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第65話 魔導都市の魔道具師組合
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「こんちはー」
「デカい建物だな」
『どうぞこちらへ』
「わざわざここまで案内いただいてありがとうございます」
『いえ。こちらで少々お待ちください』
「この街は馬車じゃなかったね」
「魔導車だな。この世界は魔法があるのになんで馬に牽かせるんだろうって思ってた」
「魔力を動力にするのはムダですからね。馬のほうが安上りです」
「なるほど?」
「タツ様のような無尽蔵の魔力があれば魔力でなんでもごり押せるでしょうけど」
「辰巳は脳筋だよね」
「えっ?」
「えっ?」
「ぐるう?」
「なあチョコ、どう思う?」
「ぐる」
「脳筋だって」
「おまえもか、チョコ!」
「タツ様、落ち着いてください。ここはチーズを嗅いで」
『お待たせ……しました? なにかありましたか?』
「あ、なんでもないよ」
「すーはーすーはー」
「る」
『えっとぉ、それではご案内します?』
「お願いします」
『ここは魔道具師組合本部の事務処理塔です。隣にありますのが魔道具師の研究棟になります』
「このデカい建物が全部事務所なのか?」
『そうですね。この国の魔道具や魔道具師の管理をするにはこれくらいの規模が必要になります』
「すっげー」
「我が国とはかなり規模が違いますね」
「ヤギさんとニョニョさんのとこが最大なんだっけ?」
『研究棟に着きました。この二十三階に魔道具師組合長がお待ちですので、この昇降魔道具にお乗りください』
「おお、エレベーターだ」
「この部屋はなんでしょうか?」
「この箱が動くんだよ」
「箱、ですか?」
『そうですね。この箱の側面に魔導回路が描いてありまして、外側の壁の魔導回路と噛み合って上下に動くようになっています』
「なんか想像と違う」
『違う方式があるんですか?』
「ひもで吊るして上でぐるぐるするやつ」
『それグラグラしませんか?』
「なんか大丈夫になってる」
『不思議ですね?』
「これ以上ないくらいぼんやりした会話を聞いた」
『あ、着きました。どうぞお気をつけてお降りください』
「いつ動くのかと思っていたんですが、もう着いたのですか?」
「エドさん、エレベーター初体験か」
「確かに音とか振動とか全然なかったね」
『組合長、お客様をお連れしました。ちょっと、片づけておいてって言ったじゃないですか』
「おっと聞こえちゃいけないことが聞こえた気がする」
『ああ、ごめんごめん。つい夢中になっちゃって』
『こちらがヌッカマッのフィグォルド様からのご紹介があったお客様です』
『おお、フィグの友達かい?』
『どこをどう読んだら友達になるんですか!』
「まあ友達でもいいけど」
「おじさんはひごっどんの友達なの?」
『ひごっ……ぶはぁ! うひゃひゃひゃ』
「沸点が低そう」
『しばらく止まらないと思いますからお茶でもどうぞ』
「そういえば新作のチーズケーキがあるぞ」
「辰巳のケーキはおいしいよね」
「脳筋の力業だけどな」
「さーあ切り分けましょうね」
『ひごっ……ひごっ……』
『うまぁあっ! なにこれ?!』
「客より先に食ってるな」
「軽めのチーズケーキだね」
「スフレってやつだな」
「ふわふわで口のなかで解けますね」
「これ好き」
「それならよかった」
『これ! どんな魔道具が必要ですか?!』
「オーブンだけでできるけど?」
『なんですと?!』
『なにを騒いでいるんだい? このケーキ? もぐうまあっ!』
「早すぎない?」
「なんかおもしろくなってきたな。これも食わしてみよう」
『なにこれうまっ』
『とろけるぅ!』
「しばらく終わらなさそう」
*****
『はあっ……はあっ……』
『あああ、もう食べられないよう……』
「よしできあがった」
「なにが?!」
「これじゃあ話もできなさそうですが……」
「ぐる?」
「チョコちゃんはまだいけるって」
