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五章 ゴミ拾いともふもふファミリー
54 等身大ぬいぐるみ
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分体から取れる毛で、編み物をしてると兄さんから声をかけられる。
もふもふカフェの目玉というか、また来てくださいと帰り際に手渡そうと思って作ってたら「いくらだ?」と聞かれた。
「流石にお金は取れないよ。僕の趣味みたいなものだよ?」
「甘いなルーク。いいか、人ってもんは実態がないものに金を使うもんだ」
「例えば?」
「実際に付き合える訳でもないのに飯を奢ったりするだろう?」
「成功したの?」
「メッシー君扱いで終わったな」
「それが僕のぬいぐるみと関係あるの?」
「あるだろう、町中の女子達が今やロキやソニンに夢中だ」
「全員じゃないでしょ」
「だが知らない奴はいないくらいには人気だろ?」
「まぁ、それは確かに」
何を言いたいのかまるで分からない。
「だからこう言って売りつけるんだ。このぬいぐるみを持って女の子とランチするときに、ここの常連アピールすれば話が弾むぞって」
「弾むかなぁ?」
トラネとかはプロフェンにベッタリで会話どころじゃないし。
「いいかルーク、実際に弾ませなくてもいいんだ」
「それ、騙してることにならない? それにお付き合い目的で集まられても嫌だな」
「まぁ、これはただの例えだが。そうやって価値をつけることで捨てるだけの抜け毛を編んだぬいぐるみでも売れるようになるんだ。それにソニンと一緒にいたいって奴は多いぜ?」
「キサムが怒りそう」
「だが実際に飼うのは大変だろう?」
「だからぬいぐるみ?」
「そうだ。一緒に居たい気持ちになれるし、もう一回り大きめなのも作ってみたらどうだ? ミキリーとか売出しに協力してくれると思うぞ?」
兄さんから熱心に語られ、実際に売るかどうかはともかく今までの手乗りサイズだけじゃなく、伸縮状態のロキ達の等身大ぬいぐるみもつくってみようと考えた。
翌日、いつものエントランスにいくつか等身大ぬいぐるみを置くと、
「おはようソニン。今日は体調悪いのか? いつもみたいに鳴かないな。おい、ルーク大変だ、ソニンが息してない!」
キサムが間違えて抱き抱え、病気じゃないかって顔面蒼白にしながら聞いてきた。
「ぬいぐるみ? びっくりした。質感がそっくりで重さも本物と変わらなかったぞ? まるで動かないし息しないから急に心配になったが、そうかぬいぐるみか」
「あはは、ごめんね、事前に言わなくて。本物と間違えないように腹巻きの色を変えておこうか?」
「そうしてくれ」
普段の分体の腹巻きはプリティなピンク色。
けれどぬいぐるみの方は赤、オレンジ、黄色、黒と様々なカラーバリエーションを増やした。
それを見たロキは『うぉお、なんだこいつすごく強そうだぜ!』と、黒い腹巻きをつけたロキぐるみに因縁をつけていた。
そんなに似てるかな?
「多分抜け毛を使ってるから匂いまでそっくりになるんじゃない? このプロフェンぐるみ、ひとつ欲しいわ。いくらで売る予定なの?」
いつも一緒にいる筈なのに、トラネは部屋に飾っておくと言って聞かなかった。
ちなみにこの家にはトラネとキサムの自室がある。
流石に寝る時まで一緒とはいかないが、部屋を出ればいつでも会えるのに、この食いつきは流石の僕でも想定してなかった。
「どれくらいの値段にするかはまだ考えてないんだよね。兄さんは売れるって言ってたけど、結構重いし、場所取るじゃない?」
「あたしなら5000ゼニスは出すわ!」
そのお金稼ぐのにクエスト何回こなすと思ってるの?
僕にとっても大金だし、彼女にとっても大金の筈なのに惜しげも無くその金額を投資するというのだから世の中わからない。
「キサムはどう?」
「流石に5000はきついな……いや、6000出す」
ソニンぐるみと目があって、秒で考えを改めるキサム。
それを冷ややかな目で見るのはインフィだ。
「あんたら朝から暇を持て余してるのね。ぬいぐるみ? こんなの荷物になるだけでしょ? それに本物と一緒に暮らしてるのにぬいぐるみに頼るの?」
理解できないって顔。まぁ九尾はものを持たない主義だしね。
「ぬいぐるみには本物とは違う魅力があるんですー。インフィのばか」
「誰が馬鹿ですって? ルエンザ、あんたはあたしのお世話があれば十分よね?」
『ずっと顔を突き合わせてるのは暑苦しいからたまには息抜きしたいわね。そういう時、ぬいぐるみがあったほうが楽できるわ』
意外と辛辣な返事。もっと姉妹仲はいいものだと思っていたのに、どうも人の姿を得てから可愛がりがすぎるらしい。
インフィはムキィーと頭を掻きむしって、ルエンザぐるみの購入を決意した。
お世話熱は僕の想像を絶するようだ。
リアルプロフェンはトラネに振り回されてややぐったりしている。ロキもそう思ってるのかなと聞いてみたら。
『俺はそんなやわな鍛え方してないからな!』
と言っていたので今日は伸縮だけした本物の時に出勤してもらったところ、
『俺が間違ってた。人間こわい、人間こわい』
