【完結】旦那様、溺愛するのは程々にお願いします♥️仮面の令嬢が辺境伯に嫁いで、幸せになるまで

春野オカリナ

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義父の秘密と真実

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 「俺の父は【神眼】を持っていなかったんだ。正確には、真の【神眼】を持っていなかったと言った方が正しいかな」

 「【神眼】に本物と偽物があるのですか?」

 「まあ、偽物と言うより擬きだね」

 「擬き…ですか」

 「そう、爺さんは両眼に持っていたけど、俺は片方だけで父は擬きだった。一族の頭領は【神眼】を持っているかどうかが重要なんだ。実力主義の一族だから、持っていない人間は頭領には成れない。何せ特別な力を制御出来ない者が出た場合、【神眼】を使って支配しなければならないからね」

 エルリックの表情が少し曇ったのを感じたジョゼフィーネは、自分の手をそっと重ねた。

 「ありがとう。ジョー」

 エルリックは、自分に寄り添ってくれるジョゼフィーネを純粋に愛しかった。

 「【神眼】を持っていなかった父は、政略結婚したんだ。それがグレイ伯爵令嬢だった俺の母親、でも擬きといえど【神眼】を持っていると心の平穏の為に唯一の人を探さなくてはならない。でないと、狂ってしまうからね。でも擬きだと、旨く見付けられないんだ。だから、多くの女達に手を出した。何で辺境に女が少ないかこれでわかっただろう?父から隠す為に隣領地何かに自分の娘や妻を住まわした。でもその事が次の悲劇を生んだ!」

 「どういう事ですか?」

 「さっき会ったでしょう。教会のシスターに彼女の名はリリア、婆さんの腹心の部下とでも言えばいいのかな?」

 「それは、違うな。リリアは兄の婚約者だった。兄が死んで辺境の教会に入った。そこでエドワードとリリアに頼んでアマーリエを孤児院で育ててもらった。だが、エドワードが息子から逃すために王都の商家の養女にして、学園に通わせた。そしてアントニオと出会った。二人は、恋に落ちてしまった」

 女王は、深いため息をついた。

 「全ては、偶然が重なりあったのかも知れないが、運命は二人を結び付けた。それに生きていれば、アルバトロス大公が王位についていた。違う?婆さん」

 「そうだ、妾は第二王子を王位に付けたかった。兄は、ハウエル家の義弟の傀儡になる恐れがあった。折角持ち直し始めた国政をアントニオに渡したかった。だがアントニオは頑なに拒んだ。妾達が不仲だと噂されるようになり、アントニオは殺された。アマーリエの出自を盾に脅されたのだ。アントニオは、アマーリエと生まれて来る子供の為に自ら毒を煽った」

 女王の目から一粒の涙が落ちた。

 「その一ヶ月後に、ウィストンが生まれた。だから王に頼んでダンドーラ公爵家に隠した。だが、それが間違いだった。ダンドーラ公爵家に内通者がいたのだ。ハウエル家は、妾がウィストンを王位に付かせるのではないかと疑念を抱き、今度はウィストンを狙った」

 「わかった、俺が協力するのは、爺さんや親父の仕出かした後始末をする為とジョゼフィーネを貶めた奴等への報復だよ」

 エルリックの瞳には、狂喜の色があった。
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