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遊星
あの時の後悔とこの先の展望。
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「ごめん、気になるけど塾に行かないと」
そう言った郁哉は「塾終わるの、遅いけど大丈夫?」と言いながらスマホを取り出す。
「たぶん、塾終わるの同じくらいじゃない?」
言いながら俺もスマホを取り出す。
「そうだったね」
そう言いながら笑顔を見せてくれた郁哉と連絡先を交換すると「ごめん、そろそろ行かないとマズイかも」と言うため「そう言えばオレも」と答えれば「急がないとね」と苦笑いを見せる。
「別に今日じゃなくて良いけど、都合のいい時に連絡して。オレはいつでも大丈夫だから」
まだ少し警戒はされているけれど、それでも話を聞いてくれるのなら少しは晴翔に対する考えを改める助けになるかもしれない。晴翔のために郁哉が胸を痛める必要も、自分の時間を割く必要もないのだから。
「分かった。
じゃあね」
オレのことを全面的に信頼したわけではないのだろうけれど、それでも聞く姿勢を持ってくれたことが嬉しい。ホームに入っていく背中を見ながら何をどこまで話していいのかを考えるけれど、言いたいことが沢山あり過ぎて頭が整理できない。
言いたいことを全て言って晴翔への想いを断ち切らせたいけれど、それをして郁哉を傷付けたくはない。だけど傷付けずに伝える方法を考えてもそれは無理だろうと結論を出すしかなかった。
「泣くかな…」
堪え切れず溢れた涙を思い出すと胸が痛くなる。だけどオレの前で無防備な涙を見せたことには喜びを感じてしまう。
「なるようになるしかないか、」
ホームの向こうには郁哉の姿はない。あちらの方が先に電車が来ていたからそれに乗ったのだろう。入ってきた電車に乗り込み空いている席を探す。郁哉の乗る電車はきっと混んでいただろうけれど、オレの乗る電車はそれほど混んでいない。授業が終わり少し時間が経ったせいか同じ学校の生徒は殆ど見当たらないし、部活が終わるには少しだけ早い時間だから晴翔を見つけることもない。
それにしても、と郁哉と晴翔の歪な関係を改めて考える。
いつも2人を目で追っていたオレが2人の関係に気付いたのは1年の冬頃だったはずだ。それまでも距離の近かった2人だけど、晴翔の態度や仕草が変わったことに気付いたのはそれだけ郁哉のことを気にしていたから。
駅に向かう後ろ姿や電車の中で2人で過ごす姿なんて見ていて面白いものじゃないけれど、それでも気付けば目で追ってしまう。
そして気付いた2人の関係。
それまでは適度な距離を持って歩いていたのに何かと晴翔が郁哉に触れようとする。手を繋いだり肩を抱いたりするわけではないけれど、頭を撫でたり尻をポンと叩いたりするたびに少し怒ったような、それでいて嬉しそうな顔を見せる郁哉は幸せそうだった。
そして、その顔を見た晴翔の蕩けるような笑顔。
そんな2人を見たらその関係に気付いてしまう。
電車の中でも混んでいるのをいいことに郁哉を守るふりをして自分の腕の中に囲うようにしている晴翔が羨ましかった。
郁哉と仲良くしたいと思っていたけれど、郁哉のことを性的な目で見ていたつもりはなかった。ただ仲良くしたい、友達になりたい、そんな純粋な想いだったはずなのに、2人の関係を見ているうちに純粋な想いは恋愛的な好きに変化していく。
あの瞳に映りたい。
そんな風に思うものの、それを叶えるために動くことはできなかった。
今までの2人の関係を見てきたから郁哉が1人でいても声をかけることができない。ギリギリ虐めにならない〈可愛がり〉を受けていた時に手を差し伸べることができなかった引け目もあるし、晴翔から牽制を受けることも面倒だ。
高校生になってすぐに話しかけることができていたら登下校くらい一緒にできたかもしれないけれど、晴翔が部活に入るまでは2人で登下校していたし、中学の時に感じた引け目をそのまま引きずっていたせいで2人に声をかけることもできなかった。
