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有子が目覚めると夜中だった。庭園は暗闇に包まれており、人っ子一人見えない。ふと、虎がどうなったのか気になって、小屋の外に出てみるが、見当たらない。有子がしばらくキョロキョロと周囲を見回しながら歩いていると、月明かりに照らされながら池に浮かんでいる大きな毛皮が見えた。表面の模様までは、よく見えなかったが、大きさからして、おそらく虎だろう。虎の姿を確認したところで、エッちゃんから念が入る。
(有子、起きたのね。実は虎のことだけど、長時間にわたって操るのは、アタシもかなり疲れるんだよね。生物って、自分の意思があるから、操るには相手の意思を封じなきゃならないからさ。というわけで、アタシが虎を操れなくなって、有子が虎に食われかねないから、操れるうちに、虎には池で溺れ死んでもらったわけ)
エッちゃんは淡々と語ったが、有子には虎が哀れに思えて仕方なかった。
(有子、アタシは有子の脳内の思考まで読み取れるんだけどさ。今、『虎がかわいそう』とか思わなかった? まあ、アタシは有子のそういうところって、小学生の頃から好きだったけど。誰にでも優しいからね。でも、今はウダーイを相手に、生きるか死ぬかの戦いの真っ最中だよ。余裕かましてたら、負けて多くの味方を殺すことになるんだよ)
言われてみれば、確かにそうだ。有子は両手で顔をパンッとたたくと、まずは周囲の状況を確認することから始める。月が出ているということは、月見の宴のために、ウダーイが庭園に出てくるかもしれない。そうなると、警護の私兵に見つかれば厄介だ。案の定、ウダーイの「ガハハ……」という野卑な笑い声と、私兵の鎧の鳴る音が聞こえてくる。有子はあわてて庭園から離れると、近くの納屋に隠れて私兵をやり過ごし、屋敷の扉にたどり着いた。あいにく、扉のカギは閉まっていて見張りの私兵も一人いたが、有子は白い光を発して私兵を倒し、カギを入手すると、扉を開けて中に入る。
屋敷の中は、ウダーイとあらかたの私兵が庭園に出てしまっているためか、灯りもろくについておらず、真っ暗だった。ときどき、私兵たちの私室と思しき部屋から灯りが漏れており、「ワハハハ……」などと歓談する声が聞こえてくるぐらいだ。有子は、いつ私兵に襲われるのかと、戦々恐々としながら廊下を歩いた。
(アタシが念を使って様子を探ってみた限り、従者三人の牢屋と、レーム子爵家の部屋とは、扉をはさんで反対側にあるわ。どちらから先に助けるかは、有子しだいだけど。残念ながら、念を使う魔術師にバレる可能性があるから、アタシが助けられるのはここまでよ。健闘を祈るわ)
有子は、まずレーム子爵家の二人を助けることにした。エッちゃんの救出に動いてくれたレーム子爵のみならず、ゾフィーには牢屋から出してもらった恩義もある。そうなると、闇雲に動いていてもダメだ。エッちゃんはだいたいの位置しかつかめなかったうえに、屋敷は広すぎて全体像が把握できない。
(こんなときに、パウがいてくれたら、ウダーイに変身してもらって、皆を解放できるのにな。あたし一人だと、どうして良いやら……)
そのとき、ふいに屋敷内にドカドカと踏み込む、大勢の靴音がし始めた。おそらく庭園に出ていたウダーイと私兵たちが戻ってきたのだろう。しばらくして、ガンガンと非常用の鐘を打ち鳴らす音も聞こえる。
「皆、廊下に出ろ! レーム子爵家の侍女が、虎と門番を殺して、屋敷内に侵入したぞ! 魔法を使ってくるおそれもあるから、魔術師を出動させろ!」
屋敷内が一気にあわただしくなる。同時に、有子のもとに靴音が近づいてくる。剣や槍を使う私兵なら、魔法で撃退できるが、魔術師となると、第三軍にいた頃に殺されそうになった苦い経験があるので、思い出しても足がガクガク震えだす。
とにかく、どこかに隠れなければならない。いったん落ち着こうと、深呼吸して壁にもたれかかる。すると、あろうことか、壁がグルリと回転し、有子は壁の後ろの穴に落ちていった。
「きゃああああっ……!」
