疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン

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一緒に未来を見ましょう

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「え?私が?ないない!もーロイってば突然褒め始めるからびっくりするわ。
私持ち上げても何にも出ないわよ。フフフフフ。変な子」

「変な子じゃない。男だ!
ああ、もういいよ。今の俺にはリリアは釣り合わないって言われているし。
今友達ならそれでいい。」

「???問題はなさそうかしら。では明日よろしくお願いいたします。
おやすみなさい。」

「ああ、おやすみ。また明日な。」

リリアが建物の中に入っていくまでロイは見続けていた。
(あいつ、ずっと屋敷に閉じこもってたんだよな。てか男との距離の取り方も分かってなさそうだし、かなり鈍感だし。今俺がすることはあいつを守ることだ。そのためには魔力を使えるようにしてもらわないと。
今ならあいつのために何だってできる。)


「おやすみ。また明日か…。」

はじめて言ったかもな。ロイは心がくすぐったくなる感覚を感じた。

どんどんリリアに心が惹かれている。

好きとか明確な気持ちはまだ決まらないが、守りたいし一緒にいたい気持ちになる。
カイの気持ちと同じように尊敬なのかよく分からないが嫌な気分じゃない。
自分にこんな気持ちがあるなんて。と一人考えた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


次の日、ロイが世話になっている屋敷の主人。

つまりこの地区の代表貴族当主の人物に会いにいく。
薬草の栽培と出店の許可を得るための大切な機会だ。

髪は短くしたしイヤリングも預けているが、レディダークことマーガレットと会う時とは違う清楚なワンピースドレスを選んだ。

髪が短い分、品のある帽子で髪を飾る。

メイクは若く見えないよう、でもいやらしくないよう上品で大人っぽい仕上がりにした。

ネックレスやブローチ、指輪など好みのものがないので
今度商談用に購入しなければならないと考えていた。


白いヒールを履いてロイに指定された屋敷近くの安全なお店に集まった。


ロイがリリア見て固まっている。


「な、なんでそんな格好してるんだ…?」

「何でって何で?相手に失礼のないようにでしょう?変かしら?」

「昨日の格好でいいだろ?」

「ロイ、あなたも身分のある身でしょ。
まずは、服から相手に形から敬意やメッセージを送るのが普通じゃない?
TPOのマナーでしょう?昨日の格好は論外だわ。」

「てぃー?ぴー?何んだよそれ。男になれとは言わないが、その格好は良すぎるんだよ。
何だよ俺のためにはこんな格好一回もしたことないのに…。ゴニョゴニョ。」


「ごめんなさい、後半が聞き取れなくて。なんて言っているの?」


「何でもない!何でもない!」
(俺は何を考えていたんだ。
まずはリリアをあいつに会わせることが今日の俺の役割だ。いらないことは考えないでおこう。)



一度、本日の相手先に伺う前にロイと最終確認をする。


バスク地区一帯をおさめているのはリリアの故郷アルバ家の隣領地領主の『ビッツ家』長男のラジオ・ビッツだ。


ビッツ家は王家との繋がりも濃いため、貴族としての格はアルバ家よりも高い。

でも、土地の豊かさはリリアの実家アルバ家の方が格段上だ。

まあ、治める方法があまり上手ではないのも事実だ。

それでも何とか威厳が保てているのは、ビッツ家代々魔力が強いものが多いため軍事力には定評がある。
ただ、結局軍事力だけが高くても、土地の活用に目がいかないので領地の財政は厳しい。
特にバスク地区は荒れ方がひどい。

元々は小規模貴族がそれなりにおさめていたが、もっと税収を見込めると判断され、課税を強めた。
でも、その後、代表貴族が離散しバスク地区代表のなり手がいなくなった。


しばらく代表がいなくなったこともあり、訳のわからない輩が多く集まり誰もおさめたがらない土地となった。

7年前に当時20歳のビッツ家長男がバスク地区周辺の当主となった。

長男だが、ビッツ家に珍しく魔力が少ないため不出来と言われている。

ビッツ家のメンツを保っているのが魔力なのに、長男が魔力をほとんど持っていないのは都合が悪すぎるから、
この土地代表という形の厄介払いで来たのがラジオ・ビッツだ。


「何だか、誰かさんの話と被るところが多いんだよなー。」

「誰かさんってリリアさんと言う方かしら?」とぼけた顔をわざと作ってロイを見る。

「さあね。それを言ったら俺も被るけどな。ただ、ラジオの場合はそんなに悪い噂はないんだよ。
どっちかというと悪評より影が薄いんだ。いてるかいてないか分からないような存在にされている。
俺はラジオと昔からつるんでいるけど、根は優しい奴だ。魔力はほとんど無いけど器はあるはずなんだ。
でも誰かの魔力をもらうのを極端に嫌がるんだ。」


「貴族の長男だったらお金を積んででも魔力が欲しいところなんでしょう?
お金で魔力の取引も可能なのよね。法律的にはグレーゾーンみたいだけど。」


「だからだよ。自分のせいで誰かが無理やり魔力を奪われるかもしれないって考えるやつだ。
貴族の長男なのに優しすぎるんだ。俺の魔力を渡そうとしてこともある。
それも、いつか俺に魔力が必要となるかもしれないからいらないって怒られた。」

「なるほどね。だからロイもそのラジオ様が好きなのね。」

「好きとか言うなよ。男だぞ。」

「男女は関係ないわ。でも、話を聞くと尊敬できる人格の方ね。」

「リリアは色々と視野が広いな。ラジオも魔力以外で家に貢献しようと勉強をよくしてたんだ。
それこそ薬草とか医療の分野も関心があったんだが、ラジオの実家ビッツ家は魔力が強い奴ばっかりだろ?
その中に治療師も多いんだ。商売の邪魔になるから変なことをするなって親族中から叩かれたらしい。
その時のショックでバスク地区に来てからもずっと屋敷にこもっている。」

「まあ、薬草に関心が?素敵じゃない!仲良くなりたいわ!」

「それがな、ショックからちょっとおかしくなってて、普通に話が難しいんだ。まあ、実際見ればわかるか…。
そろそろ行くぞ。」


「???そうね。参りましょう。」




店を出る際、ロイがお茶代を支払ってくれた。リリアが礼を言う。

「今回の顔つなぎのお礼もできてないし、ジルさんを王都に連れて行ってもらう件もあるし、
何だかロイには色々巻き込んでしまって、

本当に感謝しています。ありがとうございます。」

「な、何だよ改まって!と、友達なんだろ?変な敬語やめろ!俺に借りがあるならまずはその変な態度をやめろ。
リリアはまだマシになった方だが俺のことを子供扱いするだろ。
お前の方が年下なのに。上からものを言われる時もあるし、それで線を引かれたような気分になる。
まあ、俺が色々できてないから仕方ないけど、

もっと友達として接して欲しい。もっと砕けてほしいし。
俺もリリアに釣り合いが取れるよう頑張るからリリアも俺に近くに来て欲しいんだ。」
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