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第十四章
助っ人(?)その2登場!
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「イーリス様にルーベンス嬢……」
イーリス様にエスコートされたルーベンス嬢、……だけど、声をかけてきた彼女の方が主体で、イーリス様は明らかに添えもの扱いだった。
「なっ、貴女まさか裏切るつもりなの!?」
「裏切るも何も、貴女に協力した覚えはないし、むしろ私は何度も止めたはずよ。貴女はちっとも聞く耳を持っては下さらなかったけど」
喚くアゼル担当の悪役令嬢を、イーリス担当の悪役令嬢が冷たく切り捨てた。
「あの愚かな殿下の何を見て貴女がそんなに好いていたのかは知らない。蓼食う虫も好き好きとも言うしね。
けれど、アゼル殿下の尻拭いに彼女が振り回されていたのは貴女も見ていたはず。そして、アゼル殿下は精霊の怒りを買った。
本当に好きだったなら彼について田舎でもどこでもついていけば良かったのに、それもせずレーネ嬢を逆恨みしてつまらない嫌がらせ? 例えアゼルが失脚せずにいても、貴女が彼の婚約者に選ばれる事は無かったはずよ」
うわぁ、才媛のルーベンス嬢に言い返す言葉を持たない頭の弱い悪役令嬢はぷるぷる屈辱に震えるしかない。
「王妃様、彼女の罪状はこちらに纏めて御座います」
「あら、ありがとう。流石宰相自慢の娘ね。いいお嫁さんを貰って幸せね、イーリス殿も」
「は、はい……!」
顔を引つらせながら笑うイーリス、あれは確実に家で嫁の尻に敷かれてるんだろうな……。
そして、ルーベンス嬢から渡された書類に目を落とした王妃が不穏な笑みを浮かべたのを見て、ようやく悪役令嬢の保護者が人混みの中から押し出されて来た。
彼に巻き込まれるのを厭い、誰もが彼と目を合わさず遠巻きにするので、必然的に目立ってしまったんだろうね。
公爵なんて立派な爵位持ちらしくなく、おろおろとうろたえる様は実に滑稽だ。
「お、王妃様……、その、御前にて失礼を……、」
「貴方は。まず私への無礼より、自分の娘の不出来を恥じ、まともに躾けられもしない不徳を恥じるべきでしょう。そもそも、私より先に謝罪すべき相手も居るでしょうに、それも分からない。なるほど、娘が愚かに育つのも道理ですわね。子は親の鏡、確かに言い得て妙だわ」
うわー。王妃様コワー!
公爵閣下当人に直接苦言を呈すには色々ハードルの高いものだけど、王妃様にこれだけ言われた人を避けるには十分過ぎるね、このネタ……!
貴族にとって風聞はかなり大事なものって王妃様に習ったもん。……今後のあの公爵家がどうなるのか。知りたくもないけど、取り敢えずああはなるまいと、私はしっかり心に戒めるのだった。
イーリス様にエスコートされたルーベンス嬢、……だけど、声をかけてきた彼女の方が主体で、イーリス様は明らかに添えもの扱いだった。
「なっ、貴女まさか裏切るつもりなの!?」
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喚くアゼル担当の悪役令嬢を、イーリス担当の悪役令嬢が冷たく切り捨てた。
「あの愚かな殿下の何を見て貴女がそんなに好いていたのかは知らない。蓼食う虫も好き好きとも言うしね。
けれど、アゼル殿下の尻拭いに彼女が振り回されていたのは貴女も見ていたはず。そして、アゼル殿下は精霊の怒りを買った。
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「あら、ありがとう。流石宰相自慢の娘ね。いいお嫁さんを貰って幸せね、イーリス殿も」
「は、はい……!」
顔を引つらせながら笑うイーリス、あれは確実に家で嫁の尻に敷かれてるんだろうな……。
そして、ルーベンス嬢から渡された書類に目を落とした王妃が不穏な笑みを浮かべたのを見て、ようやく悪役令嬢の保護者が人混みの中から押し出されて来た。
彼に巻き込まれるのを厭い、誰もが彼と目を合わさず遠巻きにするので、必然的に目立ってしまったんだろうね。
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「お、王妃様……、その、御前にて失礼を……、」
「貴方は。まず私への無礼より、自分の娘の不出来を恥じ、まともに躾けられもしない不徳を恥じるべきでしょう。そもそも、私より先に謝罪すべき相手も居るでしょうに、それも分からない。なるほど、娘が愚かに育つのも道理ですわね。子は親の鏡、確かに言い得て妙だわ」
うわー。王妃様コワー!
公爵閣下当人に直接苦言を呈すには色々ハードルの高いものだけど、王妃様にこれだけ言われた人を避けるには十分過ぎるね、このネタ……!
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