異世界に転生してもゲイだった俺、この世界でも隠しつつ推しを眺めながら生きていきます~推しが婚約したら、出家(自由に生きる)します~

kurimomo

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第四章 人狼編

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俺達は、ギルド関係者が去った会議室に残るのも憚られると思い、話し合いたい気持ちをぐっと我慢し、冒険者ギルドをあとにした。

そして、拠点である宿屋に戻り、各々が湯あみを済ませたり、食事を済ませたりして休憩をはさんだ後、ベッドに腰かけて各々が感じたことを報告することにした。



「まず、殿下。彼女について、何か気になったことはありますか?」

「ああ。まず、彼女は確実に貴族関係者だ。公言してるか不明だが、俺たちから見れば彼女が貴族であることは明白だ。それに、あちらも俺たちが貴族であることに気付いていたようだしな。」


俺達の方は、上位の貴族であることに気付かれなければ及第点であると考えてここにきている。王族やそれに連なる身分を有する俺たちが、完全に平民の少年冒険者を装うことは、どれだけ努力しても難しいからだ。生まれてから身につけている癖を消すというのは、大人でも難しい。むしろ、年齢を重ねれば重ねるほど難しいだろう。

一方で、ギルドマスターは、一見すると優し気で丁寧な妙齢の女性である。ギルドの長ということもあり、職位にふさわしい言動だと考えれば、普通の冒険者たちが貴族だと判断するのは難しだろう。
だが、生まれたときから貴族に囲まれている俺達からすると、彼女が貴族出身者であることは明らかだ。加えて、私財と投じて回復薬を冒険者に提供できる財力があることから、そこそこの力を持った貴族関係者なのだろう。



「アースたちとの話し合いの中で、人狼は魔力を持つ貴族関係者である可能性が高いと結論が出ているッス。この村にいる貴族のリストアップは、アルフォンスさんが担当しているはずッスよね?」

「ああ、そのとおりだ。一般的に、村にいる貴族の数は多くはない。村を治める一族と、ギルド長くらいしかいないだろう。兄上ならば、この程度の人数の情報はすぐに調べているだろう。今日の夜には、すべての人物の情報がわかっているはずだ。」



2人の言うとおり、魔力持ちの貴族である可能性が高いと結論が出た時点で、人狼の特定は最終局面を迎えていると言っても過言ではない。加えて、回復薬に干渉できる回復魔法を扱うことができ、かつ、影属性のように隠密に長けた属性を持っている人物となれば、情報が出そろった時点で特定することができる。


「そのとおりだな。アースも回復魔導士本部へ情報を問い合わせているようだし、人狼を特定できるのも時間の問題だ。早ければ、今日の夜で決着がつくだろう。夜中でも、人狼が特定でき次第すぐに動けるように、俺達は仮眠をとっておこう。」

「主のおっしゃる通りですね。ですが、ここまで事態が急展開したのは、冒険者となった俺たちが回復薬を持ち帰り、回復魔導士のアースが居合わせたからと、言うべきなのでしょうね。この2つの要素が、1人の切れ者の指示によるものだと思うと、まだまだ俺達では敵わないと思わざるを得ませんね。」



ローウェルはそういいながら、なんとも曖昧な笑みを浮かべた。
……そこまではっきり言われると、兄上との差を痛感し気落ちしてしまうな。兄上がどこまでよんでいたのかはわからないが、兄上の指示がなければ、回復薬にたどり着くまでにさらに時間を要したことだろう。俺たちがアースの元へ駆けつけ、ヒントを偶然得ることまでよんでいたと思うと、やはり固有魔法を有していると思わずにはいられない。俺には持ちえない才能だ。

だが、俺はこの国のために自分にできることを精一杯やっていきたい。この任務もそのうちの1つだ。


「どうしたんですが、主? やる気に満ち溢れた顔になっていますよ。ちょっと、失言だったかなと思ったんですが……。」

「兄上がすごいことは今に始まったことではないからな。俺たちは、俺達にできることをやるだけだ。まずは、確実に人狼を討伐することが俺たちのやるべきことだ。」

「そのとおりッスね! いつでもアースの力になれるように、すぐに休むッスよ!」

「ああ、そうだな。次の満月まではまだ時間がある。できるだけ早く、人狼をこの手で討伐する。」

「それじゃあ話もまとまったことですし、主たちはすぐに仮眠をとってください。俺は、アースたちに共有できるように、冒険者活動で得た情報をまとめてから休みます。」

「ああ、頼んだ。」



そうして俺たちは、アースたちとの報告会に備えて仮眠とることにした。
次の満月までに、人狼を討伐するために。

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