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しおりを挟む「デリス!早く来て!お兄様を呼びに行ってちょうだい!」
「え?今じゃないといけませんか?ケント様は今ご多忙と思われますよ。」
「今って言ったら今よ!早くして!早く!」
「…。承知しました。ケント様の執事に連絡します。では失礼します。」デリスは退室した。
「何てわがままなの!何様よ!世間知らずの小娘が!
ケント様に存分に痛ぶられが良いわ。覚えてなさい!」
「リリア、僕は忙しいんだ。お前は暇すぎて仕方がないだろうが、
それに僕を付き合わせるな。大概にしろ!」
不機嫌マックスでケントお兄様登場。
「お兄様!私いいことを思いついたの!
お兄様、私に家庭教師をつけてくださらない!?」
「は!?何を言い出すかと思ったら。
家庭教師?今まで散々雇ったがお前が癇癪を起こすだけで、
全く学が身に付かなかっただろ。それにな、お前は半年後にここから去るんだよ。
ただの思いつきで僕を呼び出すな.」
(やっぱりこの兄ケントはこんな態度しか取らないわね。想定済みだわ。)
「だってええ、わたしい、あっちに行ってバカにされたくないいい!
今じゃないといやあああ!家庭教師いたらなんとかなるのおおお!うえええええーーん!」
「うるさいなあ。そんな馬鹿な発想よく思いつくな。
今までお前が努力してこなかったからだろ。
どうせ無駄遣いになるんだろ。やめておけ。もう戻る。」
「ううううう。じゃあ、、、何が何でもお父様に直談判するしかないですわね。
うううう。わたしの記憶では、ちょうどこの時期お父様は領地の視察終えて本家に滞在する予定ですわよね。
先日の三日間誰も私に様子を見に来てくれなかったことや、
お兄様が今回の私の希望を受け入れてくださらないことなども伝えようかしら。
でも、家庭教師の先生が来てくれたら修道院に行くまでの間この離れの屋敷からは出ないで勉強するのに。
私の意志は固いですの。外から鍵をかけてもいいですわ。
契約書を交わしても良いですわ!なんせ、本気なんだからあああ!」
「…本当に契約書を交わしても良いのだな。
契約書といってもただのものではない。魔契約書だ。
違反すると魔力による罰則があるぞ。お前の寿命がすり減る可能性もある。
それでも学びの機会が欲しいか。」
「だからあ、本気と言っておりますのよ!私は覚悟ありますー!うええええーん!」
「よ、よし。良いだろう。それまで父上とは会えないが良いか?」
「良いって言ってますわーーー!ずびー!」
「よし、では家庭教師を手配しよう。同時に契約書を作成だ!待っておけ!」
「本当ですか!?嬉しい!女性が良いわ!
教師の資格があって知識が広く深く偏っていない人よ!
いろんな分野をしっかり教えてくれる人!私にはそれくらいできる人じゃなくっちゃ!
その辺の一般人を連れてきちゃ困りますからね、お兄様。」リリアの目に一瞬力が入った。
「わ、分かった。検討しよう。」
「あ、あと、最近デリスが疲れていると思うのです。
しばらく新しい私専属のメイドをつけて欲しいの。
家庭教師が決まってからで良いですわ!」
「メイドを新たに?デリスではだめなのか?」
「あの子がいると勉強に集中できない気がしますの。
せっかく勉強したい気持ちになったのにー。」
「分かった。それも受け入れよう。では、僕は戻るぞ。」
「お願いしますわよーーー!」
リリアは脂肪のたっぷり付いた巨体を揺らしながら兄ケントに大きく手を振った。
「何を思いつたかと思えばあいつ、本当の馬鹿だな。
あと半年で何ができるんだ。メイドの件もデリスを離すと言っていた。
デリスは金で操作しやすい軽薄で考えの浅い奴だから
リリアの監視役にちょうど良かったのだが。
妙に知恵の回る奴だと僕のリリアに対する関わりを見て僕を揺すったり、
父上に報告しかねないからな。
まあ、家庭教師もメイドの件も、魔契約を交わすことを考えれば些細なことか。
リリアの存在は僕にとって忌々しい。
魔契約の違反でリリアにもダメージを与えておこう。」
後日、家庭教師を紹介され、その場で修道院に向かう前日までリリアの離れ屋敷を出ないという魔契約を結んだ。
魔契約とはよくわからなかったが、お互いの血で署名する血判状のようなものだった。
皐月の時は経験がなかったので、実際ハンを押す時は流石に身震いした。
しかし時間がない。
多少のリスクは致し方がない。
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