひなは、ある日突然お隣さんに預けられることになってしまった。  そこは幼なじみでもある志水蒼太(しみずそうた)くんのおうちだった。  どうやら蒼太くんには秘密があって……!?  身長コンプレックスもちの優しい女の子✖️好きな子の前では背伸びをしたい男の子…を見守る愉快なメンバーで繰り広げるドタバタラブコメ!  

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

【完結】わたし、男子校に入学します!~ヒミツの寮生活はバレたら即退学!?~

古都まとい
児童書・童話
【第3回きずな児童書大賞 奨励賞受賞作】 代々続く名家・野宮家に生まれた詩織(しおり)は、中学校への入学を目前に控えたある日、父親に呼び出される。 野宮家の長男はとある名門男子校に入学する伝統があると知らされるが、長男であり詩織の双子の兄である伊織(いおり)は、原因不明の高熱が続いて入院中。 「伊織の代わりに、お前が男子校に入学しなさい」 父親のそんな一言で、詩織は双子の兄の身代わりとして男子校に入学することになって……!? 家の名誉と兄の未来を守るため、ドキドキの男子校生活がはじまる――。

【もふもふ手芸部】あみぐるみ作ってみる、だけのはずが勇者ってなんなの!?

釈 余白(しやく)
児童書・童話
 網浜ナオは勉強もスポーツも中の下で無難にこなす平凡な少年だ。今年はいよいよ最高学年になったのだが過去5年間で100点を取ったことも運動会で1等を取ったこともない。もちろん習字や美術で賞をもらったこともなかった。  しかしそんなナオでも一つだけ特技を持っていた。それは編み物、それもあみぐるみを作らせたらおそらく学校で一番、もちろん家庭科の先生よりもうまく作れることだった。友達がいないわけではないが、人に合わせるのが苦手なナオにとっては一人でできる趣味としてもいい気晴らしになっていた。  そんなナオがあみぐるみのメイキング動画を動画サイトへ投稿したり動画配信を始めたりしているうちに奇妙な場所へ迷い込んだ夢を見る。それは現実とは思えないが夢と言うには不思議な感覚で、沢山のぬいぐるみが暮らす『もふもふの国』という場所だった。  そのもふもふの国で、元同級生の丸川亜矢と出会いもふもふの国が滅亡の危機にあると聞かされる。実はその国の王女だと言う亜美の願いにより、もふもふの国を救うべく、ナオは立ち上がった。

【奨励賞】氷の王子は、私のスイーツでしか笑わない――魔法学園と恋のレシピ【完結】

旅する書斎(☆ほしい)
児童書・童話
【第3回きずな児童書大賞で奨励賞をいただきました】 魔法が学べる学園の「製菓科」で、お菓子づくりに夢中な少女・いちご。周囲からは“落ちこぼれ”扱いだけど、彼女には「食べた人を幸せにする」魔法菓子の力があった。 ある日、彼女は冷たく孤高な“氷の王子”レオンの秘密を知る。彼は誰にも言えない魔力不全に悩んでいた――。 「私のお菓子で、彼を笑顔にしたい!」 不器用だけど優しい彼の心を溶かすため、特別な魔法スイーツ作りが始まる。 甘くて切ない、学園魔法ラブストーリー!

異世界子供会:呪われたお母さんを助ける!

克全
児童書・童話
常に生死と隣り合わせの危険魔境内にある貧しい村に住む少年は、村人を助けるために邪神の呪いを受けた母親を助けるために戦う。村の子供会で共に学び育った同級生と一緒にお母さん助けるための冒険をする。

9日間

柏木みのり
児童書・童話
 サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。   (also @ なろう)

処理中です...