予想外の事態に、思わず悲鳴をあげてしまう。悲鳴で自分の現在位置が知られてしまう危険よりも、落下していく恐怖のほうにあらがえなかったのだ。
しかし、途中で冷静になって周囲の魔素を見回してみる。有子の周囲には、水のもとになる青い魔素があった。
(そうだ。水でクッションを作って……)
有子は魔法で、水を下に集めるような形にしてみる。そうすると、体は下にたまった水に落ち、落下速度をゆるめてから、下の石の床に降りることに成功した。もっとも、そのために服はびしょぬれになってしまい、寒くてたまらなかったが。かといって、魔素を使って火をおこすと、敵の魔術師に気づかれるおそれがあるので、我慢するしかない。
周囲は真っ暗闇なので、手探りで様子を探っていくと、どうやら人が二人ぐらい通れる石造りの通路らしい。そして、エッちゃんの念が、今までより濃密に感じられた。どうやら、この近くにいるらしい。有子はエッちゃんの念を追いながら、手探りで通路を進んでいく。
(どうやら、アタシの牢屋の近くに来てしまったみたいね。とりあえず、牢番の男が二人いるから、そいつらを倒してカギを開けて)
エッちゃんの念は、どんどん濃密に、しかも有子の脳内だけを狙って発せられているように感じられる。それだけ、エッちゃんに近づいているということだろう。そのうち、前方に灯りが見えてきた。灯りの中では、二人の牢番の「かったりいなぁ」などとつぶやく声が聞こえてくる。有子は前方に注意しながら、足音を立てないように恐る恐る進んでいく。
(ところで、有子は正面突破しようとしてない? 頭を使いなさいよ。自分の位置と反対側に石を投げて、牢番の意識がそっちに向いた隙に、近づいて倒すとか。でないと、屈強そうな男の牢番を二人も倒せやしないわよ。どちらかに逃げられたら厄介だからね)
エッちゃんに言われてみれば、確かにそうだ。有子は足元の石を拾うと、思いっきり遠くに投げる。ふだんからバスケをはじめとする球技は得意なほうなので、コントロールも良く、石はカランという音をたてて、見事に反対側に落ちる。
「誰だ? 名を名乗れ!」
牢番たちはあわてて反対側を向くが、その頃には有子が青い魔素で、牢番たちの頭を水で包み込み、空気の吸入を断ち切ってしまう。
「ぐぼぉ……。貴様……何を……」
牢番はおぼれながら、声にならない悲鳴をあげるが、やがて酸素不足で気を失ってしまう。完全に気を失ったのを確認してから、有子は魔法を解除して牢番のポケットをまさぐり、カギを見つけると、開錠してエッちゃんを解放した。エッちゃんの服は、あちこち破れていて、暴行があったことを生々しく語っている。エッちゃんは泣きながら、有子に抱きついてくる。有子もエッちゃんと抱き合って再会を喜び合った。
「あ~ん、心細かったよぉ……。レーム子爵邸の玄関で、いきなり薬らしい臭いのしみこんだ布を押し当てられて、そのまま気を失っちゃってさ、気づいたらこの牢屋にいたってわけ。その間、ウダーイが私兵を引き連れて牢屋に来ては、アタシの体をベタベタ触ったり、服を脱がしたりして、いやらしいことをいっぱいしていったのよぉ。アタシ、もう生きた心地もしなかった……。幸い、『こいつは俺様の好みの体型じゃねえな』と言って、最後まではやらなかったんだけどさ……」
エッちゃんは有子に抱きついては、泣き叫んだ。もっとも、今の危険な状態がわかっているのか、すぐに泣きやむと、石造りの廊下を有子が来たほうへと進み始めた。ときどき立ち止まっては、周囲の人々の念を拾うことで状況を整理しながら、ゆっくり進んでいく。
「注意しないと、私兵や魔術師に出くわしたら、アタシたちじゃ勝てないからね。今は敵の目をくらましながら、レーム子爵家と従者たちを助け出すのが目的だから」
「でも、何で、敵の黒幕は、エッちゃんを誘拐したんだろう? ただの侍女なんか誘拐しても、何の得にもならないのにさ」
有子は、かねてより疑問に思っていたことを、思わず口にした。
