疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン

文字の大きさ
69 / 134

聞いてほしいことがあるんだ

しおりを挟む


「何の騒ぎだ。私がこの催しの責任者だが、説明してもらおうか。」


ラジオが姿を現した。

「子供にラジオ様をここに呼ぶよう頼んでおいたの。
このタイミングで出てくるっていることはもっと前から見ていたのでしょうね。」リリアはロイに耳打ちする。

「このおじさんが私に因縁つけてきて困っています。
ちゃーんと高い参加費も払って、むずかしーい課題もクリアしたのに約束守ってくれないんですよ。」
わざと今回のイベントの趣旨とは違う商売をしている部分を強調して伝える。


後ろから屋敷の執事とカズも登場する。

「ラジオ様ー。ここは私とカズが収めますー。さあさあ、参加されている皆さんは他にもお店があるのでお楽しみくださいねー。カズー、まずはこの屋台を解体しましょうねー。店主さんはあなたですかー?あちらでお話しききますねー。」
と普段通りの飄々とした対応で場を鎮めてくれた。

「リリア、ロイ、すまない。私が誘致した屋台で変なものが紛れてしまったみたいだ。
この催しの今後の課題が見えた。ありがとう。そしてリリア、君の投球は素晴らしかったよ。」

ラジオはひそひそ声で謝罪した。

「それと、ロイ、女性とのデートでは花を贈るのが基本と伝えたはずだよ。
あそこの屋台に花を配っているからもらっておいで。その後はどうするか分かっているね。」

「わ、分かってるよ。俺たちあんまり目立ちたくないからもうここを出る。
ラジオ、ありがとう。子供たちがすごく良い顔をしている。良い催しだと思う。定期的に開催できたらいいな。」

「ありがとう。僕もすごく楽しい。じゃあ呼ばれているから行くね。」

ラジオは爽やかな笑顔で場を離れていった。



ロイは花の屋台に行き一輪花をもらいに行った。

花屋のおばちゃんがロイに話しかける。

「イケメンのお兄ちゃん。あんたの彼女すごいね。女の子にしては珍しい強気で賢い子だ。
でも、お兄ちゃんもすごいよ。

男は女を馬鹿にしてばかりだけどあんたはあの子を止めなかった。
お兄ちゃん顔だけじゃなくて男しての器もデカくて良い男だよ。他の男もお兄ちゃんを見習って欲しいよ。
これ、彼女に喜んでもらえるといいね。」

とピンクの綺麗なバラを渡してくれた。


屋台の離れでリリアを待たせていたが、リリアはジーナとして修道院を出入りしている子供たちに囲まれていた。

「ジーナ、球投げがすごく上手なのね。びっくりしちゃった。」

「ジーナ、女の子はスカートの下にズボン履いてちゃダメなんだよ。でも、カッコよかった。オレジーナみたいなかっこいい女の子好きになりそうだよ。」

「ジーナ、今日お化粧してすごく可愛い。今日はロイとデートなの?」

何人もの子供たちから質問攻めにされている。みんな太陽の下ですごく良い顔をしている。

「お小遣いは上手く使えたかしら?今日はみんなが勉強してお手伝いしているみんなに楽しんで欲しいからラジオ様が開催してくれた催しなの。また良い子にしていれば開催してくれるそうよ。」

「やったー!ねえ、ジーナはロイが好きなの?ラジオ様が好きなの?今日はロイといるじゃない。」

「二人とも大好きよ。」

「でも、ロイといることが多いよね。」

「そうね。ロイはいつも私の側にいてくれているわね。
私はロイがいてくれるから安心して動けるの。
ロイは私を止めたりしないし、いつも私の心配をしてくれるの。素敵な男性よ。」

「お、お待たせ…。」ロイが赤い顔でリリアの元に近づいた。

「あ、ロイだ。ジーナがロイのこと素敵だって。私もロイかっこいいから好きー!」子供たちは無邪気に話す。

「わ、分かった。俺たちは疲れたから先に帰る。じゃあな。行くぞ。」

「ええ。じゃあ、みんな暗くなる前に帰るのよ。また明日修道院でね。」






「リリア、これ花屋で貰った。リリアにって。」

薔薇の花を渡す。棘が処理してあり持ちやすくしている。

「わあ、綺麗。丁度今日は髪の毛を編み込んでいるからお花を髪飾りにできるわ。ありがとう。」
リリアは花を髪に飾った。

花を飾ったリリアは一段と華やかになりロイは素直に綺麗だと思った。


リリアを修道院まで歩いて送るとロイが提案した。

今日一日色々なことがありすぎた。

「なあ、リリア。今日俺と一緒にいて楽しかったか?」

「ええ、もちろん。こんなに楽しかったのは初めてかも知れないわ。
でもロイは気を悪くする事はなかった?あの店員が女が出しゃばるなって言っていたけど、確かに出過ぎたと反省しているの。男性にとったら良い気持ちにはならないわよね。」

