25 / 29
義理の兄弟とため口で話すことになりました その④ ~匠side~
しおりを挟む
「よし、0時を過ぎたね。」
トン トン トン トン
ポン
「携帯のアラームが鳴るまで話を聞くよ。1時半まで話そう。」
聡は携帯のアラームを設定すると、布団の上に携帯を置いた。
「どんな課題が出たんだ?」
興味津々な表情で新が聞いた。
「えーと、待ってください。」
ー 口で言うのはハードルが高い。2人に契約書を読んでもらった方がいいな。
「契約書、ここに」
携帯のストラップに触れて匠はが唱えると、契約書が空中に浮かんで現れた。
聡と新は、まじまじとそれを読んだ。
①字を上達させること
②義理の兄弟への言葉遣いのよそよそしさを無くすこと
しばし流れる沈黙ー
「①の字の方はどう?」
「・・・・。練習はしてはいるんですけど・・・。」
ーさっきの僕の字を見て、気がつかなかったんだろうか。
「練習した字を見せてもらってもいい?」
「はい。ちょっと待ってください。ーーーーー。 これです。」
匠は本棚から練習ノートを取り出し、聡に手渡した。
「「ーーーーーー。」」
(「さっきの字は、怒って雑になった訳じゃなかったのか・・・。」)
(「個性的な字ですね・・・。」)
「今までに習ったことはあるのか?」
新がノートから顔を上げて匠に聞いた。
「は、はい。小学生の時に、2年間。でも、才能が無いので、やめました。」
「どんな先生だった。」
「優しかったですよ。でも僕は全然上達しませんでした。」
匠は、習字の先生が硬筆を教えてくれた時を思い出した。
ー僕の書いた字を見るといつも困ったような笑顔をしてたっけ。
「そうか。」
(「安易に習えばいいじゃんとは言えないな。」)
「作戦タイムな。聡兄、ちょっといい?」
「うん。廊下で話そうか。」
2人は立ち上がると廊下の方へ行った。
ーやっぱり僕の下手な字がどうやったら上達するか相談されたら困るよね。
自分の弱点をさらけ出したことで緊張が強まった。心拍数が速くなるのを感じながら、匠は2人が戻ってくるのを待った。
カチャリ
「う~さみ~。」
新はファンヒーターの前に座り込み体を温めた。
「待たせたね。」
「いえ。」
聡も寒かったのだろう。敷布団の上で掛け布団にくるまって、座った。
「結論から言うと、字は楓から習うといいよ。」
「えっ。」
ー楓ちゃんには上達してから、この課題のことを話したいと思ってたんだけど。
「あいつは、字がすげえ好きだから。一緒に練習するの喜んで付き合うと思うぜ。」
「字が好きなら、この字は見せない方がいいんじゃ。」
ー幻滅されたくないな。
「楓の字への思い入れは何ていうか。・・・深いんだよね。匠君の助けになると思うよ。」
「はあ。」
「まあ1回、楓と字の練習をしてみて匠に合わなかったから、別の方法を考えるってのでどうだ?」
「そうですね。」
「じゃ、決まりな。楓には俺から話しておくから。」
「ーーーー。はい。」
ーさっきの「そうですね。」は保留の意味で使ったのだけど、伝わってなかった。
「じゃあ①はとりあえず対策が立てれたな。」
「え、ええ。」
(「新、さっきの匠君の【そうですね】の言葉が、「はい。」の意味じゃなくて、「考えてみます。」の意味だと分かっててあえてスルーしたな。」)
聡も匠の本音に気がついていたが、楓に相談するのがいいと思っていたので2人のやり取りをそのまま見守った。
「次は課題の②な。何かさっき話し方が変だったのはこの課題のせいだよな。」
にやにやしながら、新さんがツッコミを入れた。
「えーと、そうですね。」
匠は手で頭をぽりぽりかいた。
