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デート
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1週間後俺は意地でしびれを直した。苦すぎる薬も飲んだし、適度なトレーニングにも励んだ。それもこれもアリスとのデートのためだった。
アリスをエスコートするときしびれてふらついていたんじゃ恰好つかないしな。
放課後に街に出て評判のケーキを一緒に食べるデートコースを決めていた。
ベタだがアリスの緊張を解くには甘いスイーツが一番だ。
放課後、お互い制服のまま街に出る。
アリスは普段通りぶかぶかの制服を着ている。眼鏡も相変わらずだが、心なしか雰囲気が違う気がした。
アリスはカフェでのケーキをすごく喜んでくれた。甘いものが苦手だったらどうしようと心配はあったが、ぺろりと平らげていた。ほっぺたに手をやり何度もため息をついては「お、おいしい…。」と感動していた。
アリスの可愛い一面が見れて俺も幸せだ。
デートのクライマックスは夕日が見えるサンセットデッキだ。俺のお気に入りの場所。アンジェリカも連れてきたことがない秘密の場所だ。俺の大切なアリスだから連れてきたいと思ったんだ。
アリスとベンチに並んで座る。お互い婚約者なのに好きな食べ物や好きな色、好きな教科なんか全然知らなかった。二人で笑い合いながら教え合う。アリスが笑ってくれているだけで嬉しかった。
途中で自然と会話が途切れた時にアリスが少し声を落として話し出した。
「アレックス様、私友達がいなくてこうやって街でスイーツを食べたりベンチでお喋りするなんて殆どなかったの。今すごく嬉しい。今日誘ってくれて本当にありがとう。」
これを聞いたらアリスにキスの一つでもしたくなるのが男だが、嫌われたくないので我慢した。
「アリス、アリスは素敵な女性だ。マリーナ嬢ももうすぐ復学するだろう。友達はたくさんできるさ。過去は過去。これから楽しいこと沢山しよう。」
「アレックス様…。」
「けど、アリスに沢山友達が出来たらやきもちを焼いてしまうから考えものだな。」本音が出てしまった。
アリスはまた赤くなっていた。
「そういえば、アリス何かイメチェンした?いつもと違う、髪…かな。」
「ああ、アレックス様。気が付くなんてすごいのね。実は髪の毛が痛みすぎていたので最近手入れしてるの。今まで実験ばかりしていたでしょう?帰宅したとき体に薬品が付着しちゃいけないから何度も全身を洗うの。それに匂いが分からなくなると困るのよ。実験の邪魔になる香油とか使わなかったらすごいことになってたの。爆発頭から少しマシになったかしら?お父様とお母様にマリーの件が落ち着いたからしばらく薬のことは置いておくようにと口酸っぱく言われたのよ。だから手入れも待女にされるがままよ。フフフ。」困ったようにアリスが笑った。
ああ、マリーナ嬢の治療薬のために生活のすべてを捧げてたんだな。
服がぶかぶかなのは都度着替えやすいようにか?よく分からないがアリスの事情が色々あるんだろう。
「今日アリスが時間を取ってくれたこと、すごく嬉しい。またこうやってアリスと時間を過ごしたい。」
「…。そうね。お互いを知るためにはいいわね。」
「やった!」ガッツポーズをとってしまった俺だが、すごく嬉しい。
それから俺は幾度となくアリスをデートに誘った。
俺はアリスとの親交を深めるために時間が欲しいから協力してほしいと自分の父親に頼み込み俺の父親からアリスの両親に協力をしてもらうことができた。
もともとアリスの両親も娘があまりにも薬学にのめり込んでいたため不安に思いどこかでブレーキをかけなければいけないと危惧していたそうだ。
俺の協力依頼は渡りに船だったようで、アリスは今薬学関係とは距離を置き、婚約者や友人との時間を過ごすことを優先するよう両親に口酸っぱく言われている。
アリスと一緒に芝居を見に行ったりピクニックにも行った。やっぱりアリスと一緒に過ごす時間はすごく楽しい。