せめて同じクラスになれていれば、そんな風に思うけれどそれは結論でしかないし、郁哉にしてみればそんな風に気持ちを向けられても今更としか思わないだろう。
本当に手を差し伸べて欲しかったのは、中学のあの時期だったはずだから。
そのせいで今回は見て見ぬ振りをしてはいけないと思ったんだ。
晴翔に声をかけて、晴翔と仲良くなれば郁哉と話すことができるかもしれない。郁哉と過ごす時間を持てるかもしれない。
もちろんそういった打算はあった。
それに、少しずつ変化していく2人の様子も気になっていたから。
気が付いてしばらくは見ていると切なくなるくらいに仲睦まじい2人だったけれど、2年になってしばらくすると少しずつ距離ができているように見えた。
2人の間の距離が離れ、晴翔が郁哉に触れることが減っていく。
郁哉は以前と同じような顔を晴翔に向けるけれど、それに応える表情に甘さを見つけることができなくなっていく。
混み合った電車でも郁哉を気にせずスマホを触り、身長差があっても歩幅を合わせることがなくなっていく。
健気な郁哉はテスト週間になれば晴翔に合わせて登校するし、晴翔のテスト勉強を手伝っているのだろう。この時期に一緒にいるのはきっとそのため。
常に2人の登校を見ているわけではないけれど、乗る電車の時間が重なればついつい目を向けてしまうのは仕方がない事。
晴翔に合わせてテスト週間中は1本遅い電車に乗るせいで目にする2人の姿だけど、いつもの郁哉はもう一本早い電車に乗っているはずだ。気まぐれに早く行った駅で郁哉を見つけた事があるし、テスト週間以外で郁哉が乗っているのを見ることはないからきっと間違いじゃない。郁哉を見つけたあの日、声をかけようかと迷ったけれど結局それはできず、電車の時間を知ったからといって自分の時間を変える事もしなかった。
結局、自分の欲しいリアクションが貰えなかった時のことを想像して諦めたのはただのヘタレだから。
晴翔の態度が変わってもそれでも2人でいるのは郁哉の想いの方が強いからなのかと思っていたけれど、今日の話の感じだとそうでもないのかもしれない。
もう間違えたくない。
あの頃に比べてオレたちだって成長しているのだから人の見方だって変わってきている。
晴翔は中学の時のままスポーツの出来る人気者と認識されているわけではない。確かに背も高いしスポーツをしているせいで羨ましいと思うような体型だ。成績もそこそこで顔だって悪くない。だけどそれだけ。
中学の時のように優劣がつきやすい環境ならいわゆるカースト上位と言われる晴翔だったけど、高校に入ってしまえばそれほど目立つ存在ではない。
部活でいえば常にレギュラーで、成績だって上位をキープしているヤツだっている。顔だけ見れば晴翔よりも顔のいいヤツだってたくさんいる。自惚れるわけではないけれど、顔単体で見ればオレだってそれなりだ。
だから今、晴翔が郁哉を〈可愛がり〉の対象に仕立てようとしても無駄な労力を使うだけだろう。
それに対して郁哉は中学の頃に比べると本当に目立たなくなってしまった。
きっとあの頃の事がトラウマになっているのだろう。中学の頃からの友人や、そのまた友人とは繋がりがあるけれど自分から交友関係を広げようとする様子はなかったし、自分から離れていった相手の気を引こうとする事もしない。
だけど成績は常に上位だし、話しかければ柔らかな対応を見せるためその存在を気にしているヤツは一定数いたりする。
これも、ついつい郁哉を見てしまうせいで気がついた事。
仲良くしたくても一線を引かれてしまうためその距離を縮めることはできないけれど、中学の頃を知っているヤツは何かと気にしている。それに、地味に見えてもキャラクター扱いされてしまうことのあるような可愛らしさが無くなることはないため何かと郁哉にアピールしているヤツだっているようだ。
郁哉本人は全く気付いていないのだろうけど。
高校に入ってすぐの頃は晴翔が牽制していたせいもあり交友関係は驚くほど狭いけれど、今でもその様子を気にしているのはオレだけじゃない。