「匠君、僕たちに話すの気を使っていたんですね。僕自身、ですます調が普通なので気がつきませんでした。」
「俺は、砕け過ぎだしな。」
「・・・。」
ーどうしよう。何て言えば良いんだろう。言葉が見つからない。
「なあ匠。匠が気を遣うのって俺らに原因があるのか?」
「そ、それは違います。」
「本当か?」
「本当です。苦手だったら2人を家に泊めたりしません。聡さんと新さんと一緒に遊ぶのは、楽しいです。」
ー今、きちんと伝えないと、これが原因で距離が出来たら寂しい。
「「(それ)ならよかった。」」
匠の返事に聡と新は、ほっとした表情になった。
「僕は、親が離婚してるじゃないですか。」
匠は本音を2人に話してみることにした。
「そう言ってたな。」「ええ。」
「だからずっと続く友情とかどうも信じきれなくて、気が付いたら傷つかないために敬語で話すようになったんです。そうすれば、ある程度の距離感が保てますから。」
「じゃあ、この課題は負担か?」
ー負担かどうかというと、出来たらいいなと思うけど、今更話し方を変えるのは恥ずかしいという感じだ。
「いいえ。2人のことは信用、いや信頼してるんで、負担じゃないです。ただ、話し方をこれから帰るのはなんか恥ずかしい感じがして。」
「負担じゃないなら、ほっとしました。」
「とりあえず、名前呼び捨てにしてみろよ。」
「そうだね。練習あるのみだね。」
聡が新の提案に賛成してうなずいた。
「・・・・・・。」
ーど、どうしよう。何て言おう。
新はにやにやしながら、聡は穏やかな顔つきで匠が話すのを待っている。
ー【新、聡、これからもよろしく。新、聡、これからもよろしく。新、聡、これからもよろしく。】
匠は心の中で、練習した。
ーよ、よし言おう。
スー・・ハー・・。
匠は視線を一瞬外して、息を深く吸い込んで吐き出してからこう言った。
「新、聡、これからもよろしく。」
「おお~感じが変わるなあ。」
「新鮮ですねえ。」
「聡兄も今日だけですます調をやめようぜ。」
「そうですか。・・・・。分かったよ。匠の練習に付き合うよ。」
ーですます調で話さない聡さんは本当に意外な感じだ。
「ククッ。面白いな~。何か話題は・・・。そうだ。明日、楓と朱音さんは午前中うちにくるって奈央子が言ってたぞ。」
「そうで、そうなんだ。知らんかった。」
「僕も知らなかった。さっき決まったのか?」
「ああ。【女子会だあ!】って張り切ってたぞ。」
「あっちも課題について話すんだろうな。」
「楓の課題はまだ知らないんだよな?」
「ええ、違った。ああ。この1週間早く眠ってるからそれが課題だと思う。」
「早寝早起きか~。」
「「楓にぴったりだな。」」
新と聡の言葉が重なった。
「そうなんだ。」
「ああ、楓は夢中になると明け方まで本読んだり掃除したりして、その後しばらくぼーっとするところがあるからな。」
「新、あんまりばらすと楓が怒るぞ。そんくらいにしとけ。」
「つい口が滑った。匠、悪いこれオフレコな。」
「分かったよ。」
ー楓ちゃんが本に夢中になりやすいのは知っていたけど、直接本を読む姿を見たことはなかったな。苦手なことなのに【早め早起き】にしっかり取り組んでて偉いな楓ちゃんは。
「そう言えば、今度出張で札幌に行くんだけど、お勧めのラーメン店ってある?」
聡が匠に聞いた。
「何系が食べたいですか?」
「そうだな。今回は塩ラーメンが食いに行きたいな。」
「それなら・・・。」
そこから雑談をしているうちに急に部屋の明るさが変わった。
光が部屋の中に溢れる。光の発信源の携帯ストラップを見ると、色が変わっていた。
「課題合格だね。おめでとう。」
「やったな、匠。」
新も嬉しそうに言った。
「ありがとうございます。」
