【完結】私は義兄に嫌われている

春野オカリナ

文字の大きさ
5 / 14

国王陛下と魔王様

しおりを挟む
 「悪いが公爵と令嬢は私と王妃のお茶に付き合って欲しい」

 「畏まりました。陛下」

 「はい」

 全員が疲れた様な顔をして、部屋を出ていった。

 あんな物を見せられたから食中りかも

 部屋の前の騎士達の私を憐れむ様な目が痛い

 止めて欲しいし、同情もいらない。求めてもいない。

 義兄の嫌がらせに耐久性が付いている私の精神は直ぐに復活するのだから

 今は自分の運の無さにがっかりしてるだけなのよ

 中庭のガゼボに案内されるとそこに王妃様と

 ん、あれは義兄?何故、ここに

 お母様もいるのね。ああ、付き添いか。なら判る気がする。一人だと危ないものね

 一人で勝手に納得した私は、陛下らと席に着いた。

 「所で、アーネストとマリアベーテル嬢は何かを進展があったのか」

 「そ、それはどういうことでしょうか?」

 「ん、マリアベーテル嬢は何も知らんのか」

 「陛下、最初の約束通り、娘には何も知らせていません」

 「そ、そうか」

 何だか、気まずい雰囲気が漂っている

 「ねぇ、マリアベーテル嬢、私の息子と婚約しない?」

 王妃様が口火を切った。

 「それはどなたでしょう?」

 「第二王子よ」

 「どの様な方か存じ上げないのですが」

 「ふふ、ですってアーネスト」

 「母上、揶揄うのは止めて下さい」

 「は、母上って、王妃様がですか?」

 「そうよ、アーネストは私が産んだ第二王子なのよ。黙っててごめんなさいね」

 「すまない、マリアベーテル、お前に真実を告げないよう殿下と約束をしたんだ」

 「お父様もお母様もご存知だったんですか」

 「ええ、ごめんなさいね。理由があって言えなかったの」

 「理由って…」

 「いい、俺から話す。付いてこい」

 そう言われて、義兄に付いていく私を皆がまた生暖かい目で見ている

 義兄は当然の様に私の手を握った

 「ちょっとお義兄様、痛いんですが」

 義兄がもっと強く握りしめる

 「名前で呼べ」

 「それは命令ですか。殿下」

 「違う、アーネストと呼べ」

 「嫌です!」

 いつもより強い口調になった私はいきなり義兄に口を塞がれた

 「ん、や、やめて…」

 嫌だと言っても何度も角度を変えて口付けた

 「お前は、俺様のものなんだ。誰にも渡さない」

 そう言って更に口付けを交わした

 甘く痺れる様な感覚が全身を駆け抜けた後、義兄は

 「俺が黒持ちなのは知っているだろう?小さい頃は魔力を制御出来なかった。俺が10才の時に母上のお茶会に呼ばれたお前と出会ったんだ。お前は覚えていないだろうが、お前に触れた途端、魔力を押さえ込める様になったんだ」

 「魔力の制御?」

 「魔力の強い人間は子供の頃は制御するのに苦労するんだ。でも、魔力のない人間の側にいると安定するんだ。だから、俺は公爵家に行くことになった。
お前の側は居心地が良かった」

 「でも、意地悪でした」

 「あれは、お前も悪い」

 「どうしてですか?」

 「俺以外の人間には、笑うのに俺の前だと嫌な顔をするからだ」

 「意地悪ばかりするからです。怖いイメージしかありません。直ぐにお仕置きするし」

 「あ、あれは違うんだ。おお前が可愛いからさせたかっただけだから、つい、その…」

 「ハッキリと言って下さい。嫌いなら嫌いと別に構いませんから」

 「馬鹿、嫌いなら口付けなんかするか。す、好きだ。ずっと、初めて会った時からお前以外の女なんかいらない。お前だけが欲しいんだ。一生大事にするから結婚して欲しい」

 「嫌です。今更信じられません」

 私ははっきり断った
 

 
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

私は愛されていなかった幼妻だとわかっていました

ララ愛
恋愛
ミリアは両親を亡くし侯爵の祖父に育てられたが祖父の紹介で伯爵のクリオに嫁ぐことになった。 ミリアにとって彼は初恋の男性で一目惚れだったがクリオには侯爵に弱みを握られての政略結婚だった。 それを知らないミリアと知っているだろうと冷めた目で見るクリオのすれ違いの結婚生活は誤解と疑惑の 始まりでしかなかった。

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

諦められない貴公子から送られた招待状

待鳥園子
恋愛
ある日送られて来た、夜会への招待状。それは、兄と喧嘩別れしたはずの元友人ユアンからのものだった。 いつの間にか邸へと遊びに来なくなってしまった素敵な彼のことを、ずっと好きだったエレイン。 是非会いたいと招待に応えたら、忘れてしまっていたとんでもない真実を知る。

お義父さん、好き。

うみ
恋愛
お義父さんの子を孕みたい……。義理の父を好きになって、愛してしまった。

大人になったオフェーリア。

ぽんぽこ狸
恋愛
 婚約者のジラルドのそばには王女であるベアトリーチェがおり、彼女は慈愛に満ちた表情で下腹部を撫でている。  生まれてくる子供の為にも婚約解消をとオフェーリアは言われるが、納得がいかない。  けれどもそれどころではないだろう、こうなってしまった以上は、婚約解消はやむなしだ。  それ以上に重要なことは、ジラルドの実家であるレピード公爵家とオフェーリアの実家はたくさんの共同事業を行っていて、今それがおじゃんになれば、オフェーリアには補えないほどの損失を生むことになる。  その点についてすぐに確認すると、そういう所がジラルドに見離される原因になったのだとベアトリーチェは怒鳴りだしてオフェーリアに掴みかかってきた。 その尋常では無い様子に泣き寝入りすることになったオフェーリアだったが、父と母が設定したお見合いで彼女の騎士をしていたヴァレントと出会い、とある復讐の方法を思いついたのだった。

あの人のことを忘れたい

ララ愛
恋愛
リアは父を亡くして家族がいなくなった為父の遺言で婚約者が決まり明日結婚することになったが彼は会社を経営する若手の実業家で父が独り娘の今後を託し経営権も譲り全てを頼んだ相手だった。 独身を謳歌し華やかな噂ばかりの彼が私を託されて迷惑に違いないと思うリアとすれ違いながらも愛することを知り手放したくない夫の気持ちにリアは悩み苦しみ涙しながら本当の愛を知る。

愛してないから、離婚しましょう 〜悪役令嬢の私が大嫌いとのことです〜

あさとよる
恋愛
親の命令で決められた結婚相手は、私のことが大嫌いだと豪語した美丈夫。勤め先が一緒の私達だけど、結婚したことを秘密にされ、以前よりも職場での当たりが増し、自宅では空気扱い。寝屋を共に過ごすことは皆無。そんな形式上だけの結婚なら、私は喜んで離婚してさしあげます。

届かぬ温もり

HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった····· ◆◇◆◇◆◇◆ 読んでくださり感謝いたします。 すべてフィクションです。不快に思われた方は読むのを止めて下さい。 ゆっくり更新していきます。 誤字脱字も見つけ次第直していきます。 よろしくお願いします。

処理中です...