どうやって話を持っていこうか、そう考えていたせいか、その日の塾の内容は正直頭に入っていなかった。
そう言った郁哉は「塾終わるの、遅いけど大丈夫?」と言いながらスマホを取り出す。
「たぶん、塾終わるの同じくらいじゃない?」
言いながら俺もスマホを取り出す。
「そうだったね」
そう言いながら笑顔を見せてくれた郁哉と連絡先を交換すると「ごめん、そろそろ行かないとマズイかも」と言うため「そう言えばオレも」と答えれば「急がないとね」と苦笑いを見せる。
「別に今日じゃなくて良いけど、都合のいい時に連絡して。オレはいつでも大丈夫だから」
まだ少し警戒はされているけれど、それでも話を聞いてくれるのなら少しは晴翔に対する考えを改める助けになるかもしれない。晴翔のために郁哉が胸を痛める必要も、自分の時間を割く必要もないのだから。
「分かった。
じゃあね」
オレのことを全面的に信頼したわけではないのだろうけれど、それでも聞く姿勢を持ってくれたことが嬉しい。ホームに入っていく背中を見ながら何をどこまで話していいのかを考えるけれど、言いたいことが沢山あり過ぎて頭が整理できない。
言いたいことを全て言って晴翔への想いを断ち切らせたいけれど、それをして郁哉を傷付けたくはない。だけど傷付けずに伝える方法を考えてもそれは無理だろうと結論を出すしかなかった。
「泣くかな…」
堪え切れず溢れた涙を思い出すと胸が痛くなる。だけどオレの前で無防備な涙を見せたことには喜びを感じてしまう。
「なるようになるしかないか、」
ホームの向こうには郁哉の姿はない。あちらの方が先に電車が来ていたからそれに乗ったのだろう。入ってきた電車に乗り込み空いている席を探す。郁哉の乗る電車はきっと混んでいただろうけれど、オレの乗る電車はそれほど混んでいない。授業が終わり少し時間が経ったせいか同じ学校の生徒は殆ど見当たらないし、部活が終わるには少しだけ早い時間だから晴翔を見つけることもない。
それにしても、と郁哉と晴翔の歪な関係を改めて考える。
いつも2人を目で追っていたオレが2人の関係に気付いたのは1年の冬頃だったはずだ。それまでも距離の近かった2人だけど、晴翔の態度や仕草が変わったことに気付いたのはそれだけ郁哉のことを気にしていたから。
駅に向かう後ろ姿や電車の中で2人で過ごす姿なんて見ていて面白いものじゃないけれど、それでも気付けば目で追ってしまう。
そして気付いた2人の関係。
それまでは適度な距離を持って歩いていたのに何かと晴翔が郁哉に触れようとする。手を繋いだり肩を抱いたりするわけではないけれど、頭を撫でたり尻をポンと叩いたりするたびに少し怒ったような、それでいて嬉しそうな顔を見せる郁哉は幸せそうだった。
そして、その顔を見た晴翔の蕩けるような笑顔。
そんな2人を見たらその関係に気付いてしまう。
電車の中でも混んでいるのをいいことに郁哉を守るふりをして自分の腕の中に囲うようにしている晴翔が羨ましかった。
郁哉と仲良くしたいと思っていたけれど、郁哉のことを性的な目で見ていたつもりはなかった。ただ仲良くしたい、友達になりたい、そんな純粋な想いだったはずなのに、2人の関係を見ているうちに純粋な想いは恋愛的な好きに変化していく。
あの瞳に映りたい。
そんな風に思うものの、それを叶えるために動くことはできなかった。
今までの2人の関係を見てきたから郁哉が1人でいても声をかけることができない。ギリギリ虐めにならない〈可愛がり〉を受けていた時に手を差し伸べることができなかった引け目もあるし、晴翔から牽制を受けることも面倒だ。
高校生になってすぐに話しかけることができていたら登下校くらい一緒にできたかもしれないけれど、晴翔が部活に入るまでは2人で登下校していたし、中学の時に感じた引け目をそのまま引きずっていたせいで2人に声をかけることもできなかった。
せめて同じクラスになれていれば、そんな風に思うけれどそれは結論でしかないし、郁哉にしてみればそんな風に気持ちを向けられても今更としか思わないだろう。