「話し方、戻すと色が消えるぞ。やり直し。」
「聡、新、ありがとうな。協力してくれて。」
「俺は楽しかったぞ。」
「僕も。」
匠は、色の変わった携帯ストラップをじっと見つめた。課題に合格した実感はまだないが、それでも安堵した気持ちが湧き上がってくるのを感じた。
「思ったより早く片付いたな。寝るぞ。」
時計を見上げ、新が言った。時計の針は、1時4分を指している。
「そうだね。2人とも明日、何時に起きる?」
「俺、6時。7時にはここを出る。」
新が、布団にくるまりながら言った。
「匠君は?」
「僕も6時で。」
「僕は、ここから会社が近いから、7時に起きるよ。」
ー朝食は、パンにしよう。5時45分に起きて動けば・・・。
「匠、俺らの朝食とか心配しなくていいからな。」
「え!それは悪いよ。」
ー忙しいところ来てくれたのに、それは出来ない。
「布団の片付けやごみ捨てをしてもらうんだからこっちが悪いくらいだよ。」
「それくらいはついでなんで。」
ピッピッ
新が、電気のリモコンを押して豆電球が付く設定にした。
「じゃあ、朝は各自適当にということで。お休み。」
「お休み。」
新の言葉に、聡もすぐに目を閉じ、ごろんと右を向き背中を向けた。
5分もすると、2人の寝息が聞こえてきた。
いつもながら、抜群の寝つきだ。
匠は、自分の殻を破れたことに驚きつつ、それを新と聡が当然のことのように接してくれたことを嬉しく感じた。
今日は、睦月さんの黒豆茶の力を借りなくても眠れそうだ。
匠は自分の部屋に移動するのも忘れて、次第に眠りに落ちて行った。
トン トン トン トン
ポン
「携帯のアラームが鳴るまで話を聞くよ。1時半まで話そう。」
聡は携帯のアラームを設定すると、布団の上に携帯を置いた。
「どんな課題が出たんだ?」
興味津々な表情で新が聞いた。
「えーと、待ってください。」
ー 口で言うのはハードルが高い。2人に契約書を読んでもらった方がいいな。
「契約書、ここに」
携帯のストラップに触れて匠はが唱えると、契約書が空中に浮かんで現れた。
聡と新は、まじまじとそれを読んだ。
①字を上達させること
②義理の兄弟への言葉遣いのよそよそしさを無くすこと
しばし流れる沈黙ー
「①の字の方はどう?」
「・・・・。練習はしてはいるんですけど・・・。」
ーさっきの僕の字を見て、気がつかなかったんだろうか。
「練習した字を見せてもらってもいい?」
「はい。ちょっと待ってください。ーーーーー。 これです。」
匠は本棚から練習ノートを取り出し、聡に手渡した。
「「ーーーーーー。」」
(「さっきの字は、怒って雑になった訳じゃなかったのか・・・。」)
(「個性的な字ですね・・・。」)
「今までに習ったことはあるのか?」
新がノートから顔を上げて匠に聞いた。
「は、はい。小学生の時に、2年間。でも、才能が無いので、やめました。」
「どんな先生だった。」
「優しかったですよ。でも僕は全然上達しませんでした。」
匠は、習字の先生が硬筆を教えてくれた時を思い出した。
ー僕の書いた字を見るといつも困ったような笑顔をしてたっけ。
「そうか。」
(「安易に習えばいいじゃんとは言えないな。」)
「作戦タイムな。聡兄、ちょっといい?」
「うん。廊下で話そうか。」
2人は立ち上がると廊下の方へ行った。
ーやっぱり僕の下手な字がどうやったら上達するか相談されたら困るよね。
自分の弱点をさらけ出したことで緊張が強まった。心拍数が速くなるのを感じながら、匠は2人が戻ってくるのを待った。
カチャリ
「う~さみ~。」
新はファンヒーターの前に座り込み体を温めた。
「待たせたね。」
「いえ。」
聡も寒かったのだろう。敷布団の上で掛け布団にくるまって、座った。
「結論から言うと、字は楓から習うといいよ。」
「えっ。」
ー楓ちゃんには上達してから、この課題のことを話したいと思ってたんだけど。
「あいつは、字がすげえ好きだから。一緒に練習するの喜んで付き合うと思うぜ。」
「字が好きなら、この字は見せない方がいいんじゃ。」
ー幻滅されたくないな。
「楓の字への思い入れは何ていうか。・・・深いんだよね。匠君の助けになると思うよ。」
「はあ。」
「まあ1回、楓と字の練習をしてみて匠に合わなかったから、別の方法を考えるってのでどうだ?」
「そうですね。」
「じゃ、決まりな。楓には俺から話しておくから。」
「ーーーー。はい。」
ーさっきの「そうですね。」は保留の意味で使ったのだけど、伝わってなかった。
「じゃあ①はとりあえず対策が立てれたな。」
「え、ええ。」
(「新、さっきの匠君の【そうですね】の言葉が、「はい。」の意味じゃなくて、「考えてみます。」の意味だと分かっててあえてスルーしたな。」)
聡も匠の本音に気がついていたが、楓に相談するのがいいと思っていたので2人のやり取りをそのまま見守った。
「次は課題の②な。何かさっき話し方が変だったのはこの課題のせいだよな。」
にやにやしながら、新さんがツッコミを入れた。
「えーと、そうですね。」
匠は手で頭をぽりぽりかいた。
「匠君、僕たちに話すの気を使っていたんですね。僕自身、ですます調が普通なので気がつきませんでした。」
「俺は、砕け過ぎだしな。」
「・・・。」
ーどうしよう。何て言えば良いんだろう。言葉が見つからない。
「なあ匠。匠が気を遣うのって俺らに原因があるのか?」
「そ、それは違います。」
「本当か?」
「本当です。苦手だったら2人を家に泊めたりしません。聡さんと新さんと一緒に遊ぶのは、楽しいです。」
ー今、きちんと伝えないと、これが原因で距離が出来たら寂しい。
「「(それ)ならよかった。」」
匠の返事に聡と新は、ほっとした表情になった。
「僕は、親が離婚してるじゃないですか。」
匠は本音を2人に話してみることにした。
「そう言ってたな。」「ええ。」
「だからずっと続く友情とかどうも信じきれなくて、気が付いたら傷つかないために敬語で話すようになったんです。そうすれば、ある程度の距離感が保てますから。」
「じゃあ、この課題は負担か?」
ー負担かどうかというと、出来たらいいなと思うけど、今更話し方を変えるのは恥ずかしいという感じだ。
「いいえ。2人のことは信用、いや信頼してるんで、負担じゃないです。ただ、話し方をこれから帰るのはなんか恥ずかしい感じがして。」
「負担じゃないなら、ほっとしました。」
「とりあえず、名前呼び捨てにしてみろよ。」
「そうだね。練習あるのみだね。」
聡が新の提案に賛成してうなずいた。
「・・・・・・。」
ーど、どうしよう。何て言おう。
新はにやにやしながら、聡は穏やかな顔つきで匠が話すのを待っている。
ー【新、聡、これからもよろしく。新、聡、これからもよろしく。新、聡、これからもよろしく。】
匠は心の中で、練習した。
ーよ、よし言おう。
スー・・ハー・・。
匠は視線を一瞬外して、息を深く吸い込んで吐き出してからこう言った。
「新、聡、これからもよろしく。」
「おお~感じが変わるなあ。」
「新鮮ですねえ。」
「聡兄も今日だけですます調をやめようぜ。」
「そうですか。・・・・。分かったよ。匠の練習に付き合うよ。」
ーですます調で話さない聡さんは本当に意外な感じだ。
「ククッ。面白いな~。何か話題は・・・。そうだ。明日、楓と朱音さんは午前中うちにくるって奈央子が言ってたぞ。」
