疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン

文字の大きさ
89 / 134

その日起きたこと 3

しおりを挟む
その頃、ダンは自宅に戻り、普段手入れしていた道具や服を取り出し自分の身につけている。精霊もダンについて行動している。
「やっぱり、どいつもこいつも平和ボケしてったってことだな。ちび!オレの事はどうでもいいからお嬢ちゃんのことをしっかり守れよ。オレがターゲットを狙うときは相手が油断している時だ。ったくどいつもこいつもお坊ちゃんお嬢ちゃんだからなあ。」

精霊は何ともいえない表情で返事をしなかった。





リリアとロイはバスク地区と隣地区の境に移動し極力修道院から距離を空けたところで対応したかった。
しかし、それより早く相手が来てしまった。

マーガレットのいう通り、まがまがしい魔力をまとった何者かが近づいてきた。
その者の姿を見てリリアは驚愕した。
「あ、あなたは…!」






「あ、あなたは…デ、デリスなの…?」



黒い魔力に覆われ、以前のマーガレットのように体のところ所が黒いあざになっている。

でも、顔はあのデリスだ。一部黒いあざのある顔には憎しみや怒りの感情が刻み込まれている。
リリアを確認するとさらに表情が険しくなる。

「ああ、リリア様ですね。お久しぶりです。フフフフ。私がいない間にそんなカッコイイ彼氏ができたんですか?あんな豚だったのに。あの豚のような醜いお姿を彼氏に見せて差し上げたいですよ。」ロイを見てデリスは言う。

「デリス、あなたなんでそんな姿でこんな所にいるの?」

「はあ?あんたがそれを言う?あんたのせいで私はアルバ家のメイドを解雇されたのよ?」

「確かに、お父様の手紙にデリスがアルバ家の領地に帰ってもアルバ家との関係は切るようにって頼んだわ。
でも、それは私のこの姿を見ればケントお兄様があなたを責めるはずだからよ。あなたの保護のために解雇を頼んだの。それに給料以上の手当は十分に出したはずよ。」

「ええ。お金は貰いました。でもね、アルバ家のお給料ほどもらえる仕事なんてないのよ。その辺の働き口じゃもらえる額なんて知れてるわ。私に惨めな暮らしは似合わないの。ああ、リリア様と身分を入れ替えた時は楽しかったなー。あの暮らしをまたしたいなーと思いましてね。」

「それは、私は関係ないじゃない。身の丈に合った暮らしってあるでしょ?お金が欲しいなら努力して自分の技術を磨けば良いじゃない。」

「うるさい!ばか令嬢のくせに私に説教なんてするな!
でも、まあ。あるお人から名誉挽回のチャンスはもらったんですよ。リリア様をアルバ家に連れ戻すかあ、ここで半殺しにするかあ、殺しちゃうか。それが出来たら私またあの優雅な生活をさせてもらうってあの人と約束したんだあ。」
にたりとデリスが不気味に笑う。

「あの人って、ケントお兄様のこと?」

「ふっふっふっふー。な・い・しょ。その人に、あんたを痛めつけるための魔力をもらったんだ。何だか体が黒くなったけど元にもどるからって。ああ。この魔力ならリリア様に負ける気がしないわ~。」
デリスは両手に力を入れると黒い魔力がさらに大きく波打った。

「デリス、やめておきなさい。そんなに魔力を無理にねじ込んだら、取り込まれるわ。今だってあなた冷静じゃないわよ。体や精神への負担が大きすぎるわよ。」

「だからうるさいって言ってるでしょ!目障りなのよ!ケント様もあんたの消したいくらいなんだから相当よね。誰からも愛されない馬鹿令嬢、リリア様。私が消して差し上げます。クックック。」

「やっぱりケントお兄様の差金ね。あなた利用されているだけよ。元の体に戻れなくなるわよ。それでもいいの?」

「何度も言わせないで!う・る・さ・い!」

そう言いながらデリスはリリアめがけて黒い火の玉を魔力で飛ばした。

「やめろ!」咄嗟にロイがリリアの前に結界を張った。

ロイの結界が金色であることをデリスが見てしまった。

「はあ!?嘘でしょ?あんたの魔力金色じゃない!?え?王族?王子様?

