異世界に転生してもゲイだった俺、この世界でも隠しつつ推しを眺めながら生きていきます~推しが婚約したら、出家(自由に生きる)します~

kurimomo

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第二章 初学院編

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八歳になる年の三月。つまり、家族が再び王都に向けて出発する季節。俺は再び体調を崩して………いなかった! 

何ということでしょう。俺は遂に、負の呪縛から解放されたのだ! 思い返すと、この腕時計のおかげだ。この腕時計をつけてからというもの、体調を崩したことがないのだ。これも、キルのおかげか………。プラシーボ効果が働いたのかもしれないが、何でもいい! これで俺も、魔力判定を受けることができる!


「アース、体の調子がよさそうで何よりだよ。私は本当にうれしいよ。」
「ええ、本当にね。アースがようやく元気になって、私は本当にうれしいです。私たちがふがいないばかりに、あなたには辛い思いをさせてしまいましたね。本当にごめんなさい。」


「父上、母上、私はお二人のもとに生まれることができて本当によかったと思っています。私は父上と母上のことが大好きですよ。私の方こそ、病弱な私を見捨てずにいてくださって本当にありがとうございます。」



俺がそういうと、二人は俺を抱きしめてくれた。そして兄上が、馬車の準備ができたと報告するついでに俺のことを抱きしめてくれた。


そうして俺は、初の馬車に乗り込んだ。兄上が自分の膝の上に乗ってほしと言ってきたが、危なそうなので隣に座ることで我慢してもらった。


「アース、最近嬉しそうだけど、何かいいことがあったのかい?」

「そうですね、嬉しいことというか、お守りが手に入ったのですよ。そのお陰で、体調がよくなった気がします!」

「どんなお守り何だい? よければ僕からも何か贈りたいのだけど………。」

「兄上からは十分にお土産などをいただいていますよ。そういえば、兄上の噂を小耳にはさんだのですが、兄上はたいそう成績がいいようですね。流石兄上です!」


「大したことはないよ。ただちょっと、貴族院の入試範囲の学習をすでに終えているというだけだよ。」


貴族院の入試まであと数年あるはずだが、既に終わってるとは十分に優秀ですよ………。俺なんか、まだあの教科書の王の名前や領地の位置や名前が不安なのに………。


「僕よりも優秀なお方がいるからね。僕は剣術が得意だけど、あの方には勝てる気がしないね。」

「すごい方ですね! 兄上が「お方」と呼ぶということは、相当地位の高い方なのですか?」


「そうだね、第一王子殿下だよ。僕は第一王子殿下の側近を務めているんだよ。アース初学院に入学したら、紹介しようと思っていたんだ。」


へ? 兄上が第一王子殿下の側近………? それってかなり優秀なのでは、というか初耳ですよ! いや、俺を紹介するって? 確かに王族の方を見てみたいとは思っていたけど、実際会うとなると話は別だ。


「殿下は以前は俺のアース話を聞くふりしていただけだったのに、いつからか突然僕の話を熱心に聞くようになったんだよ。少し暑苦しい方だけど、最近は弟殿下とも仲良くやってるみたいで、同士ができた感じだよ。」


待って、アース話って何? 兄上、第一王子殿下に何を吹き込んでいるんだ? アース話が印象的過ぎて、他の話が耳に入ってこなかったよ………。






――






そうして、二週間ほどかけて王都までやってきた。辺境伯領ということで、やはり、王都までかなり距離があったようだ。まあ地理の教科書で見ていたから、なんとなく覚悟はしていたけど………。だけど、兄上との話は面白く、勉強にも付き合ってくれた。なぜなら俺には、編入試験があるからだ。魔力判定後編入試験を受けて、その結果によって三年次に編入できるか、一年次として入学するかが決まる。流石に、二個下と一緒に授業を受けるのはきついものがあるので、是が非でも三年次に編入したい。





俺たちは王都にある辺境伯の屋敷へとやってきた。辺境伯領の別荘とは趣が異なって、新鮮で楽しい。今日は休んで、明後日教会に行くと言われた。さて、何属性なのか楽しみである。

この世界には、火・水・土・風・光の五大属性がある。それに付随しての派生属性や、その属性にも分るできない無属性がある。貴族はほとんどが一つの属性のみを持っており、複数属性持ちはまれである。さらに無属性ともなると、本当に少ないそうだ。俺の希望としては、応用が利きそうな水がいいかな。あとは転生チートで空間属性とかあったら、馬車の移動が楽になってうれしいな。






――







俺たちは教会にやってきた。魔力判定は一斉に受けるという通例があるため、俺は二つ下の子供たちと一緒に魔力判定を受ける。子供たちは大部屋に通されて、今は司教様の聖典のお話を聞いている。飽きるかと思ったけど、意外にも異世界の宗教の話は興味深く楽しかった。


そしていよいよ魔力判定の時間となった。全員に石板が配られており、その石板にいろいろな情報が浮かび上がるらしい。ここからは、個別の部屋で一人ずつが順に魔力判定を受けるらしい。貴族ということで身分順であるから、俺の順番は真ん中より少し早いくらいだろう。気長に待つとしようか。






遂に俺の順番が来た。小部屋に通されるとそこには、大きな像があった。おそらくこの像にむかって祈りをささげてることによって、魔力判別を行うのだろう。像の前には、豪華な台座があった。


「では、アース・ジーマル様。そちらの台座に石板を置き、祈りをささげてください。」


俺は司教の言葉に従って、祈りをささげた。とりあえず、俺をこの世界に転生させてくれたことへの感謝をしよう。神違いかもしれないけど、一応伝えておきたい。それからできれば水属性も欲しいことを伝えた。少し図々しかっただろうか?

すると、石板が光り輝き、文字が浮かび上がっていった。属性や魔力量は個人情報のため、この石板には情報を隠す機能がついているらしい。俺はすぐに浮かび上がった文字を隠し、司教に礼を言って家族の元へと戻った。この後は記念パーティーがあるようだったけど俺は体調を憂慮し、また、二個下の子たちとの交流には気が乗らなかったので不参加を決めた。

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