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第96話 新しい世界
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「じいちゃんただいまー」
「おおトラたちも帰ってきたか」
「ん? 『も』ってことはもしかしてまた勇者チームもいるのか?」
「つい先ほど帰ってきたぞ」
「……エドさん?」
「わかりやすく知らんぷりしてるけどこれは影が連絡してるな」
「たまにしか帰ってこないんじゃ。そのときくらいは顔を合わせたらよかろう」
「まあいいけど」
「それで他の人はどこ行ったんだ?」
「なにやら大騒ぎで大浴場に行ったな」
「かかわらないでおこう」
「ところで新しいメンバーが増えたのかの?」
「ああこれは桃太郎だよ」
「……詳しく」
「サツマの先のオニナパというところに行ったんだが、そこに渡る船で出会った殺人鬼だ」
「さ、殺人鬼?!」
『殺人鬼ではないじゃろ、たぶん』
「なんで自信なさげ?」
「あとなぜかついて来た詐欺師だ」
『詐欺師じゃないだろ、たぶん』
「おまえは詐欺師だろ」
『厚かましいのう』
「すぐうそつくよね」
「な、なかなか変わったメンバーじゃの?」
「少なくとも詐欺師はメンバーにした覚えはないぞ」
「城の牢に入れておこうと思いまして連行いたしました」
『サツマでは引き取ってくれんかったんじゃ』
「かなりめんどくさそうだったね」
「大体討伐依頼だったのに連れて帰った桃太郎が悪い」
『こいつを斬るのはなんかいやじゃもん』
「まあなんかいやなのはわかる」
「こちらでこっそり処分しましょうか?」
『りんごの芯みたいに言うな!』
「なんでりんご?」
「りんごの芯とかよく言いすぎだろ。排水口に溜まった毛くらいでいい」
『ひどい!』
「というわけで凶悪犯として排水口の奥にでも詰めといてください」
「排水口詰まっちゃうじゃん」
「ちゃんと牢に入れましょうね」
『ひどい! 助けて!』
『斬られるよりいいじゃろうに』
「ま、まあよくわからんがわかった。牢を用意させよう」
「ふ~すっきりした」
「ひどいめにあったな」
「あんなプールみたいな風呂は初めてだよ!」
「うるさいのが来たぞ」
「あれ? 知らない人がいるね」
「お、虎彦たちがいるね。久しぶり」
「元気そうだな。なんかおもしろい話はあるか?」
『だれだ?』
『ん? もしかして勇者かの?』
「俺が勇者だけど……魔王の仲間か?」
『いや、魔王なんて知らんが……』
「なんか二人は通じるものがあるのかな?」
「なんでそこでエドさんが緊張してるんだ?」
「あ、ぼくを偽勇者呼ばわりして通報したガキじゃないか!」
「あれ? 知らない人だと思ったら偽勇者じゃん。久しぶり」
「偽勇者じゃない!」
「まあまあ、落ち着け」
「あ、先生いたの?」
「気配隠すのうまくなったな。モブみたいだ」
「わたしは最初からこの部屋にいたが?」
「うわっ! 脅かすなよ」
「じいちゃんはいるだけでうざいのにモブはなんでそんなに目立たないんだろうね」
「トラ……」
「じいさんを泣かすな」
「先王の扱いひどくないかのう?」
『先王様におすすめの孫攻略法があるぜ。いまなら』
「なに?!」
「詐欺師はだまってろ」
「日本のお風呂もいいけどお城の広いお風呂もたまにはいいわね」
「あ、母さんも来た」
「そういえば虎彦んちの風呂って異様に広いよな」
「そうかな?」
「うちの三倍くらいあるだろ」
「そうなんだ」
「虎彦も一般家庭の基準を知らなかったか」
「偽勇者じゃないのに……」
「あら~まだ言ってるの~?」
『偽勇者とはどういうことじゃ?』
「桃太郎も偽勇者だよね」
「おい、落ち込ませるな。めんどくさいだろ」
「子どもは残虐ですね」
「そっちのおっさんも偽勇者なのか? 殺人鬼じゃなくて」
『わしはどうせ殺人鬼じゃ……』
「先生言っていいことと悪いことがあるよ」
「え? いまの俺のせい?」
「みなさんおそろいですか?」
