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第二章 初学院編
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次の日。今日はカーナイト様との訓練の日だ。俺は朝にも風呂に入る派だけど、ローウェルもジールも朝シャンをするタイプのようだ。この世界の貴族にとっては常識なのだろうか? ジールは髪を濡らしたままそこら辺を歩くことはしなくなり、しっかりと乾かしているようだった。素晴らしい一歩であるが、俺がタオルを持っているとさりげなく逃げるようになった。
「それでは夏休み中の課題を提示します。まずは各人の強みを自身で把握できているか確認しましょう。最初にジール、お前はどう考えている?」
「俺の強み………。うーん、ないッスね。師匠や兄上と違って、俺は転移魔法を使えないッスから。」
ジールはそういうと、悲しさを晴らすように苦笑いをした。転移魔法を授かることができなかったことについて、もしかしたら昔からコンプレックスを抱えていたのかもしれない。だけど、ジールは………。
「まだそんなことを言っているのか? だからお前はいつまでたっても、原石のままなのだ。………アース様はジールについてどのようにお考えですか?」
ここで俺に意見を求めてくるのか………。自分だけでなく、仲間の能力もしっかり把握できているかという質問なのかもしれない。
まずはジールについておさらいだ。属性は単属性だけど、結構珍しい木属性を持っている。さらに魔力量は俺が異常すぎるだけで、周りと比べると高い量を誇っている。それから、魔力の扱いは繊細で器用だ。転移魔法が使えないことに意識がとらわれているようだけど、高いポテンシャルを持っているのは間違いない。
「木属性という稀有な属性に加えて、魔力量も常人よりはるかに多いのにもかかわらず、ジールは自身を過小評価していると考えます。魔法において有形の魔法、例えば氷や木などは無形の水や火に比べてガードすることが難しいです。ということは反対に防御力も優れていると思います。さらに木属性は使用者の力量によっていかようにも速さや形、量などを変えることができるため奇襲や裏をかくことなどにも優れている万能の属性だと思います。味方にいれば心強いですね。」
俺がそういうと、カーナイト様は鷹揚に頷いた。ジールは若干照れくさそうな、不貞腐れたような表情をして俯いていた。
「仲間のことを良く見ていますね。私も同感なのですが、ジールは昔から転移魔法が使えないからと口にしていたのですよ。木属性という万能の属性と魔力量を持ち合わせているというのに………。」
カーナイト様はそういうと、目を細めてジールを見つめた。昔から何度もそう口にしていたのなら、カーナイト様もじれったいというか少々の怒りを感じていたのかもしれない。
「だ、だって周りがすごい人ばかりッスから、自信なんて持てないッスよ………。勝てるイメージなんかもできないッスよ。」
「初級魔法しか使えない今は、勝つイメージができないのは当たり前だ。自身の強みを理解し、中級以上を使用できるようになる貴族院に備えて基礎力を付けろと私は言っているんだ。それから、すごい人ばかりとは何事だ。お前は私たちを超えていき、そして殿下を守る立場だろう? 何よりも、私たちよりも強い敵が現れたらどうするつもりなんだ?」
うーん、結構厳しいな………。だけど、カーナイト様のおっしゃることはもっともだ。カーナイト様もこの機会にガッツリと言っておきたいのであろう。ただ、魔導士団長の家系で育ったジールの気持ちもわかるのも事実だ。ジールも参っているみたいだし、ここは助け舟を出したい。
「カーナイト様、割り込み失礼いたします。カーナイト様、ジールはこれからかならず強くなりますよ! 殿下とも約束しましたし、私とも強くなろうと約束しました。………それからジール、前に俺たちで魔導士最強の世代になろうと言ったの覚えてる? あれをね、俺さ目指したいんだ。ジールはあの時、荒唐無稽な話じゃないと言ってくれたよね? ………だから一緒に頑張ろう、ジール。」
俺がそういうと、ジールは顔に手を当て天を仰いだ。そして、大きく息を吐いた。
「………俺、かっこ悪いッスね。アースが側近になってくれて、安心して、俺は自分なりに頑張ろうと今までは思っていたッスけど、甘かったみたいッスね。………わかったッスよ、俺も一緒に最強の世代を目指すッス。………ただ、やるからにはアースにも負けるつもりはないッス。最強の世代の中の最強は俺だと言わせてみせるッスよ。」
ジールはそういうと、いつものかっこかわいい笑顔ではなく、真剣な眼差しで俺のことを見つめた。魔導士仲間であり、ライバルというわけか………。俺も望むところだ。
「ライバルがいた方が張り合いがあるからね。もちろん、俺も負けるつもりはないよ。」
俺がそういうと、ジールは手を差し出した。俺はもちろん、差し出された手を握り返した。すると、カーナイト様が静かに笑った。
「私たち一族は、アース様に救われてばかりですね。それからジール、高め合えるライバルは大切にしなさい。私やサールは、そういう相手に巡りあうことはできなかった。………まあ、もう一人いるようですけどまだその時ではないようですね。」
え、もう一人って誰のことだろう?
