疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン

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あなたの事知っているわ 2

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「レディーダークさん。私、あなたの本当の名前を知っているわ。
あなたマーガレットでしょう?」

「あん?今マーガレットって言ったかい?何でそう思うんだ?」
レディダークが怪訝な顔でリリアに質問する。

「だって、あなたの瞳の色、そこにいるシスタージャスミンの色とそっくりだわ。
みんなそのアザばかり見ているのね。
シスタージャスミンと姉妹なんでしょう。」

「何で名前が分かるのさ。」

「シスタージャスミンの執務室で刺繍が飾ってあったの。
ジャスミンの横にマーガレットの花が描かれてあったわ。
質素な部屋なのにそれだけ温かみのある物だから見ていたの。

それとまだ足らない情報があるわ。」


「何だって言うんだい?」珍しくレディダークの体が前のめりになる。

「あなたとシスタージャスミン、人身売買と言いながらできるだけ子供を保護しているのでしょう?」

「は?」ダンとロイがかぶった。


「以前、私が髪を売って保護した少年、確かに身なりはボロボロで疲労も目立っていたわ。

でも食事は最低限させてもらっていた気配があったわ。
人身売買ってもっとおぞましいものでしょう。臓器や目玉の一つ売られてもおかしくない。
でもあの少年の必要なものは揃っていた。
それに、私が助けた時いやにあっさり引き下がられたのも気になっていたの。
もっと値段を釣り上げたり嫌がらせをされてもいい連中のはずなのにね。
少年に聞いたら魔契約で他の業者とは契約できない条件も入っていたのでしょう。

それも囲っているようで保護していたのね。あなたを見てこの仮説は事実と確定したわ。」


「嘘だろ…。そんなこと俺知らなかった…。」ロイが愕然とする。

「ガッハッハッハ!!なるほどね。ああ、今夜は面白い話ばかりだ。
お嬢さんその話は美化しすぎだ。そんないい話がそのへんに落ちてないよ。」


「…。リリア・アルバ。あなた、そこまで推察していたの。ねえ、マーガレット。
もういいじゃない。あなたの体もいつまでこんな状況を保てるか分からないわ。
ダメもとでリリアの話を受け入れてもいいのではないですか?」


「はー。シスター、その一言で全部バレてるじゃない。
まあ、いいわ。じゃあ、あたしからの条件。
お嬢さんあんたのそのイヤリング外して護衛に渡しなさい。」

「え?これは母の形見です。」ここに来て初めてリリアの表情が引き攣った。

「確認があるんだよ。とって食いやしないよ。ったく。」

リリアは渋々護衛にイヤリングを渡した。

レディダーク元より、マーガレットは虫眼鏡を使いイヤリングを鑑定している。

「あーやっぱりこれは精霊の石だね。珍しいね。石を見たのは人生で2回目だ。
ねえお嬢さん、あたしに近づいてグローブを脱ぎな。そのあと、あたしの手にあんたの手をかざしな。」


リリアは訳がわからないがマーガレットに近づく。何が起こっても良いようにダンが身構える。

ロイは何もできずハラハラしている。

リリアがマーガレットのあざだらけの手に自身の手をかざすと、あざが少し薄くなったように見えた。

「ああ、やっぱりね。あんた稀な魔力持ちだ。おっと。このあざはあたしの商売道具だ消えたら困るね。
席に戻ってくれ。」


「そういえば、一度だけ無我夢中で結界を張ったことがあります。
自分の片腕を失っても守るべき人がいたので。」


「あんたの生育環境が魔力を覚醒できないようにされてたんだろうね。
期が熟さないと覚醒しない魔力もあるから。あんたデブで醜くて性格も最悪だったんだろ?
その噂も聞いてたけど。なるほど。だからあのメイドをつけてここに来たのか。ああ、合点がいったよ。
あんたの身内の中に厄介なのがいるね。いつかそいつらとやり合わないといけないのは避けられないよ。
その魔力自分でコントロールできるように準備しておくことだね。」

「流石です。マーガレットさん。兄のことまで察していただいて。
あなたほど優秀な方はいません。あなたの体も心配です。どうかお願いします。
この修道院で薬草を作り売買することを認めてください。
この地区が再生すればあなたがここまで命を削る必要もなくなります。」

「はっ!この黒い体はあたしが好きでやってるんだよ。余計なお世話だ。
ただ薬草に関しては…。そうだねあんたのイヤリングが担保だ。

おっとそんな顔をするんじゃないよ。これも期が熟したらあんたに返す。
とっておきの情報と一緒にね。まずは薬草事業を軌道に乗せな。」

「は、はい。ありがとうございます。」リリアは嬉しすぎて涙を流しそうになる。

今までポーカーフェイスを保っていたが、
この世界で命を削り弱いものを守る人たちに会えて感極まってしまう。

「さっきからボーっとしているそこの坊や。あんたの事だよ。
この地区を表向き代表しているのは貴族だ。ずっと屋敷に雲隠れしてる引きこもりの若い男だ。
この坊やが世話になってる屋敷だよ。あんたここに入ってきたからにはこのお嬢さんの助けに少しでもなりたいだろ。
あんたに期待はしてないけど、顔繋くらいはやってやりな。」

「これからカズが働くお屋敷です。今お試しで出入りさせてもらっているはずです。」シスタージャスミンが補足する。


リリアはロイの顔を見た。ダンもジャスミンもマーガレットも護衛も全員ロイを見ている。


「こ、こんな状況で断れねーだろ。分かったよ!そこは俺がどうにかするよ!そんなジロジロ見るな!」
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