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第四章 人狼編
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アースはすぐに、回復魔導士本部への調査依頼の書簡を書き上げた。
それと同時に、アルフォンスが部屋の中へと戻ってきた。
「アース君、書簡の準備は終わりましたか?」
「終わりました。こちらを回復魔導士本部へお願いします。」
「かしこまりました。……それでは、私は諸々の指示を出してきますね。それから、国内の光属性の持ち主をピックアップします。加えて、影属性の持ち主も調べておきましょう。どちらも数はそう多くはない属性ですので、犯人につながる情報を得ることができるかもしれません。」
確かにアルフォンスの言うとおりだ。
影属性は予想でしかないが、回復魔法を扱える光属性の持ち主が、この村の件に関わっていることは確かだ。
両方を持ち合わせている、そんな希少な人物がいればそいつがおそらく……。
「流石アルフォンスさんです! よろしくお願いします!」
「ありがとうございます。ということでアース君、今晩私はアース君の護衛につけないので、殿下たちの宿で待機していただいてよろしいでしょうか? 」
「……そういうことでしたら、わかりました。夜中に対応をお任せしてしまい、申し訳ございません。」
「いえいえ、構いませんよ。明日の朝、お迎えに上がりますね。……キース、2人の護衛をしっかりと行うように。」
「かしこまりました、兄上。」
弟のキースがしっかりと頷くのを確認すると、アルフォンスはいつもの穏やかな笑みを浮かべながら部屋をあとにした。
「……ということでみんな、よろしくね。」
ーー
ということで、俺達はアースと一緒に宿泊しているちょっといい宿に戻ってきた。
2人部屋というわけではないが、何というかそわそわする。
微妙に落ち着かない俺をよそに、アースは部屋を見まわしながら微妙な表情をしていた。
「どうしたんッスか、微妙な表情をして?」
ジールがアースにそう尋ねると、アースは曖昧な笑みを浮かべて口を開いた。
何か言いづらいことがあるらしい。
「……いや、何というか、キルたちが泊まる宿にしてはちょっと質素かなと思ってさ。」
「そりゃー質素なのは当たり前だろ。いくら勘違い貴族の子息とはいっても、俺達は冒険者としてこの村に来ているんだ。そんな俺たちが、高級な宿に宿泊していたら怪しまれるだろ?」
「あ、確かにそうだね・・・。考えが及ばなかったよ、ローウェルの言うとおりだ。」
アースはそういうと、小さくため息をついた。
普段のアースならこのくらいのことはすぐに気づくはずだ。アースの様子がおかしいのは、やはり回復魔導士がこの事件に絡んでいるかもしれないと判明したからだろう。
ここは、アースの気を紛らわせるために、ボードゲームでもしようか。
「せっかく5人が集まったことだし、何かつまみながらゲームでもしないか?」
「いいッスね、それ! アースが来てくれたから、おいしい料理が食べられるッスね!」
「おい、ジール。俺の料理に何か不満があるのか?」
「不満はないッスけど、アースの腕にはかなわないということッスよ。」
ジールがそういうと、ローウェルは渋々ながら納得した。
ローウェルの腕前は俺達よりは上だが、アースには遠く及ばない。どこから仕入れてきたのか、アースの料理スキルはすごく高いのだ。
「ローウェルも十分上手だと思うよ。せっかくだし、一緒に何か作ろうか。」
「ああ、そうしようぜ。ジールたちは、適当に座っててくれ。」
そうして俺たちは、出来上がった料理をつまみながら、久しぶりに5人でボードゲームと雑談に興じた。
「なあ、アース。そういえば、阿修羅丸はどこに行ったんだ? 姿が見えないようだが。」
俺は雑談の流れで、気になっていたことを聞いてみた。
