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62話 久しぶりの飲み会
しおりを挟む「かんぱーい!」
<コメント>
:かんぱーーい
:お久しぶりっす
:ランクBおめでとうございます!
:遠くに行っちゃったなぁ
:Dの頃から追いかけてました!
「リスナーさんに支えられて今の俺たちがあります。今日は久しぶりのリモート飲み会、楽しんでってくださいね」
乾杯の儀式を交えて配信開始。
カメラは手元に合わせて仕込みにはいる。
ここ数日配信できないのもあり、随分と懐かしく感じるが配信やめて一週間もたってないんだよね。
収録そのものはしてたから、生配信勢と認識に差が生じてるが。
<コメント>
:目の前のお肉はなんだろう?
:Bならオーク?
:ポンちゃんがそんなありきたりなもん出すか?
「ありきたりでごめんなー、オーク肉なんだ、これ。でも俺なりのアレンジしてるから、一般のオークとは違うように心がけてる。みんなは宇都宮の八尾成果さんって知ってる? 今回の野菜は全てそこで仕入れたんだよね」
<コメント>
:有名どころじゃん。てかあそこの野菜、割高なんだよなー
:ブランド野菜って感じ
:ランク高いところのお野菜はだいたいあそこですよね
「そうなんだね。実はあの野菜ってモンスター食材って知ってた? 俺初めて知ってさー」
<コメント>
:は?
:は?
:は?
:は?
俺の発言に、コメントは一斉に同じ文字で埋め尽くされた。
あれ? 俺また何かやっちゃった?
「ポンちゃん、これ言っちゃいけないやつだったんじゃね? あの爺さん口硬そうだったし」
ヨッちゃんがジト目を浴びせてくる。
そんな目で見るなよ。でもまぁ、誰も知らないところを見るとそのようだな。
「今のは聞かなかったことにして……」
<コメント>
:無理でしょwww
:ああーーー手が滑ってうっかりsnsにーー!
:確信犯なんだよなぁ
:こうやってポンちゃんのやらかしは量産されていくんやなって
:俺らのやらかしをポンちゃんの所為にして行くスタイルゥ!
:切り抜きが早速出回ってましたよ!
:仕事はえーーな
:それだけ待ち望んでたんよ
「料理以外でバズるのはうれしくないなぁ」
「ポンちゃんはホラ、天然だから」
<コメント>
:さすが理解者
:放任主義にも程があるよ
:ガチガチに縛ってたらそれはそれで窮屈やが
「俺はよっちゃんが放任主義で助かってるよ。このほどよく緩い感じが一緒にいて落ち着くから」
「なんだよー急に褒めて。ビールキンキンに冷やすくらいしかできねーぜ?」
「そいつを待ってた」
<コメント>
:ポンちゃん汗ビッショビショ
:火入れしてるんだからそれはそう
:なのに煙はたまってないの神業なんよ
:そこの呑兵衛がいるだけで保たれてるクリーンな環境
:ただのギャラリーじゃないもんな。ヨッちゃん
:汗だらだらなのに、食材には一切垂らさない気遣いができる男だからな
「なんか照れるなー。んで、こいつをアルミホイルに包んで寝かせます」
<コメント>
:チャーシューかな?
:絶対チャーシューだ!
:画像だけで腹減ってくるんよ
:俺もう開けた
:フッ、俺はもう二本目だぜ?
相変わらずのコメント具合に嬉しくなるね。
肉を寝かせてるうちに残った油で切った野菜を炒めていく。
この油もまた美味いんだ。
野菜はネギなどの香味野菜に加えて、白菜、ピーマン、玉ねぎと何にでも合う組み合わせ。
彩もいいので、今後お世話になりそうだ。
<コメント>
:あれ? これはラーメンやないな
:わからんぞ? 野菜ラーメンかもしれんやろ?
:あーだめだめ、我慢できん!
:ちょっと出てくるわ
:ダンジョンかもしれんぞ?
:最近ダンジョン内では配信しないって言ってたばっかじゃん
:あー、そういや
:場所どこですか?
「今日はダンジョンセンター宇都宮支部前で出店中です。混雑が予想されますので、あらためてご了承ください。常連さんの方は名刺の提示でお持ち帰り優先権が得られます。ここで飲むのが無理そうな場合は配信で我慢してください。なるべくご新規さんに食べていただきたいので」
<コメント>
:りょ
:りょ
:りょ
:常連客追い出すとか店としてどうなんだ?
:普通の店ならこのラインナップ置かない件
:利益考えたら絶対赤字だろこれ
:常連ほど食えるだけありがたいって知ってるんやで
:支部で置かれてるの速攻売れるしな
:購入チャンスがあるだけで儲けもの
:そんくらい美味いから
:絶賛やん
:あー、見切り発車でお酒入れちゃったから車出せないわ
:場所が遠すぎて、いけねー
:配送とかしてませんよね?
配送ねぇ、それがいちばんのネックなんだよな。
こっちは振る舞いたくても、距離の関係で隔たれる。
そこをなんとかしたくても現状なんともできない歯痒さがつきまとう。
「配送は難しいですねぇ。商売云々はそれこそファンサービスみたいなもので、現地に来れた人のみの提供となります。ダンジョン内ではそもそもお金すら取りませんから。その場で捌いてみんなで食う趣旨でやってます。ご理解ください」
「そうだぜー? この番組の趣旨はオレとポンちゃんがダンジョン内で飲み食いしながら再喝するシーンを切り取ってるもんだ。店そのものは売り上げより、ポンちゃんのやりたい調理を増やすのが目的だ。配信だっていまだに投げゼニ機能追加してねーしな」
そういやそうだった。配信そのものはヨッちゃんの投資によって行われてるんだった。すっかり忘れてたぜ。
<コメント>
:そうじゃん
:俺らポンちゃんに無理強いできる立場じゃないやん
:金も出してないやつのクレクレ多すぎよな
:金は出すぞ?
:金じゃなくて食材もってこいがこの店のルールだから
:探索者優遇がすぎる!
:普段がダンジョン内営業だから、ファンサで外来てるんやで
:そうだった
:ダンチューバーとしてそれはありなの?
:なしだったら俺らの食うチャンスが消えるやろうが!
:お前の疑問で俺たちの楽しみ奪うな!
:すんません
:日本人に食い物ネタで脅すのは=死だからな
:食い物の恨みは怖い
「キュ(なんじゃ? 一方的な送信なら妾を頼らんかい。こっちはエネルギーが有り余っておるんじゃ)」
俺たちの前に立ちはだかる問題をなんとも無しに一瞥し、自分なら解決できるとオリンが躍り出る。
可能なのか? と問えば無論と返ってくる頼もしさ。
一度通ったことのあるダンジョン支部に限定されるが、一方的に送り付けることは可能になることだけはわかった。
その際、量は関係なく。ゲートを開けるのにエネルギーが必要だと言われた。
なお、一度開けるのに消費は500と言われた。
これはBランクモンスターをその場で一体加工する際に発生するエネルギーと同等。
有り余ってると表現するオリン曰く、1万件消化してもお釣りが出るらしい。
なお、俺たちの通った支部は限られてるので、そのうち全国に顔を出すことになるのだろうな。
それは楽しみであると同時に優先順位的にはだいぶ後になりそうだ。
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