すっかり震えていたのでもふもふカフェのスタッフは当分僕の分体任せになりそうだ。
なお等身大ぬいぐるみは飛ぶように売れた。
もふもふカフェの目玉というか、また来てくださいと帰り際に手渡そうと思って作ってたら「いくらだ?」と聞かれた。
「流石にお金は取れないよ。僕の趣味みたいなものだよ?」
「甘いなルーク。いいか、人ってもんは実態がないものに金を使うもんだ」
「例えば?」
「実際に付き合える訳でもないのに飯を奢ったりするだろう?」
「成功したの?」
「メッシー君扱いで終わったな」
「それが僕のぬいぐるみと関係あるの?」
「あるだろう、町中の女子達が今やロキやソニンに夢中だ」
「全員じゃないでしょ」
「だが知らない奴はいないくらいには人気だろ?」
「まぁ、それは確かに」
何を言いたいのかまるで分からない。
「だからこう言って売りつけるんだ。このぬいぐるみを持って女の子とランチするときに、ここの常連アピールすれば話が弾むぞって」
「弾むかなぁ?」
トラネとかはプロフェンにベッタリで会話どころじゃないし。
「いいかルーク、実際に弾ませなくてもいいんだ」
「それ、騙してることにならない? それにお付き合い目的で集まられても嫌だな」
「まぁ、これはただの例えだが。そうやって価値をつけることで捨てるだけの抜け毛を編んだぬいぐるみでも売れるようになるんだ。それにソニンと一緒にいたいって奴は多いぜ?」
「キサムが怒りそう」
「だが実際に飼うのは大変だろう?」
「だからぬいぐるみ?」
「そうだ。一緒に居たい気持ちになれるし、もう一回り大きめなのも作ってみたらどうだ? ミキリーとか売出しに協力してくれると思うぞ?」
兄さんから熱心に語られ、実際に売るかどうかはともかく今までの手乗りサイズだけじゃなく、伸縮状態のロキ達の等身大ぬいぐるみもつくってみようと考えた。
翌日、いつものエントランスにいくつか等身大ぬいぐるみを置くと、
「おはようソニン。今日は体調悪いのか? いつもみたいに鳴かないな。おい、ルーク大変だ、ソニンが息してない!」
キサムが間違えて抱き抱え、病気じゃないかって顔面蒼白にしながら聞いてきた。
「ぬいぐるみ? びっくりした。質感がそっくりで重さも本物と変わらなかったぞ? まるで動かないし息しないから急に心配になったが、そうかぬいぐるみか」
「あはは、ごめんね、事前に言わなくて。本物と間違えないように腹巻きの色を変えておこうか?」
「そうしてくれ」
普段の分体の腹巻きはプリティなピンク色。
けれどぬいぐるみの方は赤、オレンジ、黄色、黒と様々なカラーバリエーションを増やした。
それを見たロキは『うぉお、なんだこいつすごく強そうだぜ!』と、黒い腹巻きをつけたロキぐるみに因縁をつけていた。
そんなに似てるかな?
「多分抜け毛を使ってるから匂いまでそっくりになるんじゃない? このプロフェンぐるみ、ひとつ欲しいわ。いくらで売る予定なの?」
いつも一緒にいる筈なのに、トラネは部屋に飾っておくと言って聞かなかった。
ちなみにこの家にはトラネとキサムの自室がある。
流石に寝る時まで一緒とはいかないが、部屋を出ればいつでも会えるのに、この食いつきは流石の僕でも想定してなかった。
「どれくらいの値段にするかはまだ考えてないんだよね。兄さんは売れるって言ってたけど、結構重いし、場所取るじゃない?」
「あたしなら5000ゼニスは出すわ!」
そのお金稼ぐのにクエスト何回こなすと思ってるの?
僕にとっても大金だし、彼女にとっても大金の筈なのに惜しげも無くその金額を投資するというのだから世の中わからない。
「キサムはどう?」
「流石に5000はきついな……いや、6000出す」
ソニンぐるみと目があって、秒で考えを改めるキサム。
それを冷ややかな目で見るのはインフィだ。
「あんたら朝から暇を持て余してるのね。ぬいぐるみ? こんなの荷物になるだけでしょ? それに本物と一緒に暮らしてるのにぬいぐるみに頼るの?」
理解できないって顔。まぁ九尾はものを持たない主義だしね。
「ぬいぐるみには本物とは違う魅力があるんですー。インフィのばか」
「誰が馬鹿ですって? ルエンザ、あんたはあたしのお世話があれば十分よね?」
『ずっと顔を突き合わせてるのは暑苦しいからたまには息抜きしたいわね。そういう時、ぬいぐるみがあったほうが楽できるわ』
意外と辛辣な返事。もっと姉妹仲はいいものだと思っていたのに、どうも人の姿を得てから可愛がりがすぎるらしい。
インフィはムキィーと頭を掻きむしって、ルエンザぐるみの購入を決意した。
お世話熱は僕の想像を絶するようだ。
リアルプロフェンはトラネに振り回されてややぐったりしている。ロキもそう思ってるのかなと聞いてみたら。
『俺はそんなやわな鍛え方してないからな!』
と言っていたので今日は伸縮だけした本物の時に出勤してもらったところ、
『俺が間違ってた。人間こわい、人間こわい』
すっかり震えていたのでもふもふカフェのスタッフは当分僕の分体任せになりそうだ。
なお等身大ぬいぐるみは飛ぶように売れた。
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