普段アースと一緒にずっといるわけではないが、今日は全く気配を感じなかった。
「あー、阿修羅丸なら旅に出たよ。もともと、長い間フリーに生きていたからね。たまには、1人で考えたいことがあるんじゃないかな。」
1人で考えたいこと。
あの阿修羅丸が、そのような一面を持っているとは思えないが……。まあ阿修羅丸も、何か抱えているものがあるのかもしれないな。
「そうか、いなければいないで少し静かだと感じるな。アースは、阿修羅丸がいなくて問題ないのか?」
「戦闘力でということ? 人狼に対しては、阿修羅丸がいないと勝てないということはないと思うから大丈夫だよ。」
ちょっとずれてしまった。阿修羅丸がいなくて寂しくないか、と聞きたかったのだが戦闘力の話になってしまった。
まあ、きちんと言わなかった俺が悪いか。
「確かにそのとおりだな。もし、この村の人狼が、あの「ナレハテ」ぐらいの戦闘力を有していたら、阿修羅丸に力を貸してもらおうぜ。」
空気を読んだのか読んでないのかはわからないが、ローウェルが場をとりなすようにそういった。
「それじゃあ、いい時間ですしそろそろ寝ましょうか、主?」
「ああ、そうだな。」
「了解です。……そういえば今気づいたんですけど、ベッドが一つ足りないですね。主のベッドが一番大きので、アースと一緒に寝てください。アースもそれでいいよな?」
「「……は??」」
ローウェルが流れるように言ったから、反応が一瞬遅れてしまった。
なぜ、俺のベッドにアースが……? いや、俺のベッドが一番大きいのは確かだから、俺のベッドで寝るのが妥当なのか?
「お互い明日も早いんですから、さっさと寝ましょう。はい、おやすみなさい。」
ローウェルはそういうと、あっけに取られている俺たちをしり目に、さっさと明かりを消して布団へともぐりこんだ。
ジールとキースも、曖昧な表情をしながら各々のベッドに横になった。
「キルが迷惑じゃなければ……一緒に寝ていい?」
「迷惑じゃない!」
反射的に大きな声が出てしまった。最悪だ。
そんな俺に対して、アースはクスクスと笑いながらベッドに横たわった。
それと同時に、アルフォンスが部屋の中へと戻ってきた。
「アース君、書簡の準備は終わりましたか?」
「終わりました。こちらを回復魔導士本部へお願いします。」
「かしこまりました。……それでは、私は諸々の指示を出してきますね。それから、国内の光属性の持ち主をピックアップします。加えて、影属性の持ち主も調べておきましょう。どちらも数はそう多くはない属性ですので、犯人につながる情報を得ることができるかもしれません。」
確かにアルフォンスの言うとおりだ。
影属性は予想でしかないが、回復魔法を扱える光属性の持ち主が、この村の件に関わっていることは確かだ。
両方を持ち合わせている、そんな希少な人物がいればそいつがおそらく……。
「流石アルフォンスさんです! よろしくお願いします!」
「ありがとうございます。ということでアース君、今晩私はアース君の護衛につけないので、殿下たちの宿で待機していただいてよろしいでしょうか? 」
「……そういうことでしたら、わかりました。夜中に対応をお任せしてしまい、申し訳ございません。」
「いえいえ、構いませんよ。明日の朝、お迎えに上がりますね。……キース、2人の護衛をしっかりと行うように。」
「かしこまりました、兄上。」
弟のキースがしっかりと頷くのを確認すると、アルフォンスはいつもの穏やかな笑みを浮かべながら部屋をあとにした。
「……ということでみんな、よろしくね。」
ーー
ということで、俺達はアースと一緒に宿泊しているちょっといい宿に戻ってきた。
2人部屋というわけではないが、何というかそわそわする。
微妙に落ち着かない俺をよそに、アースは部屋を見まわしながら微妙な表情をしていた。
「どうしたんッスか、微妙な表情をして?」
ジールがアースにそう尋ねると、アースは曖昧な笑みを浮かべて口を開いた。
何か言いづらいことがあるらしい。
