【完結】旦那様、溺愛するのは程々にお願いします♥️仮面の令嬢が辺境伯に嫁いで、幸せになるまで

春野オカリナ

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仮面令嬢、婚約者を奪われる

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 仮面を付けての生活から、事ある事に義母から

 「なんて醜いのかしら。お前見ていると気分が悪くなる。向こうへお行き」

 「はい、お義母様」

 「お前等に義母と呼ばれたくはない。この家では、奥様と呼ぶように」

 「畏まりました。奥様」

 義母達が侯爵家に入ってから、私は、使用人の扱いを受けた。

 母との思い出のある別邸で、日々を過ごす様になった私は、学園も中退した。

 どうせ、仮面を付けているのだから、人前には、出せないと義母は、父を説得し、放置した。

 私への扱いが段々、ひどくなって行った。機嫌が悪いと本邸に呼びつけられ、殴りられもした。

 義妹は、私の代わりに学園に入り、同い年の私の婚約者。この国の第三王子アディール殿下を誘惑した。

 何かにつけて、殿下を自宅に招き、仲の良さをアピールして見せ付けた。

 そして、殿下が帰った後は決まって

 「アディール様は、私の様な可愛い女の子が好みなんですって、あんたみたいな可笑しな女なんか、誰にも相手にしてくれないわよ」

 私は、うんざりしていた。こんな生活を続ける事に何の意味があるんだろう。いっそ、全てを投げ出したいと思った事は何度もあった。

 でもこの度に、仮面の『癒し』が作用し、心と体を治した。

 私の中に黒い靄ができると、仮面が私の心を浄化した。

 だから、どんな苦痛にも耐えられた。

(きっと、お母様は、御自分が亡くなった後、私がこんな扱いを受けることを知っていたのね。たから、仮面を私に付けさせたんだわ)

 私は、母の思いに応える為、ひたすら耐え続けた。

 その間、引き籠り状態の私を心配して、公爵家の伯父が、何度も面会を求めたが、父達は、頑固拒否した。だが、私を追い出す事はしなかった。何故なら、私か侯爵家に入れば、伯父が生活の援助をしてくれるからだ。



ーー仮面を付けて、二年たった頃、第一王子が立太子した祝いのパーティーで、それは起こった。

 王家主催のパーティーで、必ず出席するよう父に言われて、参加した。

 会場は、私が入場すると静まり返った。それも仕方のないことだ。こんな『仮面』を付けた令嬢なんて、誰も見たことも聞いたこともないだろう。

 それでも、私は平静さを保ちながら、王達に挨拶に向かった瞬間、義妹に足を引っかけられて、テーブルに倒れ込んだ。

 折角、伯父が用意してくれたドレスは、ワインの色で汚れてしまった。

 無様な姿を嘲笑う貴族達の中を、私の婚約者は、義妹と腕を組んでやって来た。

 「相変わらず、無様な女だな。お前の様な女は、いらない。婚約は解消させて貰う。代わりにジャネットを婚約者にする」

 「お義姉様は、そんな姿がお似合いよ。あんな綺麗なドレスは、相応しくないわ。フフフ、いい気味」

 私が予想していた通り、ジャネットは行動した。

(やっぱり、こうなると思っていたわ。このドレスが届いた時のあの子の顔を見た時から…)

 「婚約の解消は謹んで、お受け致します」

恭しく、淑女の令をして、その場を後にしようとしたら、思わぬ人から助け舟を出された。

 「まだ、帰れないよ。国王陛下や王子方に挨拶がすでいないだろう。替わりのドレスは、用意してあるから、着替えればいいよ」

 声をかけたのは、伯父だった。
 
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