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最終章 黒い羽と青のそら
初めての戸惑い 4
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案外、楽しかった。
レティシアは、そう感じている。
服を買い、お茶を飲み、雑貨店に行った。
サリーには、意識してみては、と言われたけれども。
(そーゆう感じじゃないっていうか……)
気を遣わずにすむ、というのは、間違いない。
さりとて、気楽に過ぎるのではなかろうか。
どちらかと言えば、友達と街に遊びに出た、という気分。
(デートっぽくは、なかったよなぁ。楽しかったケド……)
レティシアは街に慣れていないが、ユージーンは「庶民」慣れしていないのだ。
いちいち反応するのが、面白かった。
それに、今日は、1度も怒らずにいる。
(あれ? そう言えば、そうだ……ユージーンに、怒らずにいるって……)
ようやく、その不自然さに気づいた。
いつだって、レティシアは、ユージーンに怒っている。
1日、1度は必ずと言っていいくらいだ。
なのに、今日は、笑ってばかりいた。
今は、帰りの馬車の中。
ユージーンは、向かいに座っている。
それにも、少し「あれ?」と思った。
夜会の日には、隣に座っていたからだ。
あの時は、王宮ではそういうものなのだろう、と勝手に思っている。
なぜ隣に座るのか、などと聞くのは、失礼な気もしたし。
(習慣ってわけじゃなかったのか……夜会だったからかな……?)
ユージーンが緊張していたことには、気づいていない。
ユージーンが緊張、という発想がなかった。
レティシアにとって、ユージーンは、未だ「特別な」相手とはならずにいる。
面白かったし、楽しかったのは確かだが、ドキドキしてはいなかった。
手も、何気なく繋いでいる。
迷子にならないため、とのユージーンの言葉を真に受けていた。
「あのさ、もしかして、今日、すんごく気を遣ってなかった?」
だから、怒らずにいられたのかもしれない。
そんな気がする。
だとすると、ユージーンは、すごく疲れたのではないか、とも思えた。
「気を遣う? いや……そんなことはしておらん」
「そ、そう?」
「なぜだ?」
「いやぁ……」
ユージーンに怒らないなんて変だ。
とは、ちょっと言いにくい。
今まで、自分が、怒り過ぎていただけなのかもしれないし。
「俺が気を遣っている、と、お前が思う理由があるのだろ?」
「うーん……」
「はっきり言え。お前らしくもない」
言われて、少しムッとする。
今日は、楽しかった。
最後で台無しにしたくないと、レティシアだって思っている。
だから、はっきり言えずにいるのだ。
「ああ……いや……そうではないな」
ユージーンは、たいていは無表情。
なのに、なぜか困った顔をしているように感じる。
最近、無表情でも、なんとなく漂う、ユージーンの感情に気づくことがあった。
「はっきり物を言うところが、お前らしくてよい、ということだ」
レティシアは、ユージーンを、じいっと見つめる。
しばしの間のあと、ユージーンが目を逸らせた。
「やっぱり!」
声を上げる。
間違いない、と悟ったからだ。
「ユージーン、気を遣ってるじゃん! どうしたのっ? 頭でも打ったっ?」
「俺の頭は、おかしくなどなっておらんぞ」
「でも、おかしいよ! ユージーンが、そんなに気を遣うなんてさ! それこそ、らしくない!」
ユージーンが、小さくレティシアを睨む。
が、すぐに、ぷいっとした。
馬車の小窓に肘を置き、頬杖をついている。
一見、窓の外を見ているような仕草だ。
さりとて、閉じた小窓から外は見えない。
「気を遣う、というのとは違う」
「ホントに?」
「本当だ」
本人が言うのだから、本当なのだろう。
それでも、なにかがおかしいと感じる。
「だったら、さっき、なんで言い換えたの?」
「そのほうが……正しく伝わると思ったからだ」
「それ、やっぱり気を遣ってるってことなんじゃない?」
横柄で尊大な話しかたをするのが、ユージーンらしい。
思えば、夜会の日も「気を遣って」いたように思えてきた。
こちらを怒らせないために、無理をしている。
「別に、ムリしなくたっていいのに」
ユージーンの面倒で厄介なところには、慣れつつあった。