徐々に二人のペースが上手く合ってきたと思うのは自惚れではないはずだ。
ただ、気がかりなことがある。
アリスの素顔を俺はまだ見たことがないのだ。
アリスをエスコートするときしびれてふらついていたんじゃ恰好つかないしな。
放課後に街に出て評判のケーキを一緒に食べるデートコースを決めていた。
ベタだがアリスの緊張を解くには甘いスイーツが一番だ。
放課後、お互い制服のまま街に出る。
アリスは普段通りぶかぶかの制服を着ている。眼鏡も相変わらずだが、心なしか雰囲気が違う気がした。
アリスはカフェでのケーキをすごく喜んでくれた。甘いものが苦手だったらどうしようと心配はあったが、ぺろりと平らげていた。ほっぺたに手をやり何度もため息をついては「お、おいしい…。」と感動していた。
アリスの可愛い一面が見れて俺も幸せだ。
デートのクライマックスは夕日が見えるサンセットデッキだ。俺のお気に入りの場所。アンジェリカも連れてきたことがない秘密の場所だ。俺の大切なアリスだから連れてきたいと思ったんだ。
アリスとベンチに並んで座る。お互い婚約者なのに好きな食べ物や好きな色、好きな教科なんか全然知らなかった。二人で笑い合いながら教え合う。アリスが笑ってくれているだけで嬉しかった。
途中で自然と会話が途切れた時にアリスが少し声を落として話し出した。
「アレックス様、私友達がいなくてこうやって街でスイーツを食べたりベンチでお喋りするなんて殆どなかったの。今すごく嬉しい。今日誘ってくれて本当にありがとう。」
これを聞いたらアリスにキスの一つでもしたくなるのが男だが、嫌われたくないので我慢した。
「アリス、アリスは素敵な女性だ。マリーナ嬢ももうすぐ復学するだろう。友達はたくさんできるさ。過去は過去。これから楽しいこと沢山しよう。」
「アレックス様…。」
「けど、アリスに沢山友達が出来たらやきもちを焼いてしまうから考えものだな。」本音が出てしまった。
アリスはまた赤くなっていた。
「そういえば、アリス何かイメチェンした?いつもと違う、髪…かな。」
「ああ、アレックス様。気が付くなんてすごいのね。実は髪の毛が痛みすぎていたので最近手入れしてるの。今まで実験ばかりしていたでしょう?帰宅したとき体に薬品が付着しちゃいけないから何度も全身を洗うの。それに匂いが分からなくなると困るのよ。実験の邪魔になる香油とか使わなかったらすごいことになってたの。爆発頭から少しマシになったかしら?お父様とお母様にマリーの件が落ち着いたからしばらく薬のことは置いておくようにと口酸っぱく言われたのよ。だから手入れも待女にされるがままよ。フフフ。」困ったようにアリスが笑った。
ああ、マリーナ嬢の治療薬のために生活のすべてを捧げてたんだな。
服がぶかぶかなのは都度着替えやすいようにか?よく分からないがアリスの事情が色々あるんだろう。
「今日アリスが時間を取ってくれたこと、すごく嬉しい。またこうやってアリスと時間を過ごしたい。」
「…。そうね。お互いを知るためにはいいわね。」
「やった!」ガッツポーズをとってしまった俺だが、すごく嬉しい。
それから俺は幾度となくアリスをデートに誘った。
俺はアリスとの親交を深めるために時間が欲しいから協力してほしいと自分の父親に頼み込み俺の父親からアリスの両親に協力をしてもらうことができた。
もともとアリスの両親も娘があまりにも薬学にのめり込んでいたため不安に思いどこかでブレーキをかけなければいけないと危惧していたそうだ。
俺の協力依頼は渡りに船だったようで、アリスは今薬学関係とは距離を置き、婚約者や友人との時間を過ごすことを優先するよう両親に口酸っぱく言われている。
アリスと一緒に芝居を見に行ったりピクニックにも行った。やっぱりアリスと一緒に過ごす時間はすごく楽しい。
徐々に二人のペースが上手く合ってきたと思うのは自惚れではないはずだ。
ただ、気がかりなことがある。
アリスの素顔を俺はまだ見たことがないのだ。
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