「あくまでアタシの推測だけどさ……。下級貴族であるレーム子爵家を、上級貴族や皇族しか入れない別荘に来させることで、レーム子爵を失脚させようとしている、他の貴族の陰謀じゃないかな。今、ベオグラード王国へ派遣されているカイゼル帝国軍の総大将が、アドナン元帥なんだけど、アドナン元帥の叔父にあたる男の念を、この別荘で感じるの。名前は、ハイラッラー侯爵。ウダーイを次期皇帝に推している中心人物よ」
(有子、起きたのね。実は虎のことだけど、長時間にわたって操るのは、アタシもかなり疲れるんだよね。生物って、自分の意思があるから、操るには相手の意思を封じなきゃならないからさ。というわけで、アタシが虎を操れなくなって、有子が虎に食われかねないから、操れるうちに、虎には池で溺れ死んでもらったわけ)
エッちゃんは淡々と語ったが、有子には虎が哀れに思えて仕方なかった。
(有子、アタシは有子の脳内の思考まで読み取れるんだけどさ。今、『虎がかわいそう』とか思わなかった? まあ、アタシは有子のそういうところって、小学生の頃から好きだったけど。誰にでも優しいからね。でも、今はウダーイを相手に、生きるか死ぬかの戦いの真っ最中だよ。余裕かましてたら、負けて多くの味方を殺すことになるんだよ)
言われてみれば、確かにそうだ。有子は両手で顔をパンッとたたくと、まずは周囲の状況を確認することから始める。月が出ているということは、月見の宴のために、ウダーイが庭園に出てくるかもしれない。そうなると、警護の私兵に見つかれば厄介だ。案の定、ウダーイの「ガハハ……」という野卑な笑い声と、私兵の鎧の鳴る音が聞こえてくる。有子はあわてて庭園から離れると、近くの納屋に隠れて私兵をやり過ごし、屋敷の扉にたどり着いた。あいにく、扉のカギは閉まっていて見張りの私兵も一人いたが、有子は白い光を発して私兵を倒し、カギを入手すると、扉を開けて中に入る。
屋敷の中は、ウダーイとあらかたの私兵が庭園に出てしまっているためか、灯りもろくについておらず、真っ暗だった。ときどき、私兵たちの私室と思しき部屋から灯りが漏れており、「ワハハハ……」などと歓談する声が聞こえてくるぐらいだ。有子は、いつ私兵に襲われるのかと、戦々恐々としながら廊下を歩いた。
(アタシが念を使って様子を探ってみた限り、従者三人の牢屋と、レーム子爵家の部屋とは、扉をはさんで反対側にあるわ。どちらから先に助けるかは、有子しだいだけど。残念ながら、念を使う魔術師にバレる可能性があるから、アタシが助けられるのはここまでよ。健闘を祈るわ)
有子は、まずレーム子爵家の二人を助けることにした。エッちゃんの救出に動いてくれたレーム子爵のみならず、ゾフィーには牢屋から出してもらった恩義もある。そうなると、闇雲に動いていてもダメだ。エッちゃんはだいたいの位置しかつかめなかったうえに、屋敷は広すぎて全体像が把握できない。
(こんなときに、パウがいてくれたら、ウダーイに変身してもらって、皆を解放できるのにな。あたし一人だと、どうして良いやら……)
そのとき、ふいに屋敷内にドカドカと踏み込む、大勢の靴音がし始めた。おそらく庭園に出ていたウダーイと私兵たちが戻ってきたのだろう。しばらくして、ガンガンと非常用の鐘を打ち鳴らす音も聞こえる。
「皆、廊下に出ろ! レーム子爵家の侍女が、虎と門番を殺して、屋敷内に侵入したぞ! 魔法を使ってくるおそれもあるから、魔術師を出動させろ!」
屋敷内が一気にあわただしくなる。同時に、有子のもとに靴音が近づいてくる。剣や槍を使う私兵なら、魔法で撃退できるが、魔術師となると、第三軍にいた頃に殺されそうになった苦い経験があるので、思い出しても足がガクガク震えだす。
とにかく、どこかに隠れなければならない。いったん落ち着こうと、深呼吸して壁にもたれかかる。すると、あろうことか、壁がグルリと回転し、有子は壁の後ろの穴に落ちていった。
「きゃああああっ……!」
予想外の事態に、思わず悲鳴をあげてしまう。悲鳴で自分の現在位置が知られてしまう危険よりも、落下していく恐怖のほうにあらがえなかったのだ。
しかし、途中で冷静になって周囲の魔素を見回してみる。有子の周囲には、水のもとになる青い魔素があった。
(そうだ。水でクッションを作って……)
