108 / 134
捜索 3
しおりを挟む
ケントの感情や思考が混乱しているところに、慌ただしい声が聞こえてきた。
「ケント様ー!!やっと追いつきました!!何をされているのですか!?」
息を切らした執事のゲイブがやってきた。
後ろからランタンを持ってヘトヘトになっている司教もいた。
「ケント様!あれほど私から離れないで下さいと忠告したではないですか!あなたの安全を考えているのですよ!」
「ここまで、よく来れましたね。」スクーが割って入る。
「あなたもひどい人だ…。我が主人をそそのかしてはいないだろうね?」ゲイブはスクーを睨んでいる。
「ふうー。もう辺りは暗いぞ。
全くこんな時に埋葬場所なんざ探さなくても良いのに。
やれやれ。
しかし、俺は天才だ。
ケント様、この精霊の石でできた宝石のペンダントをかざすと草が低くなり道ができるのですよ。
いやあ、精霊の石は地味だがオークションでたまたま出品していたから買っていてよかったあ。
こんな地味なペンダントなのに結構なお金を取られましてな。
まあ、今回こんな使い方が出来るとは驚きですよ。
ゲイブさんあなた私に恩が出来ましたなあ。はっはっはっは。」
司教は下品に笑う。
「精霊の石…?」司教が手にしているペンダントを見ると、少し光っている。
(このペンダント…、妹のリリアが最後の晩餐の時につけていたものに質感が似ているような…。)
「ああ!この黒いかたまりが例の魔力に取り込まれたメイドですな!?」
司教が大きく反応する。
ケントのように恐怖で顔が引き攣ることもない。それはゲイブも同様だった。
「そのようですね。」
と言いながら何の躊躇いもなく頭部に手をやり確認する。
「何か?」
スクーがゲイブに質問する。
「いえいえ、ちょっと…。」慣れた手つきで口腔内を探っている。
魔法道具が嵌め込まれているのを確認すると
「ああ、これはひどい。かわいそうに。こんなもの仕込まれている。
誰がこんな恐ろしいものをデリスに付けたのだろうか。」
とわざとらしく悲壮な表情で話す。
「これは、アルバ家で装着したのではないのか?」スクーが問う。
「物騒なことを言われると、こちらも気が悪いですな。
こんなもの我々はつけませんよ。言いがかかりはやめてください。」
ゲイブは不機嫌にスクーを威嚇する。
ゲイブはテキパキとデリスの遺体を触り、とどめの攻撃された部分と、ダンの使用していた刃物の切り口が似ていることを確認した。
「さあて、これであの老人がうちの大切なメイドを殺害したと立証できました。やれやれ…。」
面倒そうな表情だ。
スクーは色々思うところはあるが、次の行動に出る。
「我々はおおかた検証が済んだので、一度休憩に戻ります。
世話係の方もかなり体力を消耗しているようなので、一緒に待機場所まで戻ります。
ケント様はいかがなさいますか?」
スクーがケントに聞く。
「…。少し離れたところで休んでから待機場所に戻る。」
ケントはまだ吐き気が治らない。ずっと口にハンカチを抑えている。
「ああ、ケント様。汚らしいものを見て気分が悪くなられましたか。
どうぞ、そちらで休憩なさってください。わたしと司教殿で今後を考えますから。」
とゲイブは遺体から少し離れたところに布を敷き、ケントを誘導した。
「…。では、我々はこれで。失礼します。」スクーと世話係は場所を離れた。
人気がいないとこまで進むと、スクーが世話係に説明する。
「これからのことも記録すると言っていたな。執事と司教のやりとりが視覚に入るところまでここから移動して近づく。
それで良いか?」
「は、はい。お手数かけます。よ、よろしくお願いいたします。」
「いや、俺も偵察隊で記録玉を作成する者と仕事をしたことがある。
ただ、記録能力のある者は偵察隊でも、圧倒的に少ない。
この件が終わったら国の機関で働くこともできるのだぞ?」
「…。あ、ありがとうございます。でも、秘密保持が厳守でしょう?む、向いていないのは分かっています。」
世話係は真顔で答える。
「…、あ、ああ。確かに。そうかもな。」スクーは失礼と思いつつも納得した。
「まあ、今から見えるものを見て、今後の身の振る舞いを決めるのもいいかもな。」
「は、はあ。」
世話係はどう言う意味か分からなかったが、曖昧に返事する。
「さあ、では行くぞ、俺に捕まれ。」
スクーは魔力で風を起こし、空中を階段のように駆け上がり、執事と司教のやりとりが見える木の上に場所を構えた。
ここからは無言でのやり取りとなる。
世話係の目を見て、新しい記録玉を渡す。
世話係もペコリと頭を下げ受け取った。
「ケント様ー!!やっと追いつきました!!何をされているのですか!?」
息を切らした執事のゲイブがやってきた。
後ろからランタンを持ってヘトヘトになっている司教もいた。
「ケント様!あれほど私から離れないで下さいと忠告したではないですか!あなたの安全を考えているのですよ!」
「ここまで、よく来れましたね。」スクーが割って入る。
「あなたもひどい人だ…。我が主人をそそのかしてはいないだろうね?」ゲイブはスクーを睨んでいる。
「ふうー。もう辺りは暗いぞ。
全くこんな時に埋葬場所なんざ探さなくても良いのに。
やれやれ。
しかし、俺は天才だ。
ケント様、この精霊の石でできた宝石のペンダントをかざすと草が低くなり道ができるのですよ。
いやあ、精霊の石は地味だがオークションでたまたま出品していたから買っていてよかったあ。
こんな地味なペンダントなのに結構なお金を取られましてな。
まあ、今回こんな使い方が出来るとは驚きですよ。
ゲイブさんあなた私に恩が出来ましたなあ。はっはっはっは。」
司教は下品に笑う。
「精霊の石…?」司教が手にしているペンダントを見ると、少し光っている。
(このペンダント…、妹のリリアが最後の晩餐の時につけていたものに質感が似ているような…。)
「ああ!この黒いかたまりが例の魔力に取り込まれたメイドですな!?」
司教が大きく反応する。
ケントのように恐怖で顔が引き攣ることもない。それはゲイブも同様だった。
「そのようですね。」
と言いながら何の躊躇いもなく頭部に手をやり確認する。
「何か?」
スクーがゲイブに質問する。
「いえいえ、ちょっと…。」慣れた手つきで口腔内を探っている。
