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これからの事 3
しおりを挟む隣領バスク地区の修道院に行く3日前
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やっと屋敷から外に出ることが出来た。
リタさんに用意してもらった街に馴染む服を来て街を散策した。
一応デリスもついて来ているけど、多めの小遣いを渡すと物欲が高まり品物を移り気に見ていた。
別行動を提案すると
「えー困りますけどー。リリアお嬢様がどうしてもっておっしゃるなら。」
と全然困っていない表情で提案を受け入れた。
修道院にはリタさんに先に荷物を送ってもらっている。
セリ先生にリストアップしてもらった本を全て購入し送ってもらった。動きやすい服と靴も。
街に出て特に欲しいものはないのだが雰囲気だけでも知っておきたい。
「素敵な街ね…。」
父親という人が治めているこの領地は元々気候がいいのだろう。
とこ春で一年を通して温暖な気候らしい。柔らかい陽の光がぽかぽかと体を包み込んでくれる。
私の体はまだ贅肉が落ちきっていない。俗に言うぽっちゃりとデブの中間といったところかしら。
でも、やっぱり16歳の身体は定年前の皐月の身体とは全く違う。
一歩一歩に力が入る。体が多少重くても筋力で何とでもカバーできる。足取りが軽い。
このまま走っても長距離完走できそうだ。
「フフフフフ。私ったら。もともとスポーツは好きだったものね。
経済的な理由と時間のなさから試合にちょっと手伝いで呼ばれるだけだったもの。
でも、修道院に行ったら思いっきり体を動かしてみたいわ。」
この若さと身体があれば何でも出来そう、何でも乗り越えられそうな気がする。
街には子供たちの姿も目につく。
皆動きやすく質素だが所々オシャレに気を遣った服を着せてもらっている。
貧富の差も少ないようね。
果物屋さんで店を手伝っている小学生くらいの女の子が店先でりんごを並べている。
肌艶が良く、かわいいエプロンを着こなしている。
自主的にお手伝いをしているのかしら。小さな手でりんごを慎重に傷をつけないように並べているわ。
並べ終わった後母親らしき店のスタッフに自分の成果を自慢している。
頭を撫でてもらい嬉しそうに笑っている。
「子供の笑顔は本当にいいものね。」
私は子供を産む機会がなかったけど、子供は好き。透き通った目で真っ直ぐ見る仕草が大好きだ。
『せんせい、あのね、わたしね、あのね!』
教師をしていると子供たちが教えてくれること一つ一つが輝いていた。
小学校勤務だったから、子供の貴重な6年間を見るのは楽しかった。
自然とこの子たちの笑顔、輝きを守りたいと思った。
大人になれば嫌なことやどうしようもならないこともあるけど、この時間は綺麗なものをたくさん見て欲しい。
それが生きる糧になるから。
「修道院に行ったら、教師じゃなくていいから子供と向き合いたいわ。
どんな形でもいいから。荒れた場所にいくと言うことは、私の使命なのかもしれない。
子供が求めてくれるのならどんなことでもしよう。」
リリアはフッと息を吐いて柔らかい青の空を見上げた。
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