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第十章
商品化に向けて
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「この度はお集まりいただきありがとうございます。皆様のお知恵とお力をお借りし、各レシピを家庭用と店舗販売用に完成させたいと思います」
集まってもらったのは洋食系の料理人と中華料理の料理人、そして洋食や中華に欠かせない調味料等を加工する業者の商品開発部及び営業担当。
先日の結果から、今回は和食担当には声をかけていなかった。あとスイーツ担当も。今回は本当におかずや食事としてのメニュー開発が目的だからね。
そして集まって貰ったプロ達に、先日の検証の結果を詳しく伝え、いくつか用意した案を元に新たなレシピを考案して貰う。
試作のための食材も、基本のものはこちらで用意した。特殊食材も、すぐに入手可能な物であれば買いに行く事になっている。――アクアが。
「俺かよ!」
君は今回は試食とパシリの為に参加してるんだからね。
「今回はプロが居るんですから、君は必要ありませんよと言ったのに『試食したい』と参加を希望したのはアクアでしょう。試食と言えども働かざる者食うべからずです。頑張って働いて下さいね?」
「ぐっ……!」
相変わらず口ではグレストに勝てないアクア。
「お前達も相変わらずだなぁ」
集ったプロ達もこの島の住人だ。当然島の子を、それも島の二大主要産業のまとめ役の子を知らない訳がない。
二人のやり取りを生暖かく見守る。
「なる程、黒糖に漬けたのに慣れてタピオカは甘いものとばかり思っていたけど、漬ける調味液によってはおかずになるんだな。けど、その調味料との相性とこの独特な食感が合えば美味しいけど、組み合わせを失敗すると悲惨な事になる訳だ」
「そうなの。こないだバズさんが大ハズレに当たった話を聞いてね、ちょっと危機感を覚えたって訳。前回のデザートレシピはパティシエや和菓子職人にご協力願ったんだけど、今回はコンセプトがコンセプトだから貴方達にお願いしたのよ」
ちなみにバズさんとはあの船で行き会った、タピオカイクラモドキに悶絶した当人である。
「よし、それじゃお嬢様のご期待に添える様頑張りますかね」
早速施策に取り掛かるプロ達。
気軽に言っている様で、その表情は真剣だ。既に島の特産物として定着したタピオカの危機に気付き、更にその余波が自分達にも降りかかる可能性を極力避けたいのだろう。
それぞれ相談し合いながら、次々に試作を完成させ、厳しい意見を交わし合う。
「俺達同様、既にタピオカは甘い物だと定着した中での提案だ。明らかに対極の、あまり辛いメニューはいきなりは受け付けないんじゃないか? 麻婆は確かに合うが……」
「……なら、甘じょっぱいあたりの味付けからいってみるか? みたらし的な……、まああれは甘味だが、スープの具にするなら洋食的なポタージュスープより中華スープのが適役だろう」
「いえ、ミネストローネとなら合うかもしれない」
そんな苦労の結果、いくつかのメニューがひとまずの完成したのだった。
集まってもらったのは洋食系の料理人と中華料理の料理人、そして洋食や中華に欠かせない調味料等を加工する業者の商品開発部及び営業担当。
先日の結果から、今回は和食担当には声をかけていなかった。あとスイーツ担当も。今回は本当におかずや食事としてのメニュー開発が目的だからね。
そして集まって貰ったプロ達に、先日の検証の結果を詳しく伝え、いくつか用意した案を元に新たなレシピを考案して貰う。
試作のための食材も、基本のものはこちらで用意した。特殊食材も、すぐに入手可能な物であれば買いに行く事になっている。――アクアが。
「俺かよ!」
君は今回は試食とパシリの為に参加してるんだからね。
「今回はプロが居るんですから、君は必要ありませんよと言ったのに『試食したい』と参加を希望したのはアクアでしょう。試食と言えども働かざる者食うべからずです。頑張って働いて下さいね?」
「ぐっ……!」
相変わらず口ではグレストに勝てないアクア。
「お前達も相変わらずだなぁ」
集ったプロ達もこの島の住人だ。当然島の子を、それも島の二大主要産業のまとめ役の子を知らない訳がない。
二人のやり取りを生暖かく見守る。
「なる程、黒糖に漬けたのに慣れてタピオカは甘いものとばかり思っていたけど、漬ける調味液によってはおかずになるんだな。けど、その調味料との相性とこの独特な食感が合えば美味しいけど、組み合わせを失敗すると悲惨な事になる訳だ」
「そうなの。こないだバズさんが大ハズレに当たった話を聞いてね、ちょっと危機感を覚えたって訳。前回のデザートレシピはパティシエや和菓子職人にご協力願ったんだけど、今回はコンセプトがコンセプトだから貴方達にお願いしたのよ」
ちなみにバズさんとはあの船で行き会った、タピオカイクラモドキに悶絶した当人である。
「よし、それじゃお嬢様のご期待に添える様頑張りますかね」
早速施策に取り掛かるプロ達。
気軽に言っている様で、その表情は真剣だ。既に島の特産物として定着したタピオカの危機に気付き、更にその余波が自分達にも降りかかる可能性を極力避けたいのだろう。
それぞれ相談し合いながら、次々に試作を完成させ、厳しい意見を交わし合う。
「俺達同様、既にタピオカは甘い物だと定着した中での提案だ。明らかに対極の、あまり辛いメニューはいきなりは受け付けないんじゃないか? 麻婆は確かに合うが……」
「……なら、甘じょっぱいあたりの味付けからいってみるか? みたらし的な……、まああれは甘味だが、スープの具にするなら洋食的なポタージュスープより中華スープのが適役だろう」
「いえ、ミネストローネとなら合うかもしれない」
そんな苦労の結果、いくつかのメニューがひとまずの完成したのだった。
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