魔法道具が嵌め込まれているのを確認すると
「ああ、これはひどい。かわいそうに。こんなもの仕込まれている。
誰がこんな恐ろしいものをデリスに付けたのだろうか。」
とわざとらしく悲壮な表情で話す。
「これは、アルバ家で装着したのではないのか?」スクーが問う。
「物騒なことを言われると、こちらも気が悪いですな。
こんなもの我々はつけませんよ。言いがかかりはやめてください。」
ゲイブは不機嫌にスクーを威嚇する。
ゲイブはテキパキとデリスの遺体を触り、とどめの攻撃された部分と、ダンの使用していた刃物の切り口が似ていることを確認した。
「さあて、これであの老人がうちの大切なメイドを殺害したと立証できました。やれやれ…。」
面倒そうな表情だ。
スクーは色々思うところはあるが、次の行動に出る。
「我々はおおかた検証が済んだので、一度休憩に戻ります。
世話係の方もかなり体力を消耗しているようなので、一緒に待機場所まで戻ります。
ケント様はいかがなさいますか?」
スクーがケントに聞く。
「…。少し離れたところで休んでから待機場所に戻る。」
ケントはまだ吐き気が治らない。ずっと口にハンカチを抑えている。
「ああ、ケント様。汚らしいものを見て気分が悪くなられましたか。
どうぞ、そちらで休憩なさってください。わたしと司教殿で今後を考えますから。」
とゲイブは遺体から少し離れたところに布を敷き、ケントを誘導した。
「…。では、我々はこれで。失礼します。」スクーと世話係は場所を離れた。
人気がいないとこまで進むと、スクーが世話係に説明する。
「これからのことも記録すると言っていたな。執事と司教のやりとりが視覚に入るところまでここから移動して近づく。
それで良いか?」
「は、はい。お手数かけます。よ、よろしくお願いいたします。」
「いや、俺も偵察隊で記録玉を作成する者と仕事をしたことがある。
ただ、記録能力のある者は偵察隊でも、圧倒的に少ない。
この件が終わったら国の機関で働くこともできるのだぞ?」
「…。あ、ありがとうございます。でも、秘密保持が厳守でしょう?む、向いていないのは分かっています。」
世話係は真顔で答える。
「…、あ、ああ。確かに。そうかもな。」スクーは失礼と思いつつも納得した。
「まあ、今から見えるものを見て、今後の身の振る舞いを決めるのもいいかもな。」
「は、はあ。」
世話係はどう言う意味か分からなかったが、曖昧に返事する。
「さあ、では行くぞ、俺に捕まれ。」
スクーは魔力で風を起こし、空中を階段のように駆け上がり、執事と司教のやりとりが見える木の上に場所を構えた。
ここからは無言でのやり取りとなる。
世話係の目を見て、新しい記録玉を渡す。
世話係もペコリと頭を下げ受け取った。
49
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の生産ライフ
星宮歌
恋愛
コツコツとレベルを上げて、生産していくゲームが好きなしがない女子大生、田中雪は、その日、妹に頼まれて手に入れたゲームを片手に通り魔に刺される。
女神『はい、あなた、転生ね』
雪『へっ?』
これは、生産ゲームの世界に転生したかった雪が、別のゲーム世界に転生して、コツコツと生産するお話である。
雪『世界観が壊れる? 知ったこっちゃないわっ!』
無事に完結しました!
続編は『悪役令嬢の神様ライフ』です。
よければ、そちらもよろしくお願いしますm(_ _)m
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~
紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。
毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?
雨宮羽那
恋愛
元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。
◇◇◇◇
名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。
自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。
運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!
なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!?
◇◇◇◇
お気に入り登録、エールありがとうございます♡
※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。
※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。
※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))
ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます
五珠 izumi
恋愛
城の下働きとして働いていた私。
ある日、開かれた姫様達のお見合いパーティー会場に何故か魔獣が現れて、運悪く通りかかった私は切られてしまった。
ああ、死んだな、そう思った私の目に見えるのは、私を助けようと手を伸ばす銀髪の美少年だった。
竜獣人の美少年に溺愛されるちょっと不運な女の子のお話。
*魔獣、獣人、魔法など、何でもありの世界です。
*お気に入り登録、しおり等、ありがとうございます。
*本編は完結しています。
番外編は不定期になります。
次話を投稿する迄、完結設定にさせていただきます。
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!!
お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。
皆様、お気に入り登録ありがとうございました。
現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる