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婚約破棄の書類
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先ほど、婚約破棄の書類を持たせた従者を、使いに出したわたくしは、ラミーリア公爵邸でアフタヌーンティーを楽しんでいる。
「アリア様、殿下が簡単にサインするでしょうか?」
「えぇ、必ずするわ」
クッキーをつまんだところでちょうど、従者が帰ってきた。
「アリア様、サインをもらって参りました」
「ありがとう」
従者から受け取って、確認する。
「どうしてサインをしたのでしょう? 婚約破棄の書類なんかに。殿下は、アリア様そっちのけで女漁りをしていますが、アリア様にも手を出しそうな勢いでしたのに」
「まぁ、マリー、殿下がわたくしの耳元でおっしゃったことを聞いていたの?」
「私、耳はいいのです。本当に、許せませんわ」
「ふふ、そうだったわね。それで、殿下がこの婚約破棄にサインしたのは、これが読めなかったからよ」
「えっ、殿下って古語が読めないのですか」
古語は、話し言葉としては今は使われていないが、このような正式な書類には必ず使われる。そのため、王族、貴族はもちろん、庶民のほとんどが読める。が、勉強が嫌いな殿下は、もちろん学んでいない。
このことを知っているのは、わたくしと、国王夫妻、それとわたくしの父のような一部の上位貴族ぐらいかしら。
「えぇ、そうよ。殿下は古語が読めないの。でも、殿下はプライドが高い方だから、そんなことをわたくしの従者に言えるはずがないわ。だから読んだふりをすると思ったのよ」
「では、殿下は婚約破棄したことを知らないと?」
「そうでしょうね」
「さすがアリア様です。実際、殿下はこの書類を読んでおりませんでした。私が見たところ、目が書面をおっていませんでしたし、婚約破棄と分かっているような素振りを見せておりませんでした」
「ほらね」
ウクリナ王国では、婚約破棄は両者の合意がないとできない。
形式的に、婚約時に婚約破棄の書類も作成する。ここに2人がサインをすれば、婚約破棄が成立する。が、実際にこの書類を使う人はほとんどいない。あくまで、「形式」である。婚約破棄自体をする人が少ないのだ。婚約破棄は基本、男性の方に原因があったと捉えられてしまう。
「王宮に行きましょう。この書類を陛下に提出しなくては、正式に婚約破棄したことにはならないわ」
「アリア様、殿下が簡単にサインするでしょうか?」
「えぇ、必ずするわ」
クッキーをつまんだところでちょうど、従者が帰ってきた。
「アリア様、サインをもらって参りました」
「ありがとう」
従者から受け取って、確認する。
「どうしてサインをしたのでしょう? 婚約破棄の書類なんかに。殿下は、アリア様そっちのけで女漁りをしていますが、アリア様にも手を出しそうな勢いでしたのに」
「まぁ、マリー、殿下がわたくしの耳元でおっしゃったことを聞いていたの?」
「私、耳はいいのです。本当に、許せませんわ」
「ふふ、そうだったわね。それで、殿下がこの婚約破棄にサインしたのは、これが読めなかったからよ」
「えっ、殿下って古語が読めないのですか」
古語は、話し言葉としては今は使われていないが、このような正式な書類には必ず使われる。そのため、王族、貴族はもちろん、庶民のほとんどが読める。が、勉強が嫌いな殿下は、もちろん学んでいない。
このことを知っているのは、わたくしと、国王夫妻、それとわたくしの父のような一部の上位貴族ぐらいかしら。
「えぇ、そうよ。殿下は古語が読めないの。でも、殿下はプライドが高い方だから、そんなことをわたくしの従者に言えるはずがないわ。だから読んだふりをすると思ったのよ」
「では、殿下は婚約破棄したことを知らないと?」
「そうでしょうね」
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形式的に、婚約時に婚約破棄の書類も作成する。ここに2人がサインをすれば、婚約破棄が成立する。が、実際にこの書類を使う人はほとんどいない。あくまで、「形式」である。婚約破棄自体をする人が少ないのだ。婚約破棄は基本、男性の方に原因があったと捉えられてしまう。
「王宮に行きましょう。この書類を陛下に提出しなくては、正式に婚約破棄したことにはならないわ」
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