異世界に転生してもゲイだった俺、この世界でも隠しつつ推しを眺めながら生きていきます~推しが婚約したら、出家(自由に生きる)します~

kurimomo

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第四章 人狼編

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「アルフォンスさん、あのギルド長について何か気になることがあるのですか?」


報告会が終わった後、俺はアルフォンスさんに気になっていたことを問いかけた。
アルフォンスさんにしては、やけにつっかかっていた気がしたからだ。


「いえ、特にそういうわけではありません。他のギルドでもギルド長を見たことがあるのですが、他の方々とは少し雰囲気が違っているなと感じただけなのです。」


「なるほど、そういうことでしたか。確かに私も、子育てを終えた貴族女性みたいだなとは感じていました。」


「いい表現ですね。私もそう思います。まあ、貴族階級の者がギルド長という役職についていることもありますので、あのギルド長だけが特別というわけではございません。…強いて言えば、被害者が冒険者だけど言うこともあり、ギルド長という立場のあの方が何か知っているのではないかと思ったのですが……。」


アルフォンスさんはそこまで言うと言葉を区切り、「これ以上は私たちの仕事ではないですね」といって、貴族スマイルをつくった。

職務に忠実で素晴らしい人だ。


「私はアルベルト殿下宛ての報告書を作成いたしますので、アース君も室内であれば自由に過ごしていただいて構いません。よろしければアース君も、キルヴェスター殿下宛てに手紙を書きますか?」


キル宛てに手紙か……。
アルベルト殿下に任務を言い渡されたとき、キルの同席はなかった。ということは、少なくともこの村での出来事にキルはタッチしていないことになる。他の場所でも人狼被害があるみたいだし、そっちの対応で忙しかもしれない。
とりとめもない手紙を送っても迷惑になっちゃうかな。


「いえ、私は大丈夫です。ありがとうございます。」


「わかりました。では、私は報告書の作成をしますね。」



そうしてアルフォンスさんが報告を書作成している間、俺は暇つぶしということで読書を始めた。





ーー




数日後。
3件目となる被害者が現れたと、騎士団員から連絡があった。
俺とアルフォンスさんはすぐに被害者が搬送されている診療所へと向かった。


部屋に入ると、冒険者と思われる1人の男性が苦し気にベッドに横たわっていた。
俺が近づこうとすると、男性はおもむろに顔を横に向け嘔吐した。


「冒険者がすべてを吐き出せるように、上体を起こし介抱してください。そこのあなたは吐瀉物の片づけをお願いします。」


俺が治療を成功させて以降、何人かのスタッフが戻ってきたようで、俺は次々と指示を飛ばした。


「この冒険者の発見当時の状況について知っている人はすぐに教えてください。」


俺は、毒の判別をするために冒険者の診察をしながら状況の説明を求めた。



「発見されたのは宿泊していた宿の部屋の中とのことです。任務の予定があるにもかかわらず、集合場所に現れなかった彼を探すためにパーティーメンバーが部屋を訪れたところ、倒れている彼を発見したとのことです。発見当時の気になる状況としては、彼の口から「手足がしびれて動けない」と仲間に言ったことくらいです。」



騎士団員やスタッフが口を開く前に、流れるようにアルフォンスさんが説明してくれた。

俺と同じタイミングでここに来たはずなのに、いつの間に情報を収集したのだろうか? アルベルト殿下の側近はとても恐ろしい。



「ありがとうござい、アルフォンスさん。……手足のしびれに加えて、嘔吐の症状ですか。目に見える他の以上といば……肌に現れている紫色の斑点ですね。おそらく、「ハルテック茸」による中毒症状でしょう。すぐに調合を開始します。今から言うものをそろてください。」



材料がそろい、俺は調合を開始した。

……前回の被害者とは異なる毒物が使われている。しかも、今度は魔物由来の毒ではなく、植物由来の毒だ。「ハルテック茸」は使い方によっては薬になるキノコだが、摂取しすぎると中毒症状を起こす。薬としての効果は「不妊治療」に使われるもので、高価が高く希少な植物として、とんでもない高価な価格で取引されている。

今回、「ハルテック茸」の毒を使ったのは、明らかに回復魔導士である俺対策に違いない。前回と同じ「シェールスティングレー」の毒を使ったところで、俺に治療されるのがオチだからだ。

明かに、考えて行動している。人狼は「人狼虫」が寄生先の人間を操っている状態だから、その人が見聞きした情報をもとに行動に出るのは確かにそうだけど……あまりに対応力が高すぎると言わざる終えない。回復魔法が得意でも、調合が得意でない回復魔導士もいる。その点を狙って、マイナーな植物の中毒症状を狙ったのだとしたら、狡猾すぎる。……それに、わざわざ調達が難しい「ハルテック茸」なんか使うよりも、毒を盛るスキがあるのなら物理的にダメージを負わせた方が手間も少ないだろう。……なぜ、そうしない? いや、もしかして物理的な行動が難しのか?



俺は調合をしながら、深まる疑問に頭を悩ませた。












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