「カーさん?!」
「勇者と偽勇者が集まったところに悠々と現れる現○O△」
「あ、魔法陣業者のカーさんじゃないか。ちーっす」
「そして勇者の対応が軽すぎる」
「まだ業者だと思ってるあたりが親子ですね」
「父さんカーさんと知り合い?」
「うちの転移魔法陣を設置してくれたからね」
「勇者様が魔王城で魔王を倒したあとカー様が現れて『君たちがもとの世界に帰るために魔法陣用意しといたさかい。どこに設置したらええ?』って」
「俺が姫さまといっしょに帰るって言ったら『ほなら行き来できるようにしましょか?』って向こうにも設置してくれてね」
「勇者様」
「姫さま」
「久しぶりに見たな」
「先生が無の表情になってる」
「毎日見てるって顔だな」
「しかも彼女もいないし」
「うるせーよおまえら!」
「それでカーさん今日はどうしたんですか? 城にいるのは珍しいですね」
「ああそれや。とうとうよさそな世界が見つかったさかい巻き込もと思て」
「異世界見つかったんだ」
「しかもただの安全な足場やないで。ちゃんと人間とか社会とかありそうな異世界やったんや」
「おお、もしかして冒険の旅とかできちゃう?」
「トラ様、まだ安全とわかったわけではないですからね」
「はーい」
『相変わらず聞き分けがええのう』
「む? 君は?」
『ん? ああなるほど』
「ふむ」
「なにかわかりあってるな」
『確かにわしは勇者ではなかったようじゃな』
「君が百田せんせのとこの子ぉかいな」
『おっちゃんのこと知っとるんか?』
「あとでせんせの噂話でもしよか」
『……ええな』
「それより異世界はどうするんだ?」
「そやった。未知の異世界やさかいな。まずは勇者に行ってもろて安全を確保してから、わたいが向こうで帰りの魔法陣を設置……いや、同時に設置せんほうがええんか?」
「いったん設置したらオフにできないの?」
「あんたえらいこというなあ。魔法陣オフにするとか考えたことなかったわ」
「時間だけ指定して切り替えればいいんだよ」
「ああ、あの鏡みたいにな。ほんならいけるか」
「全然ついていけませんね」
「虎彦はときどきつながるんだよ」
「普段は切れてるみたいに言ってやるな」
「おおトラたちも帰ってきたか」
「ん? 『も』ってことはもしかしてまた勇者チームもいるのか?」
「つい先ほど帰ってきたぞ」
「……エドさん?」
「わかりやすく知らんぷりしてるけどこれは影が連絡してるな」
「たまにしか帰ってこないんじゃ。そのときくらいは顔を合わせたらよかろう」
「まあいいけど」
「それで他の人はどこ行ったんだ?」
「なにやら大騒ぎで大浴場に行ったな」
「かかわらないでおこう」
「ところで新しいメンバーが増えたのかの?」
「ああこれは桃太郎だよ」
「……詳しく」
「サツマの先のオニナパというところに行ったんだが、そこに渡る船で出会った殺人鬼だ」
「さ、殺人鬼?!」
『殺人鬼ではないじゃろ、たぶん』
「なんで自信なさげ?」
「あとなぜかついて来た詐欺師だ」
『詐欺師じゃないだろ、たぶん』
「おまえは詐欺師だろ」
『厚かましいのう』
「すぐうそつくよね」
「な、なかなか変わったメンバーじゃの?」
「少なくとも詐欺師はメンバーにした覚えはないぞ」
「城の牢に入れておこうと思いまして連行いたしました」
『サツマでは引き取ってくれんかったんじゃ』
「かなりめんどくさそうだったね」
「大体討伐依頼だったのに連れて帰った桃太郎が悪い」
『こいつを斬るのはなんかいやじゃもん』
「まあなんかいやなのはわかる」
「こちらでこっそり処分しましょうか?」
『りんごの芯みたいに言うな!』
「なんでりんご?」
「りんごの芯とかよく言いすぎだろ。排水口に溜まった毛くらいでいい」
『ひどい!』
「というわけで凶悪犯として排水口の奥にでも詰めといてください」
「排水口詰まっちゃうじゃん」
「ちゃんと牢に入れましょうね」
『ひどい! 助けて!』
『斬られるよりいいじゃろうに』
「ま、まあよくわからんがわかった。牢を用意させよう」