有子は魔法で、水を下に集めるような形にしてみる。そうすると、体は下にたまった水に落ち、落下速度をゆるめてから、下の石の床に降りることに成功した。もっとも、そのために服はびしょぬれになってしまい、寒くてたまらなかったが。かといって、魔素を使って火をおこすと、敵の魔術師に気づかれるおそれがあるので、我慢するしかない。
周囲は真っ暗闇なので、手探りで様子を探っていくと、どうやら人が二人ぐらい通れる石造りの通路らしい。そして、エッちゃんの念が、今までより濃密に感じられた。どうやら、この近くにいるらしい。有子はエッちゃんの念を追いながら、手探りで通路を進んでいく。
(どうやら、アタシの牢屋の近くに来てしまったみたいね。とりあえず、牢番の男が二人いるから、そいつらを倒してカギを開けて)
エッちゃんの念は、どんどん濃密に、しかも有子の脳内だけを狙って発せられているように感じられる。それだけ、エッちゃんに近づいているということだろう。そのうち、前方に灯りが見えてきた。灯りの中では、二人の牢番の「かったりいなぁ」などとつぶやく声が聞こえてくる。有子は前方に注意しながら、足音を立てないように恐る恐る進んでいく。
(ところで、有子は正面突破しようとしてない? 頭を使いなさいよ。自分の位置と反対側に石を投げて、牢番の意識がそっちに向いた隙に、近づいて倒すとか。でないと、屈強そうな男の牢番を二人も倒せやしないわよ。どちらかに逃げられたら厄介だからね)
エッちゃんに言われてみれば、確かにそうだ。有子は足元の石を拾うと、思いっきり遠くに投げる。ふだんからバスケをはじめとする球技は得意なほうなので、コントロールも良く、石はカランという音をたてて、見事に反対側に落ちる。
「誰だ? 名を名乗れ!」
牢番たちはあわてて反対側を向くが、その頃には有子が青い魔素で、牢番たちの頭を水で包み込み、空気の吸入を断ち切ってしまう。
「ぐぼぉ……。貴様……何を……」
牢番はおぼれながら、声にならない悲鳴をあげるが、やがて酸素不足で気を失ってしまう。完全に気を失ったのを確認してから、有子は魔法を解除して牢番のポケットをまさぐり、カギを見つけると、開錠してエッちゃんを解放した。エッちゃんの服は、あちこち破れていて、暴行があったことを生々しく語っている。エッちゃんは泣きながら、有子に抱きついてくる。有子もエッちゃんと抱き合って再会を喜び合った。
「あ~ん、心細かったよぉ……。レーム子爵邸の玄関で、いきなり薬らしい臭いのしみこんだ布を押し当てられて、そのまま気を失っちゃってさ、気づいたらこの牢屋にいたってわけ。その間、ウダーイが私兵を引き連れて牢屋に来ては、アタシの体をベタベタ触ったり、服を脱がしたりして、いやらしいことをいっぱいしていったのよぉ。アタシ、もう生きた心地もしなかった……。幸い、『こいつは俺様の好みの体型じゃねえな』と言って、最後まではやらなかったんだけどさ……」
エッちゃんは有子に抱きついては、泣き叫んだ。もっとも、今の危険な状態がわかっているのか、すぐに泣きやむと、石造りの廊下を有子が来たほうへと進み始めた。ときどき立ち止まっては、周囲の人々の念を拾うことで状況を整理しながら、ゆっくり進んでいく。
「注意しないと、私兵や魔術師に出くわしたら、アタシたちじゃ勝てないからね。今は敵の目をくらましながら、レーム子爵家と従者たちを助け出すのが目的だから」
「でも、何で、敵の黒幕は、エッちゃんを誘拐したんだろう? ただの侍女なんか誘拐しても、何の得にもならないのにさ」
有子は、かねてより疑問に思っていたことを、思わず口にした。
「あくまでアタシの推測だけどさ……。下級貴族であるレーム子爵家を、上級貴族や皇族しか入れない別荘に来させることで、レーム子爵を失脚させようとしている、他の貴族の陰謀じゃないかな。今、ベオグラード王国へ派遣されているカイゼル帝国軍の総大将が、アドナン元帥なんだけど、アドナン元帥の叔父にあたる男の念を、この別荘で感じるの。名前は、ハイラッラー侯爵。ウダーイを次期皇帝に推している中心人物よ」
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