疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン

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勾留中 2

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数日前、ほぼ裸の格好が原因か、珍しく熱があった。喉が痛い。軽い風邪を引いたらしい。


まあ、放っておけば時期に治るだろう。

世話係に言うことでもねえ。

こんなジジイ放っておいたほうがいいだろうし大人しく寝ておくか…。と床に直接寝ていた。

悪寒が出始めた。仕方がねえ。寒いがこれを過ぎたら熱くなるだろう。と体を丸めていた。



ウトウト寝ていたら、柔らかいもので包まれ、暖かくなった。


ふわふわ?いや、ホワホワか…。

感じたことのない感覚だ。

これが気持ちの良い感覚っていうんだろうな。

ああ、もしかしてあの世の天国ってのはこんなところ何だろうか…。


半分意識が飛んでいる中、目をうっすら開けると、精霊のチビが心配そうに俺の顔を覗いていた。

チビの周りには綿花のような植物が沢山育っていた。気がつけば、その綿に自分が包まれている。



「ここは拘束室だったよな。ああ…。チビが看病してくれてるのか…。こんなに優しい場所は初めてだ…。ありがとよ。チビ。」と言い、また眠気が襲ってきたので目を閉じた。





それを、扉の隙間から世話係の男が見ていた。

意識が半分ない状態で、ダンは気がついていなかった。




目が覚めると、チビも綿花も無くなっていた。

体は軽くなり、寒気や熱感もスッキリ無くなっている。
「あれは夢だったか…。いや、チビの力だな。

チビ、ありがとな…。」

ダンは小さな窓の方を向いてつぶやいた。


勾留中で拘束されているが、まあまあ穏やかな日々だ。

しかし、そろそろどこかから何らかのアクションを起こしてくるだろう。

俺の裁判や処刑の話も進めるだろうしな…。







そう思っていた頃に、教会の服を着たやたらと偉そうな態度の奴が俺の事を見物しに来た。



そのために、ダンは朝から両手を縛られていた。


「お前が、修道院で殺人を犯した男か。」

(何だこいつ、着ている服からして司教あたりか…。ここまで人相の悪い教会人も滅多にいねえな。
性格が悪人顔に出てるぞ。

しかも、殺したのは修道院内じゃねえし。)


「…。」

ダンは返事をせず、悪人顔の男をじっと睨んでいた。


「おい!何とか言えよクソジジイ!お前なんて俺の指示一つで殺せるんだからな!這いつくばって命乞いでもしろよ!」

とダンの体に蹴りを入れる。


「お、おやめ下さい司教様!」

「あ?お前こいつの世話係だっただろ!?こいつ何でこんな健康そうな体してんだよ!全部弱らせろって命令しただろ!」


「す、すみません!し、しかし、しかしですよ!こやつを半殺しにすれば国家機関が絡んできます!
今は面倒が起きるだけです!司教様!ですからお納めください!」


「ぐぬぬぬ…。俺が拷問してやろうと思ったのに…。運のいい奴め。」

「…。」

ダンはまだ司教を黙って睨んでいる。


そこに、精霊が窓から入ってきた。

ダンが蹴られたところから血が出ていたのに気がつき、ダンにすぐ近づいた。




世話係は不思議に思った。

司教と言えば、訓練を積み、徳を積み神聖な力を育んだ者たちのはずだ。
何故、こんな目の前に精霊が姿を表しているのに反応しないのだ?と。



「し、司教様、あの、せ、精霊が…、精霊様が…。」

「は?お前何を言っておる。頭がおかしい者の世話をしてお前もおかしくなったか。

もう良い!気分が悪い!俺は帰る!」

と司教は不機嫌にドアを荒々しく閉めて去って行った。




「…。」

「…。」
ダンも世話係もしばらく無言でいた。




「お前、やっぱり精霊見えてるよな…。」

「…。はい。初めは、頭がおかしくなったと思いました。でも、あなたが病の時、精霊様があなたを介抱している姿を見て、なんて神々しくて美しいんだと…。

聖職に就いていれば皆見えるのだと思っていました。

でも、今日の司教様は違った…。僕が信じてきたものは何だったのでしょう…。」


「あの悪人顔の司教は信じねえほうがいいんじゃねえか。でも、俺を信じるのもいけねえ。自分で考えろ。」


「はあ…。」

世話係は項垂れてそれ以上何も言えなくなっていた。

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