ヒロイン? 玉の輿? 興味ありませんわ! お嬢様はお仕事がしたい様です。

彩世幻夜

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第十一章

次なる計画は

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 タピオカの次。
 ……シュミレーション程度のつもりで仕上げだ課題、目を付けた物。それは――

 「チーズ? 大人がよくワインのつまみに生ハムや腸詰めなんかと一緒に皿に盛られたのを食べてるのは見るけど。後はグラタンやピザには欠かせないし、朝食のトーストにハムと一緒に乗せて食べたりはするけど……。うん、こんな食べ方があるなんて知らなかったよ」

 「王子である貴方が知らないなら、目新しい物として売れますね。後はどれだけの層に響く味を作れるか、です」

 「だからこそ、ね。チーズの新しい楽しみ方を複数紹介するの。……ナタデココでヨーグルト、タピオカでミルクティー用のミルクが売れるようになったけど、生乳のままだと日持ちしないし、ウチの牛乳生産量ならまだまだ余裕がある。日持ちのする加工品を売りたいのよ。……一部のフレッシュチーズを除けば日持ちするし、種類もある。そしてチーズと相性のいい食材や料理って、すごく多いのよ」

 まずは今現在進行形で酒のつまみとして出回っているチーズは、ゴーダチーズに近い。
 ピザやグラタンに使うのにも悪くはない。

 が。
 クルトンとサイズを合わせ一緒にサラダに乗せてやる。
 焼き肉にチーズのトッピング。
 
 中華代表、ギョーザと春巻きの具にチーズイン。
 カレーにチーズトッピング。ついでにカレーパンも。

 「……流石にこの一種類だけだとそんなに色々は出来ないわね」
 やろうと思えば出来なくはないけど、ベストの味にするならもう何種かチーズを揃えたいところだ。
 せめてカマンベールやモッツァレラチーズとか。
 ついでにクリームチーズとマスカルポーネチーズがあれば、レアチーズケーキや、何より魅惑のスイーツティラミスが作れる。あれは、売れるはずだ。

 「チーズのレシピを見ると、種類によって完成までにかかる時間が随分違いますね。かかるものだと春休みにも間に合わない……? だから、逐次投入という計画なんですね?」

 「そうね。発酵食品にありがちだけど、フレッシュに近い状態のものは万人受けしやすいけれど、一部は一般受けしにくいけどコアなファンの付くクセのある物もある。けどそれも調理次第で一般受けを狙えるし、敢えてコアなファン向けに発信する商品が二、三種類あっても面白いと思わない?」

 「……だからこそ、のこの新しい販売方法ですか」
 「勿論最初はいつもの通りいつもの店からの発信だけど、これだけの種類を一店で賄うのは難しい。特にあの店には他にも商品があるんだし、今後も流行の発信地であって貰わなきゃいけないんだから」

 「既に王都の人間にとって、特に貴族のマダム達にとって流行に乗り遅れない為にもあの店の動向確認は必須らしいよ?」
 おっと、ノアから素敵な情報ゲットだぜ!
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