「そうで、そうなんだ。知らんかった。」
「僕も知らなかった。さっき決まったのか?」
「ああ。【女子会だあ!】って張り切ってたぞ。」
「あっちも課題について話すんだろうな。」
「楓の課題はまだ知らないんだよな?」
「ええ、違った。ああ。この1週間早く眠ってるからそれが課題だと思う。」
「早寝早起きか~。」
「「楓にぴったりだな。」」
新と聡の言葉が重なった。
「そうなんだ。」
「ああ、楓は夢中になると明け方まで本読んだり掃除したりして、その後しばらくぼーっとするところがあるからな。」
「新、あんまりばらすと楓が怒るぞ。そんくらいにしとけ。」
「つい口が滑った。匠、悪いこれオフレコな。」
「分かったよ。」
ー楓ちゃんが本に夢中になりやすいのは知っていたけど、直接本を読む姿を見たことはなかったな。苦手なことなのに【早め早起き】にしっかり取り組んでて偉いな楓ちゃんは。
「そう言えば、今度出張で札幌に行くんだけど、お勧めのラーメン店ってある?」
聡が匠に聞いた。
「何系が食べたいですか?」
「そうだな。今回は塩ラーメンが食いに行きたいな。」
「それなら・・・。」
そこから雑談をしているうちに急に部屋の明るさが変わった。
光が部屋の中に溢れる。光の発信源の携帯ストラップを見ると、色が変わっていた。
「課題合格だね。おめでとう。」
「やったな、匠。」
新も嬉しそうに言った。
「ありがとうございます。」
「話し方、戻すと色が消えるぞ。やり直し。」
「聡、新、ありがとうな。協力してくれて。」
「俺は楽しかったぞ。」
「僕も。」
匠は、色の変わった携帯ストラップをじっと見つめた。課題に合格した実感はまだないが、それでも安堵した気持ちが湧き上がってくるのを感じた。
「思ったより早く片付いたな。寝るぞ。」
時計を見上げ、新が言った。時計の針は、1時4分を指している。
「そうだね。2人とも明日、何時に起きる?」
「俺、6時。7時にはここを出る。」
新が、布団にくるまりながら言った。
「匠君は?」
「僕も6時で。」
「僕は、ここから会社が近いから、7時に起きるよ。」
ー朝食は、パンにしよう。5時45分に起きて動けば・・・。
「匠、俺らの朝食とか心配しなくていいからな。」
「え!それは悪いよ。」
ー忙しいところ来てくれたのに、それは出来ない。
「布団の片付けやごみ捨てをしてもらうんだからこっちが悪いくらいだよ。」
「それくらいはついでなんで。」
ピッピッ
新が、電気のリモコンを押して豆電球が付く設定にした。
「じゃあ、朝は各自適当にということで。お休み。」
「お休み。」
新の言葉に、聡もすぐに目を閉じ、ごろんと右を向き背中を向けた。
5分もすると、2人の寝息が聞こえてきた。
いつもながら、抜群の寝つきだ。
匠は、自分の殻を破れたことに驚きつつ、それを新と聡が当然のことのように接してくれたことを嬉しく感じた。
今日は、睦月さんの黒豆茶の力を借りなくても眠れそうだ。
匠は自分の部屋に移動するのも忘れて、次第に眠りに落ちて行った。
0
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
愚かな側妃と言われたので、我慢することをやめます
天宮有
恋愛
私アリザは平民から側妃となり、国王ルグドに利用されていた。
王妃のシェムを愛しているルグドは、私を酷使する。
影で城の人達から「愚かな側妃」と蔑まれていることを知り、全てがどうでもよくなっていた。
私は我慢することをやめてルグドを助けず、愚かな側妃として生きます。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる