【完結】旦那様、溺愛するのは程々にお願いします♥️仮面の令嬢が辺境伯に嫁いで、幸せになるまで

春野オカリナ

文字の大きさ
58 / 61

プロポーズ

しおりを挟む
 パーティーは、改めて再開された。

 新大公となったウィストン・アルバトロスとその令嬢ジョゼフィーネは、国王から改めて貴族に紹介された。

 ダンスが始まると美しいジョゼフィーネに群がる未婚の男性の列ができている。

 「はあ、凄い人気だね。皆、ジョゼフィーネが独身だと思っているからね。まさかあの奇妙な仮面の令嬢だと思ってないから」

 王太子と第二王子が周りの反応に面白がっている。
 
 だが、エルリックも令嬢に囲まれていた。

 (鬱陶しい。香水臭い。近寄って来るな)

 心の中でそう呟きながらジョゼフィーネの方へ歩いて行く。

 「アルバトロス大公令嬢、一曲お相手を」
  
 エルリックは手を差し出し、ダンスに誘うと

 「はい、ディル様」

 二人はホールの真ん中で踊りながら、

 「あいつらどうしようか。俺のジョーに気安く近寄りやがってムカつくんだよな」

 「あら、エル様も女性に囲まれて、デレデレしてらしたでしょ」 

 ムッとしながら少し頬を膨らます仕草が可愛くて

 「そうだね、たまには良いかも」

 ちょっと揶揄う様に言うと、思いっきり足を踏んづけた。
 
 「ちょっと、痛いよ。冗談だよ」

 「本当かしら、鼻の下が伸びてらしたのでは?」

 クスッと笑ったエルリックは

 「そのまま足を乗せておいて」
 
 「えっ」

 ジョゼフィーネの足を乗せた状態で空を軽やかなステップでかけ上がる。

 ホールにいた誰もが彼らを目で追った。

 天井迄届くほどの高さまで舞い上がった瞬間、目映い光の粉がキラキラと散らばり彼らの姿を掻き消した。

 会場からは驚きの声と歓声が沸き上がっていたが、本人らは知らぬこと。

 王都の中心にある星見の塔と呼ばれる場所に移動して

 「ここはどこです?」

 「ここは星見の塔と呼ばれる場所だ。見てごらん夜空の星が綺麗に見えるだろう」

 「素敵ですね」

 エルリックはジョゼフィーネと向き合って、膝を折る。

 「ジョゼフィーネ、改めて俺と結婚してください。生涯をかけて幸せにすると誓います」

 「はい、宜しくお願いします」

 エルリックは塔の上で満天の星空の中、改めて求婚をやり直した。

 そのまま二人は口付けを交わす。

 後で義父のアルバトロス大公にエルリックが絞られたのは他でもない。

 その一年後にジョゼフィーネは結婚式を改めてやり直した。

 勿論お相手はエルリック・ブラックボンド改め、ディル・アン・グレイと

 彼は全ての過去と未来を棄てて、ジョゼフィーネを選んだ。

 辺境伯はエルリックの異母弟が継ぎ、モーリスが補佐をしている。

 ハウエル侯爵家、アンサンブル侯爵家、ルクナン子爵家は断絶

 ロバート・アンサンブルは薬物の中毒症状が悪化して建国記念祭の三ヶ月後に死亡した。

 カーミラとジャネットがどうなったかはジョゼフィーネには知らされていない

 デュラン元第三王子は辺境地の孤児院でリリアの代わりに働いている。

 ジョゼフィーネは二度目の結婚式を挙げる。

 アルバトロス大公とバージンロードを歩きながら

 この世で唯一の愛しい男と永遠の愛を誓う為に

 仮面を被った令嬢はこうして幸せになった。

 「でも、旦那様、私を甘やかすのは程々に出来れば一緒に人生を歩みたいのです」

 「分かっているよ。ジョー、君に永遠の愛を」

 「私も愛しています」

 彼らの誓いの口付けは普通より長かったのは言うまでもない。






 ー 完 ー



しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【4話完結】 君を愛することはないと、こっちから言ってみた

紬あおい
恋愛
皇女にべったりな護衛騎士の夫。 流行りの「君を愛することはない」と先に言ってやった。 ザマアミロ!はあ、スッキリした。 と思っていたら、夫が溺愛されたがってる…何で!?

女性執事は公爵に一夜の思い出を希う

石里 唯
恋愛
ある日の深夜、フォンド公爵家で女性でありながら執事を務めるアマリーは、涙を堪えながら10年以上暮らした屋敷から出ていこうとしていた。 けれども、たどり着いた出口には立ち塞がるように佇む人影があった。 それは、アマリーが逃げ出したかった相手、フォンド公爵リチャードその人だった。 本編4話、結婚式編10話です。

唯一の味方だった婚約者に裏切られ失意の底で顔も知らぬ相手に身を任せた結果溺愛されました

ララ
恋愛
侯爵家の嫡女として生まれた私は恵まれていた。優しい両親や信頼できる使用人、領民たちに囲まれて。 けれどその幸せは唐突に終わる。 両親が死んでから何もかもが変わってしまった。 叔父を名乗る家族に騙され、奪われた。 今では使用人以下の生活を強いられている。そんな中で唯一の味方だった婚約者にまで裏切られる。 どうして?ーーどうしてこんなことに‥‥?? もう嫌ーー

世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~

けいこ
恋愛
付き合っていた彼に騙され、借金を追った双葉。 それでも前を向こうと、必死にもがいてた。 そんな双葉に声をかけてくれたのは、とてつもなくイケメンで、高身長、スタイル抜群の男性―― 常磐グループの御曹司 常磐 理仁だった。 夢みたいな展開に心は踊るのに…… 一途に愛をくれる御曹司を素直に受け入れられずに、双葉は離れることを選んだ。 つらい家庭環境と将来の夢。 そして、可愛い我が子―― 様々な思いが溢れ出しては絡まり合う複雑な毎日。 周りとの人間関係にも大いに悩みながら、双葉は愛する人との幸せな未来を手に入れることができるのか…… 松雪 双葉(まつゆき ふたば)26歳 ‪✕‬ 常磐 理仁(ときわ りひと)30歳

聖女でしたが国に使い捨てされたので、代わりに魔王にざまぁしてもらいました。

柿崎まつる
恋愛
癒しの聖女として国に仕えるエルヴィーラ。死ぬまで搾取された彼女が次に目を覚ましたのは敵であるはずの魔王の居城だった。ドアマット聖女が超絶美形の魔王に溺愛されて幸せになる話。気持ちちょろっとグロあります。苦手な方は閲覧にご注意ください。ムーンライトノベルズにも掲載しています。

【R18】愛され総受け女王は、20歳の誕生日に夫である美麗な年下国王に甘く淫らにお祝いされる

奏音 美都
恋愛
シャルール公国のプリンセス、アンジェリーナの公務の際に出会い、恋に落ちたソノワール公爵であったルノー。 両親を船の沈没事故で失い、突如女王として戴冠することになった間も、彼女を支え続けた。 それから幾つもの困難を乗り越え、ルノーはアンジェリーナと婚姻を結び、単なる女王の夫、王配ではなく、自らも執政に取り組む国王として戴冠した。 夫婦となって初めて迎えるアンジェリーナの誕生日。ルノーは彼女を喜ばせようと、画策する。

束縛婚

水無瀬雨音
恋愛
幼なじみの優しい伯爵子息、ウィルフレッドと婚約している男爵令嬢ベルティーユは、結婚を控え幸せだった。ところが社交界デビューの日、ウィルフレッドをライバル視している辺境伯のオースティンに出会う。翌日ベルティーユの屋敷を訪れたオースティンは、彼女を手に入れようと画策し……。 清白妙様、砂月美乃様の「最愛アンソロ」に参加しています。

鉄壁騎士様は奥様が好きすぎる~彼の素顔は元聖女候補のガチファンでした~

二階堂まや♡電書「騎士団長との~」発売中
恋愛
令嬢エミリアは、王太子の花嫁選び━━通称聖女選びに敗れた後、家族の勧めにより王立騎士団長ヴァルタと結婚することとなる。しかし、エミリアは無愛想でどこか冷たい彼のことが苦手であった。結婚後の初夜も呆気なく終わってしまう。 ヴァルタは仕事面では優秀であるものの、縁談を断り続けていたが故、陰で''鉄壁''と呼ばれ女嫌いとすら噂されていた。 しかし彼は、戦争の最中エミリアに助けられており、再会すべく彼女を探していた不器用なただの追っかけだったのだ。内心気にかけていた存在である''彼''がヴァルタだと知り、エミリアは彼との再会を喜ぶ。 そして互いに想いが通じ合った二人は、''三度目''の夜を共にするのだった……。

処理中です...