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第二章 初学院編
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よくわからないけど、まあいいとしよう。それよりも、キルの様子が気になるな。寝てないし、食事もとっていないから具合が悪いのかな……。
「キル、具合わるい? 大丈夫?」
「だ、大丈夫だ。」
キルがそういうなら……。俺たちは手を合わせて、各々食事を取り出した。
この卵スープ、体に染み渡るな。身体が栄養を欲しているのがわかる。
あ、そうだ。食事を摂ることも重要だが、食事の間に色々と聞きたいことがある。俺が何を召喚したのかや、あの猿がどうなったのか、そしてキルたちがどのように王都までやってきたのかなど聞きたい事はたくさんある。最初に何を聞こうかな。
「で、殿下……。どうなさいましたか?」
キースの困惑した声に驚いてキルの方をみてみると、そこには食事をとりながら大粒の涙を流しているキルの姿があった。
そこで俺は、悟った。キルは、俺なんかよりもよほど大きな傷を負ってしまっているかもしれないことに。そう、心の傷を。
目の前で自分の側近が死にかけたのだ。キルの身近な存在である側近の俺が死にかけたことによって、ヴィーナ様のことがフラッシュバックしてもなんらおかしくはない。呑気に食事なんかしている場合ではなかったのだ。キルと、しっかり話をしなければならなかった。
……俺は、無神経すぎるな。
「キル、ごめんね。食事よりも、主のキルと話をする方が先だったね。本当にごめんね。」
俺がそういうと、キルは袖で目元を擦りながら首を振った。
「いや、アースが謝る事は何もないんだ。俺が、俺が悪いんだ。」
いや、キルが悪いことなんて何もないんだ。色々俺の配慮が足りていなかったし、それにあんな猿に遅れをとった俺たち側近が未熟だったことが原因だ。俺が再び口を開こうとすると、ローウェルが席を立った。
「あー、話をさえぎってすみません。俺たちは少し席を外しますんで、2人でしっかりといろいろな話をしてください。」
「いやローウェル、それでいいんッスか? 俺たちが説明で必要な時もあると思うッスけど……」
「後で、補足すればいいんだよ。今は2人で話す時間が必要だ。いいから行くぞ、ジール。キースもさっさと立て。」
ローウェルはそういうと、2人を連れて部屋から出て行ってしまった。その際に小声で、「今は、主の話をしっかりと聞いてやれよ(小声)。」と一言いってくれた。
ありがとう、ローウェル。
ーー
話を聞くか……。確かに、俺がいちいち言い返すよりも、キルにすべてを吐き出してもらった方がいいかもしれない。細かい反省等は、みんながもどってきてからやればそれでいい。
「キル、話せそう?」
キルは、目元を腕で覆ったまま動かないでいた。どうしよう、どうすればいいかな……。そうだ、こういう時こそ頭を撫でよう。俺は両手を広げて、キルに呼びかけた。キルは赤く潤んだ目で俺のことを確認した後、ゆっくりと頭を俺の左肩に預けた。俺はすぐに、キルの頭と背中をさすった。
「よ、よかった……。本当に良かった。アースが生きててくれて、本当によかった。俺、本当に怖かったんだ……。」
「うん、ごめんね。ずっとついてくれてたんだよね、守ってくれたんだよね、本当にありがとう。」
「お礼なんて……。くっ……本当に、生きててよかった。」
「うん……。キル、我慢しなくていいよ。俺しか今はいないから。俺が倒れてからずっと、気を張っていたんだよね。だから、少しでいいから気を抜いてほしいな。」
キルはずっと、泣き喚きたいのを我慢しているように思える。そうしたいのを、ここまでずっと我慢していたのだろう。俺には、ずべてを受け入れる責任があるんだ。
俺がそういうと、キルは俺の事を強く抱きしめた後に、激しく泣いた。声は抑えているようだけど、それでもこちらも泣き出してしまうくらいにキルは泣いた。俺はキルに対して、謝罪と感謝の言葉を繰り返し伝えながら、背中をさすり続けた。
ーー
10数分ほど泣くと、キルはそのまま深い眠りについてしまった。以前王族だからという理由で、眠っていても何かされそうになったらすぐに気がつくといっていたけど、今回は何をしても起きそうにないくらいよく眠っている。まあ、無理もないか。二週間もまともに眠っていないのだから、いくら王族といえども身体が限界を迎えていたのだろう。俺が目をさましたことによって、あの時の場面の悪夢をみなくなればいいんだけどな。これから、俺が元気な姿を見せ続けて、キルを安心させられるようにならなければいけないな。
俺は、俺の肩で眠っているキルをなんとか俺の隣に寝かせた。今日はもう、このまま俺の隣で眠ってもらおうか。移動させても起きなさうだけど、もう夜も遅いしこのまま寝かせておきたいのだ。
すると、扉がゆっくりと開いて、側近のみんなが様子を伺うようにこっそりと戻って来た。タイミングがバッチリなので、監視カメラか何かがつけられているのではないかと疑ってしまうな。
「殿下は眠ったのか?」
「うん、キース。ちょっとやそっとのことでは起きなそうにないくらい、よく寝ているよ。」
「そうか、よかった。この二週間の間、殿下はほとんど寝ていないんだ。これで、殿下も元通り元気になってくれればいいけどな。」
「うん、そうだね。あ、みんなごめんね。食事の途中だったよね。もう夜遅いけど、食べられそう?」
俺がそういうと、三人は首を横に振った。ジールがいうには、部屋を出た後に別室で軽く食べたらしい。夜も遅いということで、少し経緯を説明した後に眠ることになった。
少しの会話で、ローウェルが今までのことを要領よく話してくれた。俺が召喚した何かのこと、テレシー侯爵領まで走って向かったこと、ジールの木属性の万能さが大活躍だったこと、そしてマリア様の兄のグート様が助力してくださったこと。あらかた、今までの事情を聞くことができた。
さてと、明日からは忙しくなりそうだ。召喚した何かのことはもちろんだけど、数日前にスタンピードが終わったらしい。色々と、長い1日になりそうだな。
「キル、具合わるい? 大丈夫?」
「だ、大丈夫だ。」
キルがそういうなら……。俺たちは手を合わせて、各々食事を取り出した。
この卵スープ、体に染み渡るな。身体が栄養を欲しているのがわかる。
あ、そうだ。食事を摂ることも重要だが、食事の間に色々と聞きたいことがある。俺が何を召喚したのかや、あの猿がどうなったのか、そしてキルたちがどのように王都までやってきたのかなど聞きたい事はたくさんある。最初に何を聞こうかな。
「で、殿下……。どうなさいましたか?」
キースの困惑した声に驚いてキルの方をみてみると、そこには食事をとりながら大粒の涙を流しているキルの姿があった。
そこで俺は、悟った。キルは、俺なんかよりもよほど大きな傷を負ってしまっているかもしれないことに。そう、心の傷を。
目の前で自分の側近が死にかけたのだ。キルの身近な存在である側近の俺が死にかけたことによって、ヴィーナ様のことがフラッシュバックしてもなんらおかしくはない。呑気に食事なんかしている場合ではなかったのだ。キルと、しっかり話をしなければならなかった。
……俺は、無神経すぎるな。
「キル、ごめんね。食事よりも、主のキルと話をする方が先だったね。本当にごめんね。」
俺がそういうと、キルは袖で目元を擦りながら首を振った。
「いや、アースが謝る事は何もないんだ。俺が、俺が悪いんだ。」
いや、キルが悪いことなんて何もないんだ。色々俺の配慮が足りていなかったし、それにあんな猿に遅れをとった俺たち側近が未熟だったことが原因だ。俺が再び口を開こうとすると、ローウェルが席を立った。
「あー、話をさえぎってすみません。俺たちは少し席を外しますんで、2人でしっかりといろいろな話をしてください。」
「いやローウェル、それでいいんッスか? 俺たちが説明で必要な時もあると思うッスけど……」