「…。そんな事ない。」

「そうだったら良いけど。この世界が女性にとってとても生きづらいと言うことは分かったわ。」リリアは苦笑する。




「なあ、リリア。ちょっと俺の話を聞いてほしい。」
ロイが真剣な表情でリリアを見つめる。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢の生産ライフ

星宮歌
恋愛
コツコツとレベルを上げて、生産していくゲームが好きなしがない女子大生、田中雪は、その日、妹に頼まれて手に入れたゲームを片手に通り魔に刺される。 女神『はい、あなた、転生ね』 雪『へっ?』 これは、生産ゲームの世界に転生したかった雪が、別のゲーム世界に転生して、コツコツと生産するお話である。 雪『世界観が壊れる? 知ったこっちゃないわっ!』 無事に完結しました! 続編は『悪役令嬢の神様ライフ』です。 よければ、そちらもよろしくお願いしますm(_ _)m

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?

雨宮羽那
恋愛
 元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。 ◇◇◇◇  名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。  自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。    運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!  なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!? ◇◇◇◇ お気に入り登録、エールありがとうございます♡ ※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。 ※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。 ※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))

ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます

五珠 izumi
恋愛
城の下働きとして働いていた私。 ある日、開かれた姫様達のお見合いパーティー会場に何故か魔獣が現れて、運悪く通りかかった私は切られてしまった。 ああ、死んだな、そう思った私の目に見えるのは、私を助けようと手を伸ばす銀髪の美少年だった。 竜獣人の美少年に溺愛されるちょっと不運な女の子のお話。 *魔獣、獣人、魔法など、何でもありの世界です。 *お気に入り登録、しおり等、ありがとうございます。 *本編は完結しています。  番外編は不定期になります。  次話を投稿する迄、完結設定にさせていただきます。

戦姫のトロイメライ~断罪される未来が視えたので先に死んだことにしました

志熊みゅう
恋愛
 十三歳の誕生日、侯爵令嬢エディット・ユングリングは、自分が死ぬ瞬間を"夢"に視た。  卒業舞踏会で、婚約者であるフィーラ帝国・第一皇子マティアス殿下から、身に覚えのない罪で断罪され、捕らえられる。傍らでは見知らぬピンクブロンドの令嬢が不敵に微笑む。貴族牢のある北の古城に連行される途中、馬車ごと“死の谷”へと落ちていった――そんな妙に生々しい夢。  マティアス殿下は聡明で優しく、エディットを大切にしているように見えた。だから誰もその"夢"のことを気に留めなかった。しかし、兄の怪我、愛猫の死、そして大干ばつ――エディットの"夢"は次々と現実になっていく。ある日、エディットは気づく。この"夢"が、母の祖国・トヴォー王国の建国の軍師と同じ異能――"未来視"であることに。  その頃、一年早く貴族学院に入学したマティアス殿下は、皇宮から解放され、つかの間の自由を知った。そして、子爵令嬢ライラに懸想するようになる。彼女は、"夢"の中で冷酷に微笑むあの令嬢に瓜二つ。エディットは自分が視た"夢"が少しずつ現実になっていくことに恐怖した。そんな時に視た、黒髪の令息が「愛しているよ」と優しくはにかむ、もう一つの『未来』。エディットは決心する。  ――断罪される未来を変えたい。もう一つの未来を自分で選び取る。  彼女は断罪される前に、家族と共に自らの死を偽装し、トヴォー王国へと身を隠す。選び取った未来の先で、エディットは『戦姫』として新たな運命の渦に飲まれていく――。  断罪の未来を捨て、愛する者のために戦う令嬢の恋愛ファンタジー!

ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~

紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。 毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない

魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。 そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。 ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。 イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。 ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。 いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。 離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。 「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」 予想外の溺愛が始まってしまう! (世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!

処理中です...