本当に手を差し伸べて欲しかったのは、中学のあの時期だったはずだから。
そのせいで今回は見て見ぬ振りをしてはいけないと思ったんだ。
晴翔に声をかけて、晴翔と仲良くなれば郁哉と話すことができるかもしれない。郁哉と過ごす時間を持てるかもしれない。
もちろんそういった打算はあった。
それに、少しずつ変化していく2人の様子も気になっていたから。
気が付いてしばらくは見ていると切なくなるくらいに仲睦まじい2人だったけれど、2年になってしばらくすると少しずつ距離ができているように見えた。
2人の間の距離が離れ、晴翔が郁哉に触れることが減っていく。
郁哉は以前と同じような顔を晴翔に向けるけれど、それに応える表情に甘さを見つけることができなくなっていく。
混み合った電車でも郁哉を気にせずスマホを触り、身長差があっても歩幅を合わせることがなくなっていく。
健気な郁哉はテスト週間になれば晴翔に合わせて登校するし、晴翔のテスト勉強を手伝っているのだろう。この時期に一緒にいるのはきっとそのため。
常に2人の登校を見ているわけではないけれど、乗る電車の時間が重なればついつい目を向けてしまうのは仕方がない事。
晴翔に合わせてテスト週間中は1本遅い電車に乗るせいで目にする2人の姿だけど、いつもの郁哉はもう一本早い電車に乗っているはずだ。気まぐれに早く行った駅で郁哉を見つけた事があるし、テスト週間以外で郁哉が乗っているのを見ることはないからきっと間違いじゃない。郁哉を見つけたあの日、声をかけようかと迷ったけれど結局それはできず、電車の時間を知ったからといって自分の時間を変える事もしなかった。
結局、自分の欲しいリアクションが貰えなかった時のことを想像して諦めたのはただのヘタレだから。
晴翔の態度が変わってもそれでも2人でいるのは郁哉の想いの方が強いからなのかと思っていたけれど、今日の話の感じだとそうでもないのかもしれない。
もう間違えたくない。
あの頃に比べてオレたちだって成長しているのだから人の見方だって変わってきている。
晴翔は中学の時のままスポーツの出来る人気者と認識されているわけではない。確かに背も高いしスポーツをしているせいで羨ましいと思うような体型だ。成績もそこそこで顔だって悪くない。だけどそれだけ。
中学の時のように優劣がつきやすい環境ならいわゆるカースト上位と言われる晴翔だったけど、高校に入ってしまえばそれほど目立つ存在ではない。
部活でいえば常にレギュラーで、成績だって上位をキープしているヤツだっている。顔だけ見れば晴翔よりも顔のいいヤツだってたくさんいる。自惚れるわけではないけれど、顔単体で見ればオレだってそれなりだ。
だから今、晴翔が郁哉を〈可愛がり〉の対象に仕立てようとしても無駄な労力を使うだけだろう。
それに対して郁哉は中学の頃に比べると本当に目立たなくなってしまった。
きっとあの頃の事がトラウマになっているのだろう。中学の頃からの友人や、そのまた友人とは繋がりがあるけれど自分から交友関係を広げようとする様子はなかったし、自分から離れていった相手の気を引こうとする事もしない。
だけど成績は常に上位だし、話しかければ柔らかな対応を見せるためその存在を気にしているヤツは一定数いたりする。
これも、ついつい郁哉を見てしまうせいで気がついた事。
仲良くしたくても一線を引かれてしまうためその距離を縮めることはできないけれど、中学の頃を知っているヤツは何かと気にしている。それに、地味に見えてもキャラクター扱いされてしまうことのあるような可愛らしさが無くなることはないため何かと郁哉にアピールしているヤツだっているようだ。
郁哉本人は全く気付いていないのだろうけど。
高校に入ってすぐの頃は晴翔が牽制していたせいもあり交友関係は驚くほど狭いけれど、今でもその様子を気にしているのはオレだけじゃない。
どうやって話を持っていこうか、そう考えていたせいか、その日の塾の内容は正直頭に入っていなかった。
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