怒ることが多いにしても、それはユージーンの個性なのだ。
もう少しどうにかならないものか、と思いはする。
とはいえ、こうなってほしい、と想像する姿もなかった。
面倒で厄介なところが、ユージーンなのだから。
「俺と話している時、お前は怒ることが多かろう?」
「そうだね」
「せっかくのデートであるのに、頭痛を起こさせるのは憚られたのだ」
頭が痛い。
エッテルハイムの城で、ユージーンの言動に怒り過ぎ、そう言ったことがある。
未だに気にしていたなんて、思いもしなかった。
だいたい、あれは、そういう意味ではなかったのだ。
「怒っても、もう頭が痛くなったりしないって」
「そうなのか?」
「慣れたからね」
「慣れ……あまり良いことではないな……」
ユージーンは、やはり無表情。
なのに、やっぱり、感情が見える。
なにか、がっかりしているようだった。
少し気詰まりな空気が流れる。
「レティシア」
ユージーンが頬杖をやめ、レティシアに視線を向けてきた。
緑の瞳に見つめられ、ちょっぴり焦る。
心臓が、ほんのわずか、どきり、としていた。
「俺は、お前の好みではないのだろ?」
「あ…………」
うなずいていいものか、レティシアは戸惑う。
事実ではあるが、この状況でうなずくのは、さすがに気が引けた。
怒っている時ならともかく、今は理性が働いている。
それに、ユージーンは、王子様だった頃とは違う。
ただのユージーンになってからは、良いところもたくさんあると知った。
「お前が望むのなら、髪と目の色を変えてもよい」
「え……?」
「お前の理想に近づけるよう、いかなる努力も惜しまぬ」
じっと見つめられ、心拍数が上がる。
ユージーンは、それほどに、まっすぐにレティシアを見ていた。
真剣で真面目な表情が、レティシアの胸を打つ。
(ユージーン、真面目だから……嘘じゃないよね……)
自分が、そうしてほしいと言えば、必ず、やるに違いない。
レティシアは、ユージーンの、キラッキラな金髪が好きではなかった。
けれど、ユージーンには似合っている。
自分の好みに合わせて変えろ、なんて言おうとは思わない。
「ユージーンは……そのままでいいと思う。ムリする必要ないよ」
「だが、それが愛情表現、というものなのではないか?」
今さらに、これは「デート」なのだったと、実感した。
少なくともユージーンにとっては、そうだったのだ。
「今なら、俺にもわかる。予防措置を講じてでも、お前を抱きたいと思う」
確か、それも、エッテルハイムの城で、そんなような話をしている。
命の危険があるため、女性が25歳を過ぎると子作りはしない。
なのに、予防措置を講じてでも女性を抱くなど不思議だ、とユージーンは言っていた。
その際にレティシアが言ったのだ。
『それが愛情表現ってもんじゃない』
自分の言った、ひとつひとつを、ユージーンは覚えているのだろう。
戸惑っているレティシアに、ユージーンが、その心の裡を、告げた。
「俺は、お前を好いているのだ。ゆえに、お前と婚姻がしたい」
レティシアは、そう感じている。
服を買い、お茶を飲み、雑貨店に行った。
サリーには、意識してみては、と言われたけれども。
(そーゆう感じじゃないっていうか……)
気を遣わずにすむ、というのは、間違いない。
さりとて、気楽に過ぎるのではなかろうか。
どちらかと言えば、友達と街に遊びに出た、という気分。
(デートっぽくは、なかったよなぁ。楽しかったケド……)
レティシアは街に慣れていないが、ユージーンは「庶民」慣れしていないのだ。
いちいち反応するのが、面白かった。
それに、今日は、1度も怒らずにいる。
(あれ? そう言えば、そうだ……ユージーンに、怒らずにいるって……)
ようやく、その不自然さに気づいた。
いつだって、レティシアは、ユージーンに怒っている。
1日、1度は必ずと言っていいくらいだ。
なのに、今日は、笑ってばかりいた。
今は、帰りの馬車の中。
ユージーンは、向かいに座っている。
それにも、少し「あれ?」と思った。
夜会の日には、隣に座っていたからだ。
あの時は、王宮ではそういうものなのだろう、と勝手に思っている。
なぜ隣に座るのか、などと聞くのは、失礼な気もしたし。
(習慣ってわけじゃなかったのか……夜会だったからかな……?)