ジールの方を見てみたけど、ジールも首をかしげていた。カーナイト様の方を見ると静かにほほ笑んでいた。うーんこれは、聞いても話してくれない構えらしい。まだその時ではないと言っていたから、その時が来れば教えてくれるのかな………。
「それでは夏休み中の課題を提示します。まずは各人の強みを自身で把握できているか確認しましょう。最初にジール、お前はどう考えている?」
「俺の強み………。うーん、ないッスね。師匠や兄上と違って、俺は転移魔法を使えないッスから。」
ジールはそういうと、悲しさを晴らすように苦笑いをした。転移魔法を授かることができなかったことについて、もしかしたら昔からコンプレックスを抱えていたのかもしれない。だけど、ジールは………。
「まだそんなことを言っているのか? だからお前はいつまでたっても、原石のままなのだ。………アース様はジールについてどのようにお考えですか?」
ここで俺に意見を求めてくるのか………。自分だけでなく、仲間の能力もしっかり把握できているかという質問なのかもしれない。
まずはジールについておさらいだ。属性は単属性だけど、結構珍しい木属性を持っている。さらに魔力量は俺が異常すぎるだけで、周りと比べると高い量を誇っている。それから、魔力の扱いは繊細で器用だ。転移魔法が使えないことに意識がとらわれているようだけど、高いポテンシャルを持っているのは間違いない。
「木属性という稀有な属性に加えて、魔力量も常人よりはるかに多いのにもかかわらず、ジールは自身を過小評価していると考えます。魔法において有形の魔法、例えば氷や木などは無形の水や火に比べてガードすることが難しいです。ということは反対に防御力も優れていると思います。さらに木属性は使用者の力量によっていかようにも速さや形、量などを変えることができるため奇襲や裏をかくことなどにも優れている万能の属性だと思います。味方にいれば心強いですね。」
俺がそういうと、カーナイト様は鷹揚に頷いた。ジールは若干照れくさそうな、不貞腐れたような表情をして俯いていた。
「仲間のことを良く見ていますね。私も同感なのですが、ジールは昔から転移魔法が使えないからと口にしていたのですよ。木属性という万能の属性と魔力量を持ち合わせているというのに………。」
カーナイト様はそういうと、目を細めてジールを見つめた。昔から何度もそう口にしていたのなら、カーナイト様もじれったいというか少々の怒りを感じていたのかもしれない。
「だ、だって周りがすごい人ばかりッスから、自信なんて持てないッスよ………。勝てるイメージなんかもできないッスよ。」
「初級魔法しか使えない今は、勝つイメージができないのは当たり前だ。自身の強みを理解し、中級以上を使用できるようになる貴族院に備えて基礎力を付けろと私は言っているんだ。それから、すごい人ばかりとは何事だ。お前は私たちを超えていき、そして殿下を守る立場だろう? 何よりも、私たちよりも強い敵が現れたらどうするつもりなんだ?」
うーん、結構厳しいな………。だけど、カーナイト様のおっしゃることはもっともだ。カーナイト様もこの機会にガッツリと言っておきたいのであろう。ただ、魔導士団長の家系で育ったジールの気持ちもわかるのも事実だ。ジールも参っているみたいだし、ここは助け舟を出したい。
「カーナイト様、割り込み失礼いたします。カーナイト様、ジールはこれからかならず強くなりますよ! 殿下とも約束しましたし、私とも強くなろうと約束しました。………それからジール、前に俺たちで魔導士最強の世代になろうと言ったの覚えてる? あれをね、俺さ目指したいんだ。ジールはあの時、荒唐無稽な話じゃないと言ってくれたよね? ………だから一緒に頑張ろう、ジール。」
俺がそういうと、ジールは顔に手を当て天を仰いだ。そして、大きく息を吐いた。
「………俺、かっこ悪いッスね。アースが側近になってくれて、安心して、俺は自分なりに頑張ろうと今までは思っていたッスけど、甘かったみたいッスね。………わかったッスよ、俺も一緒に最強の世代を目指すッス。………ただ、やるからにはアースにも負けるつもりはないッス。最強の世代の中の最強は俺だと言わせてみせるッスよ。」
ジールはそういうと、いつものかっこかわいい笑顔ではなく、真剣な眼差しで俺のことを見つめた。魔導士仲間であり、ライバルというわけか………。俺も望むところだ。
「ライバルがいた方が張り合いがあるからね。もちろん、俺も負けるつもりはないよ。」
俺がそういうと、ジールは手を差し出した。俺はもちろん、差し出された手を握り返した。すると、カーナイト様が静かに笑った。
「私たち一族は、アース様に救われてばかりですね。それからジール、高め合えるライバルは大切にしなさい。私やサールは、そういう相手に巡りあうことはできなかった。………まあ、もう一人いるようですけどまだその時ではないようですね。」
え、もう一人って誰のことだろう?
ジールの方を見てみたけど、ジールも首をかしげていた。カーナイト様の方を見ると静かにほほ笑んでいた。うーんこれは、聞いても話してくれない構えらしい。まだその時ではないと言っていたから、その時が来れば教えてくれるのかな………。
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