屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。

彩世幻夜

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第二章

聖女様との邂逅

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 それは、一週間の営業の最終日の事だった。

 「……何か今日は街が妙に騒がしくねぇか?」

 そう、朝の鐘と始業の鐘の間には出勤する人々でごった返すが、始業してしまえば一気に通りから人の姿が消える。
 そんな街だが、今日はなんだかソワソワと落ち着かない雰囲気の人が多い。

 「……噂のせい、でしょうか」
 「噂?」
 「はい、最近この近隣の村や町で聖女様の一行を見たと。もしかしたらこの街にも来て下さるのではないかと。……先日訪れたリゾートや漁港でひたら休息や食糧調達等の理由で考えられますが、ここは工場街ですからね……」

 そんな会話をした朝。

 そしていつも通りの地獄のランチタイムをどうにかクリアし、ほっと一息つこうかという頃。

 その人はやって来たのだった。

 「あの、よろしいかしら?」

 陽の光をほのかにまとう美しい金髪に青い目。
 まさに天使の配色を持った若い女性が店先にやって来た。

 彼女の後ろには、お付きらしい神官服の男性が3人程。

 「はい、いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」
 「うーん、どれにしようかしら」

 どう見ても、この工場街に不似合いなこの美女。

 まさか……いや、でも……
 聞きたいが、聞いたら最後やぶ蛇になりそうで、引きつりそうな笑みを必死に保ちつつ彼女がメニューを選ぶのを待つ。

 「見たことないメニューね。スパゲティは普通に食べたことがあるのに。オイルパスタは美味しそうだけど、臭いが気になるし。この『わふう』? をお願いするわ。……あなた達は?」
 「では、私はトマトソースを」
 「私はクリームソースで」

 そして、最後の付き人らしき人物は。
 「私めは聖女様と同じものを」

 ぺろりととんでもない爆弾を無意識に投下して下さいました。

 「え……?」
 四人分の麺を湯に投入していたレストと、会計をしようとしていたジーク以外、一瞬手持ち無沙汰だった私達はそのセリフに耳を疑った。

 いや、待て。マジで聖女様!?
 何でこんな工場街に聖女様が!?

 湯だった麺を渡され、慌ててソースと絡めつつもついチラチラとかの人に視線が惹きつけられる。

 何たって聖女様云々でなくともかなりの美女なのだから。
 多分少女という年齢ではないからその呼称は避けたけど、ついつい美少女と言いたくなる可愛らしい女性。
 ある意味ルイーゼさんの対局に居るような容姿の彼女だが、不思議と儚げとかか弱そうな感じはしない。
 むしろ性格面ではルイーゼさんと似たようなものかもしれない、そんな雰囲気がある。

 「うーん、聞いていたのと人数が違うのだけど……。でも、……」

 そんな彼女が悩ましげに私達の顔を見比べてから。

 「ねぇ、貴女達、クロードが言ってたお店の方かしら?」

 ……クロード? はて、誰のことやら?
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