疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン

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捕獲

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地響きがなった所には、ダンを通せんぼするように巨大な大木が一瞬のうちに地面から生えていた。




「何だこれ!どうなってんだ!」大木の根がダンの足に絡みつき、そのせいでダンの自由が奪われていた。





すると、騒ぎを聞きつけた偵察隊が駆け寄ってきた。




「この男性老人が捕獲要請の出ていた者だ!すぐに身柄を拘束せよ!」



ダンの周囲を大人数の偵察隊が取り囲んだ。


教会の者も数人いたが手出しができないようだ。


「情報によると、暗殺者の経験あり!攻撃に気をつけろ!」など警戒されている。



「…。こんな腕っ節の良さそうな男たちに取り囲まれるような経験はねえよ。反撃はしねえ。早く連れてけ!…潮時だ…。」


ダンは武器を捨て、両手を上げて攻撃の意思がないことを表示した。



「捕獲!」
数人の偵察隊がダンに飛びかかろうとするので、ロイが

「この人は無抵抗だ!手荒なことをするな!」と叫ぶ。


運よく偵察隊の中で知っているスクーが立ち会っていたので指示を出してくれた。


「その老人は容疑者であり、罪人として確定していない!手荒な方法での捕獲はやめろ!」



スクーの指示により、偵察隊の勢いが緩まり、ダンが痛い思いをすることはなかった。


「スクーさん。助かった。ありがとう。」


「…今回は介入できましたが、これからの彼の安全は保障出来ません。

では。」


スクーはロイに頭を下げて偵察隊の施設に向かって行った。


ダンは、数人の男たちに囲まれ、魔力が出せないよう装具を手につけられ施設に連れて行かれてしまった。



精霊もダンについて行く。

偵察隊の誰も精霊を見えておらず、気がついていなかった。




「ありゃまあ、ダンの奴連れてかれたね。」マーガレットが困ったように言う。



「困りましたねー。あんな大木出すなんてー。あれは精霊の力ですかねー?
まー考えようによってはー国家機関に拘束された方が、教会に捕まるよりまだマシと言えますねー。」


「だろうね。教会ならあいつ速攻で殺されるよ。
あの組織の奴何人かにダンは依頼されて手にかけてるしね。口封じもいいところだ。

国家機関なら拷問するにも記録義務やマニュアルも一応はあるからね。

ラジオ様からそこんところの圧を入れておくんだよ。

ロイもしっかり裏から手を回しな!今できることはそれだ!



あとアルバ家のお嬢ちゃん!あんたいつまでもメソメソしてんじゃない!

弱い馬鹿な女はいらないよ!

これから考えること、やることが山積みだ!そんな体でいられたら邪魔なんだよ!」
マーガレットがリリアに睨みを効かせながら怒鳴る。



リリアはぼんやりした表情から、マーガレットの喝で現実に戻った。

でもまだ不安に揺れ動く。

「ご、ごめんなさい。私は…。」リリアは言葉に詰まる。


「リリア、大丈夫だ。俺が絶対隣についている。これからダンのジジイをみんなで取り返そう。」
ロイがリリアの肩に手を回す。


「そうだよ。リリア。僕たちのダンさんだ。これはバスク地区の課題なんだよ。僕たちの課題だ。」

ラジオも優しく諭す。


「そうです。リリア・アルバ。確かに今まではあなた一人に背負わせていました。
しかし、ダンの事、これからのこの地区のことは私たちで解決するのです。
分かりますね?」

シスアージャスミンもリリアの目をしっかり見ながら語りかける。



「はっ。そう言うことだよ、アルバ家のお嬢さん。

ダンを取り返す為にはあんたもやってもらわなきゃならない事だらけだ。

あんたの魔力を使ってどんぱちもありえるんだ、早く体を元に戻すところから始めな。

それがあんたの今の仕事だ!わかったね!」




「わ、分かりました!そうね!フラフラしていられないわ!ダンさんをこの地区に戻すのよね!そうよ!

ケントお兄様だろうが何だろうが、立ち向かって見せる!

みんながいるもの。何とかなるわよね。」

リリアは自分を奮い立たせるように希望を言葉にした。


「そうだ!リリア!俺たちは終わりじゃない!これからだ!…と言いたいところだが、

リリア痩せすぎだ。今からすぐ帰ってリタさんにご飯を作ってもらおう。」
ロイは苦笑している。


「そ、そうね。気合を入れようにも力が全然出ないわ…。」リリアも苦笑いだ。


「さあ!明日の朝イチで会議だ。
ダンはあのクルーって奴がいれば当分は大丈夫だろ。
あたしたちも体制を整えるよ!」


「はいー。では明日の朝会議室に集合お願いしますー。今日は解散ですー。ラジオ様帰りましょうー。就眠が遅くなりますー。」
と執事の場違いな掛け声で、良くも悪くもみんなの気が抜けた。
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