「ふ~すっきりした」
「ひどいめにあったな」
「あんなプールみたいな風呂は初めてだよ!」
「うるさいのが来たぞ」
「あれ? 知らない人がいるね」
「お、虎彦たちがいるね。久しぶり」
「元気そうだな。なんかおもしろい話はあるか?」
『だれだ?』
『ん? もしかして勇者かの?』
「俺が勇者だけど……魔王の仲間か?」
『いや、魔王なんて知らんが……』
「なんか二人は通じるものがあるのかな?」
「なんでそこでエドさんが緊張してるんだ?」
「あ、ぼくを偽勇者呼ばわりして通報したガキじゃないか!」
「あれ? 知らない人だと思ったら偽勇者じゃん。久しぶり」
「偽勇者じゃない!」
「まあまあ、落ち着け」
「あ、先生いたの?」
「気配隠すのうまくなったな。モブみたいだ」
「わたしは最初からこの部屋にいたが?」
「うわっ! 脅かすなよ」
「じいちゃんはいるだけでうざいのにモブはなんでそんなに目立たないんだろうね」
「トラ……」
「じいさんを泣かすな」
「先王の扱いひどくないかのう?」
『先王様におすすめの孫攻略法があるぜ。いまなら』
「なに?!」
「詐欺師はだまってろ」
「日本のお風呂もいいけどお城の広いお風呂もたまにはいいわね」
「あ、母さんも来た」
「そういえば虎彦んちの風呂って異様に広いよな」
「そうかな?」
「うちの三倍くらいあるだろ」
「そうなんだ」
「虎彦も一般家庭の基準を知らなかったか」
「偽勇者じゃないのに……」
「あら~まだ言ってるの~?」
『偽勇者とはどういうことじゃ?』
「桃太郎も偽勇者だよね」
「おい、落ち込ませるな。めんどくさいだろ」
「子どもは残虐ですね」
「そっちのおっさんも偽勇者なのか? 殺人鬼じゃなくて」
『わしはどうせ殺人鬼じゃ……』
「先生言っていいことと悪いことがあるよ」
「え? いまの俺のせい?」
「みなさんおそろいですか?」
「カーさん?!」
「勇者と偽勇者が集まったところに悠々と現れる現○O△」
「あ、魔法陣業者のカーさんじゃないか。ちーっす」
「そして勇者の対応が軽すぎる」
「まだ業者だと思ってるあたりが親子ですね」
「父さんカーさんと知り合い?」
「うちの転移魔法陣を設置してくれたからね」
「勇者様が魔王城で魔王を倒したあとカー様が現れて『君たちがもとの世界に帰るために魔法陣用意しといたさかい。どこに設置したらええ?』って」
「俺が姫さまといっしょに帰るって言ったら『ほなら行き来できるようにしましょか?』って向こうにも設置してくれてね」
「勇者様」
「姫さま」
「久しぶりに見たな」
「先生が無の表情になってる」
「毎日見てるって顔だな」
「しかも彼女もいないし」
「うるせーよおまえら!」
「それでカーさん今日はどうしたんですか? 城にいるのは珍しいですね」
「ああそれや。とうとうよさそな世界が見つかったさかい巻き込もと思て」
「異世界見つかったんだ」
「しかもただの安全な足場やないで。ちゃんと人間とか社会とかありそうな異世界やったんや」
「おお、もしかして冒険の旅とかできちゃう?」
「トラ様、まだ安全とわかったわけではないですからね」
「はーい」
『相変わらず聞き分けがええのう』
「む? 君は?」
『ん? ああなるほど』
「ふむ」
「なにかわかりあってるな」
『確かにわしは勇者ではなかったようじゃな』
「君が百田せんせのとこの子ぉかいな」
『おっちゃんのこと知っとるんか?』
「あとでせんせの噂話でもしよか」
『……ええな』
「それより異世界はどうするんだ?」
「そやった。未知の異世界やさかいな。まずは勇者に行ってもろて安全を確保してから、わたいが向こうで帰りの魔法陣を設置……いや、同時に設置せんほうがええんか?」
「いったん設置したらオフにできないの?」
「あんたえらいこというなあ。魔法陣オフにするとか考えたことなかったわ」
「時間だけ指定して切り替えればいいんだよ」
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