ユージーンが緊張していたことには、気づいていない。
ユージーンが緊張、という発想がなかった。
レティシアにとって、ユージーンは、未だ「特別な」相手とはならずにいる。
面白かったし、楽しかったのは確かだが、ドキドキしてはいなかった。
手も、何気なく繋いでいる。
迷子にならないため、とのユージーンの言葉を真に受けていた。
「あのさ、もしかして、今日、すんごく気を遣ってなかった?」
だから、怒らずにいられたのかもしれない。
そんな気がする。
だとすると、ユージーンは、すごく疲れたのではないか、とも思えた。
「気を遣う? いや……そんなことはしておらん」
「そ、そう?」
「なぜだ?」
「いやぁ……」
ユージーンに怒らないなんて変だ。
とは、ちょっと言いにくい。
今まで、自分が、怒り過ぎていただけなのかもしれないし。
「俺が気を遣っている、と、お前が思う理由があるのだろ?」
「うーん……」
「はっきり言え。お前らしくもない」
言われて、少しムッとする。
今日は、楽しかった。
最後で台無しにしたくないと、レティシアだって思っている。
だから、はっきり言えずにいるのだ。
「ああ……いや……そうではないな」
ユージーンは、たいていは無表情。
なのに、なぜか困った顔をしているように感じる。
最近、無表情でも、なんとなく漂う、ユージーンの感情に気づくことがあった。
「はっきり物を言うところが、お前らしくてよい、ということだ」
レティシアは、ユージーンを、じいっと見つめる。
しばしの間のあと、ユージーンが目を逸らせた。
「やっぱり!」
声を上げる。
間違いない、と悟ったからだ。
「ユージーン、気を遣ってるじゃん! どうしたのっ? 頭でも打ったっ?」
「俺の頭は、おかしくなどなっておらんぞ」
「でも、おかしいよ! ユージーンが、そんなに気を遣うなんてさ! それこそ、らしくない!」
ユージーンが、小さくレティシアを睨む。
が、すぐに、ぷいっとした。
馬車の小窓に肘を置き、頬杖をついている。
一見、窓の外を見ているような仕草だ。
さりとて、閉じた小窓から外は見えない。
「気を遣う、というのとは違う」
「ホントに?」
「本当だ」
本人が言うのだから、本当なのだろう。
それでも、なにかがおかしいと感じる。
「だったら、さっき、なんで言い換えたの?」
「そのほうが……正しく伝わると思ったからだ」
「それ、やっぱり気を遣ってるってことなんじゃない?」
横柄で尊大な話しかたをするのが、ユージーンらしい。
思えば、夜会の日も「気を遣って」いたように思えてきた。
こちらを怒らせないために、無理をしている。
「別に、ムリしなくたっていいのに」
ユージーンの面倒で厄介なところには、慣れつつあった。
怒ることが多いにしても、それはユージーンの個性なのだ。
もう少しどうにかならないものか、と思いはする。
とはいえ、こうなってほしい、と想像する姿もなかった。
面倒で厄介なところが、ユージーンなのだから。
「俺と話している時、お前は怒ることが多かろう?」
「そうだね」
「せっかくのデートであるのに、頭痛を起こさせるのは憚られたのだ」
頭が痛い。
エッテルハイムの城で、ユージーンの言動に怒り過ぎ、そう言ったことがある。
未だに気にしていたなんて、思いもしなかった。
だいたい、あれは、そういう意味ではなかったのだ。
「怒っても、もう頭が痛くなったりしないって」
「そうなのか?」
「慣れたからね」
「慣れ……あまり良いことではないな……」
ユージーンは、やはり無表情。
なのに、やっぱり、感情が見える。
なにか、がっかりしているようだった。
少し気詰まりな空気が流れる。
「レティシア」
ユージーンが頬杖をやめ、レティシアに視線を向けてきた。
緑の瞳に見つめられ、ちょっぴり焦る。
心臓が、ほんのわずか、どきり、としていた。
「俺は、お前の好みではないのだろ?」
「あ…………」
うなずいていいものか、レティシアは戸惑う。
事実ではあるが、この状況でうなずくのは、さすがに気が引けた。
怒っている時ならともかく、今は理性が働いている。
それに、ユージーンは、王子様だった頃とは違う。
ただのユージーンになってからは、良いところもたくさんあると知った。
「お前が望むのなら、髪と目の色を変えてもよい」
「え……?」
「お前の理想に近づけるよう、いかなる努力も惜しまぬ」
じっと見つめられ、心拍数が上がる。
ユージーンは、それほどに、まっすぐにレティシアを見ていた。
真剣で真面目な表情が、レティシアの胸を打つ。
(ユージーン、真面目だから……嘘じゃないよね……)
自分が、そうしてほしいと言えば、必ず、やるに違いない。
レティシアは、ユージーンの、キラッキラな金髪が好きではなかった。
けれど、ユージーンには似合っている。
自分の好みに合わせて変えろ、なんて言おうとは思わない。
「ユージーンは……そのままでいいと思う。ムリする必要ないよ」
「だが、それが愛情表現、というものなのではないか?」
今さらに、これは「デート」なのだったと、実感した。
少なくともユージーンにとっては、そうだったのだ。
「今なら、俺にもわかる。予防措置を講じてでも、お前を抱きたいと思う」
確か、それも、エッテルハイムの城で、そんなような話をしている。
命の危険があるため、女性が25歳を過ぎると子作りはしない。
なのに、予防措置を講じてでも女性を抱くなど不思議だ、とユージーンは言っていた。
その際にレティシアが言ったのだ。
『それが愛情表現ってもんじゃない』
自分の言った、ひとつひとつを、ユージーンは覚えているのだろう。
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