「後で、補足すればいいんだよ。今は2人で話す時間が必要だ。いいから行くぞ、ジール。キースもさっさと立て。」
ローウェルはそういうと、2人を連れて部屋から出て行ってしまった。その際に小声で、「今は、主の話をしっかりと聞いてやれよ(小声)。」と一言いってくれた。
ありがとう、ローウェル。
ーー
話を聞くか……。確かに、俺がいちいち言い返すよりも、キルにすべてを吐き出してもらった方がいいかもしれない。細かい反省等は、みんながもどってきてからやればそれでいい。
「キル、話せそう?」
キルは、目元を腕で覆ったまま動かないでいた。どうしよう、どうすればいいかな……。そうだ、こういう時こそ頭を撫でよう。俺は両手を広げて、キルに呼びかけた。キルは赤く潤んだ目で俺のことを確認した後、ゆっくりと頭を俺の左肩に預けた。俺はすぐに、キルの頭と背中をさすった。
「よ、よかった……。本当に良かった。アースが生きててくれて、本当によかった。俺、本当に怖かったんだ……。」
「うん、ごめんね。ずっとついてくれてたんだよね、守ってくれたんだよね、本当にありがとう。」
「お礼なんて……。くっ……本当に、生きててよかった。」
「うん……。キル、我慢しなくていいよ。俺しか今はいないから。俺が倒れてからずっと、気を張っていたんだよね。だから、少しでいいから気を抜いてほしいな。」
キルはずっと、泣き喚きたいのを我慢しているように思える。そうしたいのを、ここまでずっと我慢していたのだろう。俺には、ずべてを受け入れる責任があるんだ。
俺がそういうと、キルは俺の事を強く抱きしめた後に、激しく泣いた。声は抑えているようだけど、それでもこちらも泣き出してしまうくらいにキルは泣いた。俺はキルに対して、謝罪と感謝の言葉を繰り返し伝えながら、背中をさすり続けた。
ーー
10数分ほど泣くと、キルはそのまま深い眠りについてしまった。以前王族だからという理由で、眠っていても何かされそうになったらすぐに気がつくといっていたけど、今回は何をしても起きそうにないくらいよく眠っている。まあ、無理もないか。二週間もまともに眠っていないのだから、いくら王族といえども身体が限界を迎えていたのだろう。俺が目をさましたことによって、あの時の場面の悪夢をみなくなればいいんだけどな。これから、俺が元気な姿を見せ続けて、キルを安心させられるようにならなければいけないな。
俺は、俺の肩で眠っているキルをなんとか俺の隣に寝かせた。今日はもう、このまま俺の隣で眠ってもらおうか。移動させても起きなさうだけど、もう夜も遅いしこのまま寝かせておきたいのだ。
すると、扉がゆっくりと開いて、側近のみんなが様子を伺うようにこっそりと戻って来た。タイミングがバッチリなので、監視カメラか何かがつけられているのではないかと疑ってしまうな。
「殿下は眠ったのか?」
「うん、キース。ちょっとやそっとのことでは起きなそうにないくらい、よく寝ているよ。」
「そうか、よかった。この二週間の間、殿下はほとんど寝ていないんだ。これで、殿下も元通り元気になってくれればいいけどな。」
「うん、そうだね。あ、みんなごめんね。食事の途中だったよね。もう夜遅いけど、食べられそう?」
俺がそういうと、三人は首を横に振った。ジールがいうには、部屋を出た後に別室で軽く食べたらしい。夜も遅いということで、少し経緯を説明した後に眠ることになった。
少しの会話で、ローウェルが今までのことを要領よく話してくれた。俺が召喚した何かのこと、テレシー侯爵領まで走って向かったこと、ジールの木属性の万能さが大活躍だったこと、そしてマリア様の兄のグート様が助力してくださったこと。あらかた、今までの事情を聞くことができた。
さてと、明日からは忙しくなりそうだ。召喚した何かのことはもちろんだけど、数日前にスタンピードが終わったらしい。色々と、長い1日になりそうだな。
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