「チョコ、食べすぎはよくないぞ」
「ぐう」
「どの口が言うって」
「デカい建物だな」
『どうぞこちらへ』
「わざわざここまで案内いただいてありがとうございます」
『いえ。こちらで少々お待ちください』
「この街は馬車じゃなかったね」
「魔導車だな。この世界は魔法があるのになんで馬に牽かせるんだろうって思ってた」
「魔力を動力にするのはムダですからね。馬のほうが安上りです」
「なるほど?」
「タツ様のような無尽蔵の魔力があれば魔力でなんでもごり押せるでしょうけど」
「辰巳は脳筋だよね」
「えっ?」
「えっ?」
「ぐるう?」
「なあチョコ、どう思う?」
「ぐる」
「脳筋だって」
「おまえもか、チョコ!」
「タツ様、落ち着いてください。ここはチーズを嗅いで」
『お待たせ……しました? なにかありましたか?』
「あ、なんでもないよ」
「すーはーすーはー」
「る」
『えっとぉ、それではご案内します?』
「お願いします」
『ここは魔道具師組合本部の事務処理塔です。隣にありますのが魔道具師の研究棟になります』
「このデカい建物が全部事務所なのか?」
『そうですね。この国の魔道具や魔道具師の管理をするにはこれくらいの規模が必要になります』
「すっげー」
「我が国とはかなり規模が違いますね」
「ヤギさんとニョニョさんのとこが最大なんだっけ?」
『研究棟に着きました。この二十三階に魔道具師組合長がお待ちですので、この昇降魔道具にお乗りください』
「おお、エレベーターだ」
「この部屋はなんでしょうか?」
「この箱が動くんだよ」
「箱、ですか?」
『そうですね。この箱の側面に魔導回路が描いてありまして、外側の壁の魔導回路と噛み合って上下に動くようになっています』
「なんか想像と違う」
『違う方式があるんですか?』
「ひもで吊るして上でぐるぐるするやつ」
『それグラグラしませんか?』
「なんか大丈夫になってる」
『不思議ですね?』
「これ以上ないくらいぼんやりした会話を聞いた」
『あ、着きました。どうぞお気をつけてお降りください』
「いつ動くのかと思っていたんですが、もう着いたのですか?」
「エドさん、エレベーター初体験か」
「確かに音とか振動とか全然なかったね」
『組合長、お客様をお連れしました。ちょっと、片づけておいてって言ったじゃないですか』
「おっと聞こえちゃいけないことが聞こえた気がする」
『ああ、ごめんごめん。つい夢中になっちゃって』
『こちらがヌッカマッのフィグォルド様からのご紹介があったお客様です』
『おお、フィグの友達かい?』
『どこをどう読んだら友達になるんですか!』
「まあ友達でもいいけど」
「おじさんはひごっどんの友達なの?」
『ひごっ……ぶはぁ! うひゃひゃひゃ』
「沸点が低そう」
『しばらく止まらないと思いますからお茶でもどうぞ』
「そういえば新作のチーズケーキがあるぞ」
「辰巳のケーキはおいしいよね」
「脳筋の力業だけどな」
「さーあ切り分けましょうね」
『ひごっ……ひごっ……』
『うまぁあっ! なにこれ?!』
「客より先に食ってるな」
「軽めのチーズケーキだね」
「スフレってやつだな」
「ふわふわで口のなかで解けますね」
「これ好き」
「それならよかった」
『これ! どんな魔道具が必要ですか?!』
「オーブンだけでできるけど?」
『なんですと?!』
『なにを騒いでいるんだい? このケーキ? もぐうまあっ!』
「早すぎない?」
「なんかおもしろくなってきたな。これも食わしてみよう」
『なにこれうまっ』
『とろけるぅ!』
「しばらく終わらなさそう」
*****
『はあっ……はあっ……』
『あああ、もう食べられないよう……』
「よしできあがった」
「なにが?!」
「これじゃあ話もできなさそうですが……」
「ぐる?」
「チョコちゃんはまだいけるって」
「チョコ、食べすぎはよくないぞ」
「ぐう」
「どの口が言うって」
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