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第七章
観光農園
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観光事業に乗り出したこの島で、私が提案したもの。
それがこれ、観光農園である。
馬、羊、牛に馬に鶏。
客の前に出すのは基本かわいい子供か、馬なんかは大人しい性格のを乗馬用に取っておいて、残りは併設のレストランで出す食肉に。
野菜や果物も、収穫以外の世話はこちらで行い、収穫期には○○狩りと称して収穫体験してもらう。そのまま洗って食べられる果物なんかはその場で食べ放題。
多少なりとも調理が必要なものは体験後にバーベキューや鍋パーティーで楽しんで貰う。
島の特産物を楽しみつつ味わってもらい、ついでにお土産として買い込みお友達に広めてくれたらなぁ……と始めた事業はなかなか好調らしい。
収穫作業って、かつて農業なんて関わった事もなかった身からすれば楽しそうな作業なんだけど、実際仕事としては実は一番大変な作業なんだよね。
勿論これまでのお世話の成果がモロに出る訳だけど、単純にもげば良いって訳でもないし、作業量が生半可じゃない。
だから、その大変な部分をお客さんに楽しんでやって貰ってしかも儲かるとあれば農家的にも悪くない、と。
……前世ではたまにマナーの悪い客がいちごの頭だけ食べて他を捨てるなんて悲しいニュースもあったけど、精霊と共に生きるこの島でそんな勿体無い事をすれば問答無用で罰が当たるし。
で。この農園で私達も農業体験をする事になった。
ちなみに今が旬の果物はすもも。またの名をプラム。
少々酸味が強いけどみずみずしく、一個も程よい大きさで皮も剝きやすい。
簡単に生食できるフルーツである。
枝の途中にいくつかまとめてわちゃっと実っているすもも。
一個を大きくより甘く育てるために途中で摘果しているから、あれでも少ない方なんだよね。
摘果してないと巨大なぶどうの実のようになる。
「……このように、無理に引っ張らずとももげますから。慌てずゆっくり丁寧にもいでください」
「お、ホントだ。もげた。お、ちょっと酸っぱいけど丁度いい酸っぱさだ。甘い! 酸味がなければ甘すぎる位だ。酸味のおかげで後味も良いな」
「たくさん採れたら後でお菓子にしますから。心配は要りませんよ」
「意外に楽しいものですね。季節が変われば採れる果実も異なるのでしょうし……。今度の休みに家族と来たいですわ」
どうやら好評らしい。
「へぇ、随分と商売上手なんですね」
「私は原案を提案しただけですわ。それを実行可能にし採算が取れるよう運営してくれているのは民達ですよ」
「けど、お嬢様の価値はなにも『精霊姫』だからこそのものばかりじゃ無いって訳ですね」
ローデリヒがニヒルな笑いを浮かべた。
「精霊姫の旦那にはこれらの事業に理解が必要、と。……ますますアゼル様では荷が重そうですね」
「……」
ノーコメントを貫かせていただきますよ、その危うい発言には。
でもこの研修で、少なくともルーベンス嬢やイーリスとは良い具合に打ち解けられた気がする。最低限の収穫はあっただろう。……本命は進展なしだったけどな!
それがこれ、観光農園である。
馬、羊、牛に馬に鶏。
客の前に出すのは基本かわいい子供か、馬なんかは大人しい性格のを乗馬用に取っておいて、残りは併設のレストランで出す食肉に。
野菜や果物も、収穫以外の世話はこちらで行い、収穫期には○○狩りと称して収穫体験してもらう。そのまま洗って食べられる果物なんかはその場で食べ放題。
多少なりとも調理が必要なものは体験後にバーベキューや鍋パーティーで楽しんで貰う。
島の特産物を楽しみつつ味わってもらい、ついでにお土産として買い込みお友達に広めてくれたらなぁ……と始めた事業はなかなか好調らしい。
収穫作業って、かつて農業なんて関わった事もなかった身からすれば楽しそうな作業なんだけど、実際仕事としては実は一番大変な作業なんだよね。
勿論これまでのお世話の成果がモロに出る訳だけど、単純にもげば良いって訳でもないし、作業量が生半可じゃない。
だから、その大変な部分をお客さんに楽しんでやって貰ってしかも儲かるとあれば農家的にも悪くない、と。
……前世ではたまにマナーの悪い客がいちごの頭だけ食べて他を捨てるなんて悲しいニュースもあったけど、精霊と共に生きるこの島でそんな勿体無い事をすれば問答無用で罰が当たるし。
で。この農園で私達も農業体験をする事になった。
ちなみに今が旬の果物はすもも。またの名をプラム。
少々酸味が強いけどみずみずしく、一個も程よい大きさで皮も剝きやすい。
簡単に生食できるフルーツである。
枝の途中にいくつかまとめてわちゃっと実っているすもも。
一個を大きくより甘く育てるために途中で摘果しているから、あれでも少ない方なんだよね。
摘果してないと巨大なぶどうの実のようになる。
「……このように、無理に引っ張らずとももげますから。慌てずゆっくり丁寧にもいでください」
「お、ホントだ。もげた。お、ちょっと酸っぱいけど丁度いい酸っぱさだ。甘い! 酸味がなければ甘すぎる位だ。酸味のおかげで後味も良いな」
「たくさん採れたら後でお菓子にしますから。心配は要りませんよ」
「意外に楽しいものですね。季節が変われば採れる果実も異なるのでしょうし……。今度の休みに家族と来たいですわ」
どうやら好評らしい。
「へぇ、随分と商売上手なんですね」
「私は原案を提案しただけですわ。それを実行可能にし採算が取れるよう運営してくれているのは民達ですよ」
「けど、お嬢様の価値はなにも『精霊姫』だからこそのものばかりじゃ無いって訳ですね」
ローデリヒがニヒルな笑いを浮かべた。
「精霊姫の旦那にはこれらの事業に理解が必要、と。……ますますアゼル様では荷が重そうですね」
「……」
ノーコメントを貫かせていただきますよ、その危うい発言には。
でもこの研修で、少なくともルーベンス嬢やイーリスとは良い具合に打ち解けられた気がする。最低限の収穫はあっただろう。……本命は進展なしだったけどな!
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