【完結】旦那様、溺愛するのは程々にお願いします♥️仮面の令嬢が辺境伯に嫁いで、幸せになるまで

春野オカリナ

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事件の真相と新しい命

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 「やあ、久しぶりだね。ウィストン、少し痩せた?」

 「そんなに経ってないだろう。気のせいだ」

 「ふふ、相変わらずだね。まあ、いいや。今日はお客様をお連れしたよ。君が会いたいだろうと思ってね」

 アンドレが、そう言うと後ろに控えていた二人が、変身術を解いた。

 一人は、セドリック・クリーク

 もう一人は、第一王子ルドルフ・エバンス

 もう王太子と呼んだ方がいいか。俺の妹と結婚した。この王子には、既に二人の子供がいる。しかも側妃も現在懐妊中だ。

 (可哀想に妹も苦労が多い)

 ため息まじりにそう思った。ヴィオレットの結婚を望んでいたのは、俺だけではない。この王子もそうだった。だが、ヴィオレットには、子供の頃、毒によって味覚を奪われた。

 王家に入宮する者は、身体に傷や異常無いことが決まりだ。嘘の申告をすれば、国家反逆罪に問われる。

 「変身術まで使って王宮を抜けて来るとは、余程の理由があるのか」

 俺は、鬱憤を晴らす様に言った。

 「ああ、お前達のこれからの事を話すためだ」

 セドリックが言った。

 「ヴィオレットのことだ」

 ルドルフが続いた。

 「彼女の事は、耳に入っている。妊娠しているそうだな」

 「ああ、今2ヶ月程だ。だから確認したい。お前の子か?」

 「ヴィオレットは、なんと言っている」

 「彼女は、答えない。いや正確には、答えられないんだ」

 「どういうことだ」

 「それについては、僕の方で調べたよ。ウィストン、間違いなく君の子だよ。夏に休暇を取ったよね。その時、君、彼女に、手を出した。僕の配下に確認したんだけど違う?」

 アンドレが待ちきれないとばかりに割って入った。

 「お、ウィストンお前、よくも…」

 それを聞いて、セドリックに殴り飛ばされそうになった。隣にいたルドルフに止められて、思い止まった。

 「なら、何故言えない。婚約者の子だぞ。問題ないだろう?」

 「それ、本気で言ってるの?その脳筋どうにかしなよ」

 イライラした様子でアンドレが言った。

 「喧嘩を売りにきたのなら帰れ!俺は機嫌が悪い」

 「止めろ、アンドレ、茶化すな!」

 静止したのは、ルドルフだった。

 「すまない、まだ状況がわかっていないお前に、きちんと説明する必要がある」

 「事件の報告と今後の対策をしに来た」

 セドリックが補足した。
 
 「一つ、ルドルフに確認したい。俺を狙ったのは、王家の意思か?」

 「それは、半分は合ってる。だが、王や私は関与していない」

 「なら、いい。どうせ俺を邪魔に思う奴等の仕業だろう」

 俺は、ルドルフに目をやり、彼の表情を見て安堵した。嘘はついていない様だ。

 ルドルフは、王族なのに嘘をつくのが下手だった。嘘をつくと目を反らす癖がある。いまは、それが無かった。

 友人を疑わなくてはならないこの状況に俺は、苛立ちと貴族である虚しさを感じていた。
 
 

 
 
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