何よ!私をここから追い出しといて、自分は王子様とちゃっかり出来ちゃってんじゃない!
許せない!何であんただけイイ思いしてんのよ。この豚リリア!!」

連続して黒い火の玉をリリアにぶつける。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢の生産ライフ

星宮歌
恋愛
コツコツとレベルを上げて、生産していくゲームが好きなしがない女子大生、田中雪は、その日、妹に頼まれて手に入れたゲームを片手に通り魔に刺される。 女神『はい、あなた、転生ね』 雪『へっ?』 これは、生産ゲームの世界に転生したかった雪が、別のゲーム世界に転生して、コツコツと生産するお話である。 雪『世界観が壊れる? 知ったこっちゃないわっ!』 無事に完結しました! 続編は『悪役令嬢の神様ライフ』です。 よければ、そちらもよろしくお願いしますm(_ _)m

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?

雨宮羽那
恋愛
 元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。 ◇◇◇◇  名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。  自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。    運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!  なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!? ◇◇◇◇ お気に入り登録、エールありがとうございます♡ ※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。 ※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。 ※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます

五珠 izumi
恋愛
城の下働きとして働いていた私。 ある日、開かれた姫様達のお見合いパーティー会場に何故か魔獣が現れて、運悪く通りかかった私は切られてしまった。 ああ、死んだな、そう思った私の目に見えるのは、私を助けようと手を伸ばす銀髪の美少年だった。 竜獣人の美少年に溺愛されるちょっと不運な女の子のお話。 *魔獣、獣人、魔法など、何でもありの世界です。 *お気に入り登録、しおり等、ありがとうございます。 *本編は完結しています。  番外編は不定期になります。  次話を投稿する迄、完結設定にさせていただきます。

戦姫のトロイメライ~断罪される未来が視えたので先に死んだことにしました

志熊みゅう
恋愛
 十三歳の誕生日、侯爵令嬢エディット・ユングリングは、自分が死ぬ瞬間を"夢"に視た。  卒業舞踏会で、婚約者であるフィーラ帝国・第一皇子マティアス殿下から、身に覚えのない罪で断罪され、捕らえられる。傍らでは見知らぬピンクブロンドの令嬢が不敵に微笑む。貴族牢のある北の古城に連行される途中、馬車ごと“死の谷”へと落ちていった――そんな妙に生々しい夢。  マティアス殿下は聡明で優しく、エディットを大切にしているように見えた。だから誰もその"夢"のことを気に留めなかった。しかし、兄の怪我、愛猫の死、そして大干ばつ――エディットの"夢"は次々と現実になっていく。ある日、エディットは気づく。この"夢"が、母の祖国・トヴォー王国の建国の軍師と同じ異能――"未来視"であることに。  その頃、一年早く貴族学院に入学したマティアス殿下は、皇宮から解放され、つかの間の自由を知った。そして、子爵令嬢ライラに懸想するようになる。彼女は、"夢"の中で冷酷に微笑むあの令嬢に瓜二つ。エディットは自分が視た"夢"が少しずつ現実になっていくことに恐怖した。そんな時に視た、黒髪の令息が「愛しているよ」と優しくはにかむ、もう一つの『未来』。エディットは決心する。  ――断罪される未来を変えたい。もう一つの未来を自分で選び取る。  彼女は断罪される前に、家族と共に自らの死を偽装し、トヴォー王国へと身を隠す。選び取った未来の先で、エディットは『戦姫』として新たな運命の渦に飲まれていく――。  断罪の未来を捨て、愛する者のために戦う令嬢の恋愛ファンタジー!

ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~

紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。 毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

王宮侍女は穴に落ちる

斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された アニエスは王宮で運良く職を得る。 呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き の侍女として。 忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。 ところが、ある日ちょっとした諍いから 突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。 ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな 俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され るお話です。

処理中です...