「……いや、何というか、キルたちが泊まる宿にしてはちょっと質素かなと思ってさ。」
「そりゃー質素なのは当たり前だろ。いくら勘違い貴族の子息とはいっても、俺達は冒険者としてこの村に来ているんだ。そんな俺たちが、高級な宿に宿泊していたら怪しまれるだろ?」
「あ、確かにそうだね・・・。考えが及ばなかったよ、ローウェルの言うとおりだ。」
アースはそういうと、小さくため息をついた。
普段のアースならこのくらいのことはすぐに気づくはずだ。アースの様子がおかしいのは、やはり回復魔導士がこの事件に絡んでいるかもしれないと判明したからだろう。
ここは、アースの気を紛らわせるために、ボードゲームでもしようか。
「せっかく5人が集まったことだし、何かつまみながらゲームでもしないか?」
「いいッスね、それ! アースが来てくれたから、おいしい料理が食べられるッスね!」
「おい、ジール。俺の料理に何か不満があるのか?」
「不満はないッスけど、アースの腕にはかなわないということッスよ。」
ジールがそういうと、ローウェルは渋々ながら納得した。
ローウェルの腕前は俺達よりは上だが、アースには遠く及ばない。どこから仕入れてきたのか、アースの料理スキルはすごく高いのだ。
「ローウェルも十分上手だと思うよ。せっかくだし、一緒に何か作ろうか。」
「ああ、そうしようぜ。ジールたちは、適当に座っててくれ。」
そうして俺たちは、出来上がった料理をつまみながら、久しぶりに5人でボードゲームと雑談に興じた。
「なあ、アース。そういえば、阿修羅丸はどこに行ったんだ? 姿が見えないようだが。」
俺は雑談の流れで、気になっていたことを聞いてみた。
普段アースと一緒にずっといるわけではないが、今日は全く気配を感じなかった。
「あー、阿修羅丸なら旅に出たよ。もともと、長い間フリーに生きていたからね。たまには、1人で考えたいことがあるんじゃないかな。」
1人で考えたいこと。
あの阿修羅丸が、そのような一面を持っているとは思えないが……。まあ阿修羅丸も、何か抱えているものがあるのかもしれないな。
「そうか、いなければいないで少し静かだと感じるな。アースは、阿修羅丸がいなくて問題ないのか?」
「戦闘力でということ? 人狼に対しては、阿修羅丸がいないと勝てないということはないと思うから大丈夫だよ。」
ちょっとずれてしまった。阿修羅丸がいなくて寂しくないか、と聞きたかったのだが戦闘力の話になってしまった。
まあ、きちんと言わなかった俺が悪いか。
「確かにそのとおりだな。もし、この村の人狼が、あの「ナレハテ」ぐらいの戦闘力を有していたら、阿修羅丸に力を貸してもらおうぜ。」
空気を読んだのか読んでないのかはわからないが、ローウェルが場をとりなすようにそういった。
「それじゃあ、いい時間ですしそろそろ寝ましょうか、主?」
「ああ、そうだな。」
「了解です。……そういえば今気づいたんですけど、ベッドが一つ足りないですね。主のベッドが一番大きので、アースと一緒に寝てください。アースもそれでいいよな?」
「「……は??」」
ローウェルが流れるように言ったから、反応が一瞬遅れてしまった。
なぜ、俺のベッドにアースが……? いや、俺のベッドが一番大きいのは確かだから、俺のベッドで寝るのが妥当なのか?
「お互い明日も早いんですから、さっさと寝ましょう。はい、おやすみなさい。」
ローウェルはそういうと、あっけに取られている俺たちをしり目に、さっさと明かりを消して布団へともぐりこんだ。
ジールとキースも、曖昧な表情をしながら各々のベッドに横になった。
「キルが迷惑じゃなければ……一緒に寝ていい?」
「迷惑じゃない!」
反射的に大きな声が出てしまった。最悪だ。
そんな俺に対して、アースはクスクスと笑いながらベッドに横たわった。
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