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その頃のロイ
しおりを挟むその頃、ロイは悶々としていた。
リリアには近づくなと言われた。
今の俺じゃ釣り合いが取れない。
覚悟が違うとか何とか。
何なんだよそれ。
リリアは今貴族の身分だ。
俺だって訳ありだが王家の血筋だ。
まあ厄介者扱いされているからここにいるんだが。
シスターとダンは知っている。リリアは知らないはずだ。
釣り合いなら十分だろ。
しかし、リリアは秘密が多すぎる。
何を考えてるんだ。
俺のこと子供扱いしてかわされる。
それとも信用されてないのか?
そもそも何で俺はこんなにあの短髪女のことで考えてるんだ。
女なんて俺の顔見ればすぐ誘ってくる。
身分は明らかにしていないが、この地区当主の屋敷に住んでんだから
それ相応の関係者ってことになってる。
ああ、短髪女は俺が好き嫌いじゃなくて関心が全くないんだ。
「クソっ!面白くねーな。」
「あっ!ロイだ!何怖い顔してるの?」
「何だよ。カイかよ。何花束持ってんだ?シスターに頼まれたのか?」
「違うよ。ジーナにあげるんだ。僕なんだかジーナのこと気に入っちゃったんだ。
お近づきの印にと思ってさ。」持っていた花束を見てニコニコしている。
「お前も物好きだな。あんな女のどこが良いんだ?女にしてはでかいし、今男みたいじゃないか。」
「ジーナは素敵な人だ。
強くて、優しくて賢くて。
確かに男の子だったらモテモテだろうね。でも女の子でもやっぱり良いなって思う。
ジーナといると何だか新しい良いことが起こりそうなんだ。
努力して良いことを起こしてみようって気持ちになる。
魔力はないけど、でも、僕のこれからを良いものにしたい。そんな気持ちにさせてくれるんだ。」
「な、何だよ。す、好きなのか?」
「好きだね。うーん憧れかもしれない。
恋人になりたいのか分からないけど。僕はまだ子供だから。
でもこの気持ちを知っていてほしいんだ。」
「相手が受け入れてくれなかったら?」そう、あの女リリア・アルバは貴族だ。
「良いんだよ。それでも。僕の気持ちを伝えることが大切と思うんだ。」
「そうか。お前すごいな。」
「ありがとう。じゃあ、行ってくる。ダン爺さんに邪魔されちゃうかもしれないけどね。」
笑いながら花束を大切そうに持ってまた廊下を歩き始めた。
「気持ちを伝えるか。俺のこの気持ちは何なんだろうな…。
今はただ、あの短髪女のことが知りたくて仕方がない。
あいつに対する嫉妬なのか、怒りなのか全く分からないが関心があることだけは確かだ。」
またため息をついて空を見上げた。
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