異世界に転生してもゲイだった俺、この世界でも隠しつつ推しを眺めながら生きていきます~推しが婚約したら、出家(自由に生きる)します~

kurimomo

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第四章 人狼編

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「それでは報告を始めます。まず、結論から申しあげますと、3人に共通点はありませんでした。パーティーを組んでいるわけではなく、被害にあう前の行動もバラバラです。3人とも友人というほど深い付き合いではないですが、同じ地域で活動する者同士ということで顔見知りではあったようですが……。本当に、冒険者という共通点以外は何も……。」


騎士団員は苦い顔でそう言うと、悔しそうに項垂れてしまった。
3人もの被害者から事情が聞けたにもかかわらず、有力な手掛かりが得られなかったのだ。無理もない。


「シェールスティングレーについて、何か言っていませんでしたか?」


俺が毒に関して何か手掛かりがなかったか尋ねると、騎士団員は首を横に振った。


「そのような魔物は知らないと、3人とも申していました。」


「3人ともですか? 不勉強で申し訳ないのですが、冒険者というのは魔物に詳しいものではないのですか? いくら海から離れている地域とはいえ、各地で活動する冒険者がそろって知らないというのはおかしい気がするのですが……。」



俺がそういうと、ギルド長のフリーダが発言の許可を求めてきたので、俺は頷いて先を促した。


「恐れ入ります。冒険者といってもその活動は多岐にわたります。特に海に関する活動は、水上での活動になることが殆どです。泳ぎが不得意であったり、海中の魔物に攻撃するための手段を持っていなかったりと、適性がない冒険者がわざわざ海に関する依頼を受けないことは珍しくはないのです。……海での活動は本当に、何があるかわからないですからね。」


「なるほど、勉強になりました。……毒の話はおいておくとして、フリーダさんは被害に遭った冒険者について、何か気になることはございませんか。」


俺が毒から被害者の話に話題を移すと、アルフォンスさんから鋭い視線が飛んできた。
言いたいことはわかる。それは、回復魔導士として必要なことではない、といいたいのだろう。


「回復魔導士として、被害者の共通点を知ることで、迅速な対応することができるかもしれません。何か、少しでも気になることがあれば教えていただけますか?」


しっかりと、回復魔導士として尋ねることをアピールしておく。
アルフォンスさんは、ため息をついて諦めたように視線をフリーダさんに向けた。


「そうですね、ギルド長という立場から、当地域で活動する冒険者の情報はひととおり把握しておりますが……。亡くなった冒険者を含めて、中堅冒険者ということくらいしか、共通点は思い当たりません。」



中堅冒険者か……。その程度の共通点なら、とんでもない数の人が当てはまってしまう。そこから、今回の事件につなげることは難しいだろう。



「そうですか……。では、「シェールスティングレー」についてはいかがでしょうか? ここ最近、シェールスティングレーに関しての依頼とかはなかったですか? 」


「ここは海から離れた地域ですので、海に関する魔物の依頼といえば素材採集くらいですが、シェールスティングレーは特にこれといって活用手段はありません。また、私が知る範囲で、異常発生している等の情報はありません。素材にもならず、海底にいる小型の魔物ですので、依頼の内容となることはありませんね。」


シェールスティングレーの線から手掛かりを探すのも難しそうだ。本当に八方ふさがりのようだ。
俺はひとまず、フリーダにお礼を言った。



「それにしても、一般の冒険者がほとんど知らないような魔物の知識をご存じとは、流石はギルド長ですね。」


「恐れ入ります、アルフォンス様。ギルド長という役職柄、魔物に関してはひととおり知識を備えておりますので。」



静観の構えをとっていたアルフォンスさんが、にこやかに口を開いた。
もしかして、俺がいる手前この事件に関して情報収集ができなかっただけで、本当はアルフォンスさんも気になっているのかもしれない。この調子で、俺が調べても目を瞑ってもらえるとありがたい。


「ギルド長という役職に詳しくはないですが、ひととおり魔物の知識を入れることが義務なのでしょうか? 短期間で覚えられるような数ではないと思うのですが。」


「義務ではございませんが、わたくしが必要だと判断して知識を習得いたしました。」


「素晴らしい職業意識の高さと存じます。もしや、昔は冒険者として活動しておられたのでしょうか?」


「……なぜ、そのようなことが気になるのでしょうか?」


「深い意味はございません。職業意識の高いギルド長ならば、冒険者という活動を理解するために、自身が冒険者として活動したことがあるのではないかと単純に疑問に思っただけなのです。」



フリーダさんが不可解そうに首をかしげると、アルフォンスさんはにこやかに首を振った。

理由を聞いたフリーダさんは納得顔で、「わたくしは、冒険者として活動したことがございません。」と答えた。


そして少しの間雑談を交わした後に、報告会は終了となった。
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